産地発!たべもの一直線 |
農業・漁業の現場で、「たべもの」作りに真摯に向き合う生産者を紹介し、 |
宮崎県宮崎市発
宮崎市の生目地区の黒皮かぼちゃは、上品な甘みとねっとりとした食感が特徴。京都の料亭では煮物に欠かせない高級食材です。8年前にUターンして、この伝統作物に挑み始めた宮崎市の井上学さん(41)は様々な工夫をこらし、1玉1玉手間をかけて丁寧に育てています。こだわりは人一倍!ですが、まだまだ苦手なことも。生目地区では、味も見た目も一番いい「適熟」という状態のかぼちゃを出荷することを徹底的に守っています。しかし井上さんはこの「適熟」かどうかの判断が苦手。井上さんは、修行のために地元の出荷場に通っています。出荷場では検査員がひとつひとつ素手で触って未熟なかぼちゃは取り除く徹底した検査を行っています。その中の一人、検査員歴40年の押川秀美さんの経験に裏打ちされた熟練の技を学ぼうと井上さんは必死です。
井上学さん
|
押川秀美さん
|
その1
美しさも自慢の |
生目地区では40年ほど前から、つるを地面に這わせて作る「地這え栽培」ではなく、つるを針金で吊り上げかぼちゃの実を浮かせる栽培方法に変えました。こうすると実が地面に接することがないので、色むらがなく、きれいな形に育ちます。見た目も美しいかぼちゃを作りたいという地元生産者の思いがこもった栽培方法です。 |
その2
5日間がいのち! |
黒皮かぼちゃを収穫するタイミングは、見た目や手触りで判断します。これには10年以上の経験が必要で、農家8年目の井上さんが一番苦手な作業です。井上さんは、両親の助けを借りるだけでなく、自ら地元の出荷場に通って勉強を重ねています。かぼちゃの品質見極めの達人、検査員の押川秀美さんに数値では表せない熟練の技を学んでいます。「一番おいしいタイミングで収穫したい」という井上さんの努力は続きます。 |
その3
再び輝け! 「紫外線カット」 |
井上さんは4年前、ハウスに張るビニールを、紫外線をカットする素材に変えました。すると、紫外線で光を捉えてモノを見ている害虫が活動できなくなるのです。黒皮かぼちゃについては前例のない取り組み。紫外線をカットすることで味や形に影響が出るのではないかという不安を抱えながらの導入でした。結果は害虫が減り、農薬散布の回数を半分に減らすことに成功しました。井上さんは、作業効率を上げ、将来は生産の規模を拡大したいと考えています。不安はあっても前に進みたい。井上さんの姿勢の裏には、今では少なくなった伝統のかぼちゃを再び輝かせたいという熱い思いがあります。 |
|
ふるさと通信員の鶴田雅俊さんのレポートで宮崎市生目地区で食べられている「黒皮かぼちゃとベーコンのマヨネーズいため」の作り方を紹介しました。黒皮かぼちゃの煮崩れしにくい特性を生かしたこの「とっておきの味」は、子どもから大人まで人気です。 |
今週の一直線
黒皮カボチャの出荷は終了しました。 |
産地発!とっておきの味
アンコール放送なので、今回のお問い合わせ情報はありません。 |
![]() |
黒皮かぼちゃは、『日向かぼちゃ』として民謡に謡われるなど親しまれています。昔から宮崎では馴染みの深い野菜です。今回の取材を通して、黒皮かぼちゃという食材と地域、そして人と人とのつながりを深く感じることができました。『伝統野菜を残したい』『農業には未来がある』と語る井上学さんの熱い思いを目の当たりにして、「農業っていいなぁ〜」と思いました。かぼちゃを口にするたびに、井上さんの顔が浮かび、その思いがよみがえる、私自身が食育を受けた取材でした。 |