2019年1月

2019年01月28日 (月)

ことばが生まれる

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「おれは(わたしは)もう子どもじゃないんだ!(ないの!)」っていう場面、最近あまり見なくなりましたよね。でも私たちが今回最初にぶつかった壁はこの問題でした。

14歳は子どもでしょうか、大人でしょうか? 未成年なので大人ではないだろうけど、たいていの場合小児料金は適用されないし、子どもとも断言できない。

では、芦田愛菜さん(14歳)は子どもでしょうか、大人でしょうか、これはさらに難問です。どちらの顔も併せ持ち、ドラマや映画の役柄によって演じ分ける芦田さん。今回の相手、糸井重里さんとの年齢差は「56」で、それがキーになると思ったのですが、これは「大人と子ども」の組み合わせなのか「大人と大人」の組み合わせなのか、答えが見えないままに収録の日を迎えた訳です。

結果から言うと、私たちはいろいろ間違っていました。文字通り初対面のお二人、糸井さんのオフィスを案内するところから始まり、インタビュー場所へ。そこまではある種「ほほえましい」風景だったのですが、対話が始まると変わりました。

まず糸井さん、もちろん大人であることに違いないのですが、決して“年長者が年の離れた人に話しかける感じ”になりません。あくまで“糸井重里が芦田愛菜と話す”以外の何物でもない。そして芦田さん、もちろん年上の糸井さんへの礼節は守っているのですが、決して“自分を演じて年上の人と話す感じ”になりません。やはり“芦田愛菜が糸井重里と話す”なのです。

 こんなお二人が語りあったのは「ことば」のことでした。自分の中に「気持ち」はあるのに、それをどんな言葉にしても100%伝えることができない、という体験、皆さんもお持ちでしょうし、芦田愛菜さんも持っていて、それを糸井さんに伝えました。そこで糸井さんが語ったのは、「言いたいのに言えない、そんなときに言葉は生まれる」ということ、そして「言いたいのに言えない、その思いを忘れないこと」ということでした。なんと力強いメッセージでしょうか。「言いたいのに言えない」体験は、悩ましいだけではなく、いつか自分の心と身体を温めてくれる体験なんだと、私は解釈しました。たぶん聞く人によって、それぞれの解釈が出てくると思います。

 今回の放送が「糸井重里×芦田愛菜」以外の何物でもないものになったのは、「言葉で発していない言葉」で、お二人が通じ合っていたからもしれません。59分間ぶんの言葉に加え、そんな言葉も味わいながらご覧ください。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:09:27 | カテゴリ: | 固定リンク


2019年01月15日 (火)

自分の声で語ってみたら

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映画監督の周防正行さんと浪曲師の玉川奈々福さん、という今回。周防監督最新作「カツベン!」の撮影現場と、奈々福さんの生の舞台が見られるという、とてもとても貴重な体験をすることが出来ました。周防監督、奈々福さん、本当に感謝です!

 まずは周防監督の撮影現場を玉川奈々福さんが見るというシーン。初めて見る現場に興味津々の奈々福さんが指摘したのは、映画スタッフの方々の動きです。誰に指示されるともなく、演出、照明、音声、美術、大勢の人たちが手際よく動いてムダがありません。大声で怒鳴る人もおらず、よく映画の宣伝で見かける「撮影快調!」という言葉がまさにピッタリ。そしてお昼になると、豚汁つきのお弁当で、皆さん仲良く食事。こんな撮影現場になるのは、言うまでもなくその中心に監督の存在があるからなのでしょうが、その点について奈々福さんが鋭く追求しています。周防監督の「よーい。ハイ!」のかけ声の背景にある監督術、実は私たちテレビ番組の制作にも、ものすごくためになる話で、きっと皆さんも「なるほど!」連発になると思います。

 一方、周防監督が浅草に奈々福さんを訪ねるシーン。周防監督が劇場内に入ると幕が上がり、奈々福さんの浪曲が始まるという設定です。我々番組スタッフはカメラに映らないように、廊下や別室に待機したのですが、突然始まった奈々福さんの声のすごいこと!今回はマイクを使わず「ナマ声」で披露していただいたのですが、客席の外にいる我々の内蔵までグングン響いてくるような感じ、客席で聞けばどんな迫力になることか・・・。

 ところで周防監督の新作映画の主人公は、映画の活動弁士。そのため日本の語り芸について調べる過程で、浪曲師・玉川奈々福さんに出会ったそうです。そんな訳で、今回は声、語りの魅力についても存分に感じられる回になっています。考えてみれば浪曲や活動弁士の他にも歌、落語、講釈・・・など、声・語りによる芸事は何と多いことでしょうか。最近は介護においても「声」の重要性がわかってきているようですが、本来、人間にとって人の声は何より心地良いものなのでしょうね。

では私もメールや文書を止めて、仕事の連絡は全部「地声」で伝えれば上手くいくのか!?

結果は言うまでもないですが・・・。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:08:08 | カテゴリ: | 固定リンク


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