2015年9月

2015年09月24日 (木)

熱くてクールな「プロフェッショナル」!

manabe_motoki2S.png 本木雅弘さんが、役に対する取り組みにおいてひたすら誠実でストイックなことは、
NHKの中でも伝説のようになっています。構想10年、3年がかりで放送されたドラマ『坂の上の雲』で
海軍軍人・秋山真之を演じたときは、その間、他の役をすべて断ってひとつの役に集中したのだとか。
司馬遼太郎の原作は言うにおよばず旧仮名遣いの読みにくい文献に至るまで繰り返し目を通し、
現場でも持ち歩いて、「秋山真之」という人物について考え続けていたといいます。
剣道や古式泳法などを徹底して身につけたのはもちろん、学生時代から海軍で鍛え上げていく過程を
演じるのに合わせて、体格じたいをがっちり変えていった、とも。

 そんな本木さんから、「番組の担当者とちゃんと打ち合わせがしたい」というお話があったときは、
「番組担当者としてどのくらいちゃんと考えているか試されるのでは・・・」「アーティスティックな、
神経質でピリピリした方なのでは・・・」と、大変緊張したものです。

 ところがお迎えしてびっくり。そういう威圧感とか、神経質そうな感じは一切なく、実に気さくで愉快な方なのです。
しばしば自虐やボヤキも交えつつ、どうしてメディアアーティストの真鍋大度さんに興味を持ったか、
どんなことを聞いてみたいと思っているか、あれやこれやと話してくれました。
真鍋さんの手がけた作品やインタビュー記事などは、すでにネット上で一通りリサーチずみの様子。

 「でも、プログラミングとかアルゴリズムとか、詳しい説明は僕にはきっと理解できないと思うので(笑)、
逆に僕の顔とか体とかを素材にして、何か実験をやっていただくとか?」「映画の撮影も終わっていて、
僕の“仕事の現場”というのがなかなか難しいから、いっそ真っ白なスタジオに真鍋さんの作品や
僕の出演作なんかを映写するようなことができないかな」などなど、次々にアイディアを出してくださいます。
楽しく和やかな中にも、あらためてスタッフ全員が「頑張ろう!」という気持ちになり、
なるほど、「モックンはすばらしい人だ!」と皆が口をそろえて言うのはこういうことなのか、
とその場にいた全員が納得したのでした。

 いっぽうの真鍋大度さん。今ふうの、おしゃれでとんがった風貌、某ドキュメンタリー番組では
テーブルを囲んだスタッフがパソコン上で会話する「会議」のようすが紹介されていたりして、
「目を見て話してもらえないのでは?」「面と向かっても“パソコンで話しましょう”なんて言われちゃうかも?」
などと、やはり緊張しながらお目にかかりました(笑)。ところがこちらもまったくの杞憂でした。
理系の方らしく(?)余計なことは一切言わないけれど、「本木さんの顔とか体を使った“実験”ができないか」
「ドローン(無人小型飛行機)を使ったデモンストレーションも見たい」「本木さんの映像を使った“作品”を
作ってもらえないか」といったこちらの漠然としたリクエスト(そもそも納期も含めてありえないほどのムチャぶり)
に対しても、瞬時に意図を読み取り、「・・・やってみましょう」。

 そして!NHK最大の101スタジオに、あっと驚く“作品”が出現したのです。収録当日の朝になっても、
真鍋さんの会社のスタッフによると「まだ(製作を)やってますよ」とのこと!きっと徹夜で仕上げてくださった
のだと思いますが、そんな疲れをみじんも見せず、本木さんとの話は弾みました。帰り際、ただただ恐縮しつつ
お礼を言う私たちに、「ムチャぶり、大歓迎ですから」と力強くうなづいて次の現場へと去って行った真鍋さん。
とにかく、熱くクールでカッコいい、二人のプロフェッショナル。
だからこそのすばらしい作品の数々も含め、どうぞご堪能ください!

投稿者:スタッフ | 投稿時間:13:27 | カテゴリ: | 固定リンク


2015年09月19日 (土)

正体不明な男たちの正体は・・・

taguchisuzuki.jpg「カメレオン俳優」といわれる田口トモロヲさん。「プロジェクトX」のナレーターとして、独特の語り口で一世を風靡した人でもあります。役によって全然雰囲気が変わりつつも、どこか謎めいた感じ、つかみどころのない感じが漂う、大人の男。

そんな田口さんが監督した3作目の映画「ピース・オブ・ケイク」を見て、さらに「一体どういう人なんだろう?!」という疑問がふくらみました。25歳の女性が主人公、漫画原作の、まさに大人の胸キュンラブストーリー。ときめいたり、流されたり、ジタバタしたり、主人公の心情が実にみずみずしく描かれているのです。20代の頃の、大人になりきれずカッコ悪かった自分を重ね合わせたりしながら、どっぷり感情移入してしまいました。

「えーでも田口さんて50代後半のオジサンだよね?なんでこんな映画が撮れちゃうんだろう?」・・・という興味から出発した今回の企画だったのですが、田口さんからは、「ものすごく人見知りなので、初対面の人とテレビカメラの前でいきなりトークを始めるなんてとてもできない」というお返事が。確かに、自分がやれと言われたらイヤだよなーと、今さらながら、この番組が出演者のみなさまにお願いしていることの過酷さに思い至ったりして(苦笑)。そんななか、「松尾スズキさんとなら」というお話が出たのです。

BSで放送中の「植物男子ベランダー」では、主人公とその先輩役として、息の合った芝居を見せている二人。松尾さん演出の舞台に田口さんが出演したり、演劇人の飲み会で同席したり、25年来何かと接点がありつつも、面と向かって話したことは一度もないのだとか。どこかあやしく正体不明な感じが漂うことにかけては、松尾さんも田口さんに負けてはいません。お二人が語り合う図を想像しただけでもワクワクしてきて、「ぜひ!」という話になりました。

収録に先立ち、「松尾さんに聞いてみたいこと」を田口さんにアンケートしたところ、手書きでびっしりと回答が。それを読んで「本当に真面目な方なんだなー」と驚きました。”パンクバンドのボーカルとして超過激なパフォーマンスをしたこともある”といった伝説を耳にしていただけに、かなり意外な感じがし、ますますどんな人なのか分からなくなりました。

そして迎えた当日。現れた田口さんは「きっとそんなに話は弾まないと思いますよ。」「真面目なことが僕の限界なんです。」と悲観的。松尾さんも「いやー。これから何か話すんですよね-。大丈夫かなあ-。」ひたすら飄々と構えています。そして始まったトークは、さいしょ何だか微妙な空気感・・・(笑)それも含めて、とにかく妙に面白く、目が離せないトークが展開します!そして二人の正体はつかめたのかというと・・・。そこはぜひ、番組でお確かめ下さい!

ちなみに田口監督の演出を受けた女優の多部未華子さんは、田口さんのことを「一言でいうと繊細」。片桐はいりさんは「松尾さんは小鳥のような人。田口さんはヤモリのような人(=ふだんは静かでいざとなるとすばしこく、家を守ってくれる縁起のよい動物、という意味です)。」とのことです!

投稿者:スタッフ | 投稿時間:15:48 | カテゴリ:ここだけの話 | 固定リンク


2015年09月12日 (土)

「身体で考える」男たち

blog_kabe2s.jpg朝ドラ「まれ」で塩田職人・桶作元治を演じている田中泯さんは、世界的に知られるダンサー。
首相官邸や羽田空港など、名だたる建物の土壁を手がけてきたカリスマ左官の挾土秀平さんは、
大河ドラマ「龍馬伝」で土佐藩の重臣・吉田東洋を演じた田中泯さんを見て、
ただならぬ存在感に「何だこの人は!」と圧倒されたといいます。

「どうせなら、予測不能な、計り知れない人と話してみたい!」と熱烈なラブコールを送り、
今回の初顔合わせが実現しました。

泯さんのドキュメンタリー映画やこれまでの出演作を片っ端から見て、
気合い十分だった挾土さんですが、
収録の1週間くらい前から、にわかに緊張し始めた様子。
「俺はなんて大それたオファーをしてしまったんだろう」とディレクターの元に何度も電話が・・・。
当日泯さんの到着を待つ間も、「吉田東洋が来るよー。オレ斬られちゃうよー。」とオロオロ(笑)。

いっぽう田中泯さんは、熟考のすえオファーを受けては下さったものの、
「いい出会いになることを期待している。ただし僕は体を通してその人を信頼していくタイプ。
まったくの初対面なので、会話が弾むかどうかは分からないよ」。
場を盛り上げようと心にもないお愛想を言ったり、相手に合わせて適当な相づちを打ったりする方ではないと分かるだけに、
私たちスタッフも緊張を感じながらのトーク開始となりました。

挾土さんのことを「孤独になりたいという気持ちと、人と深くつきあいたいという気持ち、両面を持っている」と見抜き、
彼が手がけた和室を眺めて、子ども心ややんちゃな精神を感じ取る泯さん。
「身体で感じ、身体を通して考える」ことを、徹底してやってきた二人ならではの、
豊かで深い言葉が連なっていきます。
挾土さんの人懐っこさ、分からないことには決して「分かったふり」をしない率直さ、
二人の間に確かな信頼が生まれていくのが分かりました。

そして。
挾土さんが大切にしている「夜空色の土」を使って月夜を表現した床の間で、
泯さんが踊ってくれたのです!
国内外の各地で、その土地を感じ、感じたままを踊る「場踊り」を続けてきた泯さんですが、
その場所に心が動かなければ、決して踊ることはありません。

blog_minodori.jpg挾土さんの塗った夜空色の壁、そこに描かれた白く輝く月。
二人の魂が共鳴しあうかのような「踊り」に、
見ている側も息が止まりそうでした・・・!

番組の最後、挾土さんは、来年の大河ドラマ「真田丸」の題字を手がけます。
巨大な土壁をコテでえぐりとり、「真田丸」の文字を出現させるのです。
一発勝負で題字を刻みこむ様子を初公開!
 
他では決して見られない、感動の瞬間。ぜひ、目撃してください!

投稿者:スタッフ | 投稿時間:11:09 | カテゴリ:ここだけの話 | 固定リンク


2015年09月03日 (木)

女優の本心、リリーの正体?

 

rieriri.png仕事柄、「今まで会った女優さんの中で一番感動したのは?」などと聞かれることがあります。

歩いた後に花が咲くかのように感じられた森光子さん、周囲を圧するようなオーラと知性を感じた奈良岡朋子さん、そしてもちろんSWITCHインタビュー達人達に出演してくださった方々、多くのお顔が頭に浮かぶのですが、20年くらい前にNHK内でお見かけした宮沢りえさんも、忘れがたい1人です。

よく「陶器のような」と形容しますが、まさしく白磁のような肌、すっと通った繊細な鼻、大きな瞳、それはそれは輝くばかりの華やかさで、「こんな美しい人がこの世にいるんだー」と思わず見とれてしまったのを思い出します。(ちょうどテレビがハイビジョンに移行する時期で、照明さんが「ハイビジョンに耐えられる肌の持ち主は、宮沢りえちゃんと、瀬戸朝香さんと、あと何人かくらいしかいないよ」なんて軽口をたたいていたものでした)。そしてまた、りえさんの感受性豊かで魅力的だったこと。たしかその当時話題を呼んでいたアスリートのモノマネを、茶目っ気たっぷりに披露していたのですが、実によく特徴をとらえて、「変顔」もまた、めちゃくちゃチャーミングなのです。「どんな監督でも演出家でも、この人を使いたい、一緒に仕事したいと思うだろうなー」と思ったことでした。
 

そして今回。女優として舞台でも映像でも数々の難役をこなし、女性としても多くのことを経験して、すっかり大人の女になったりえさんの出演がかないました!「今いちばん共演したい俳優」というリリー・フランキーさんと、初めて1対1で(しらふで)対面していただくことに。とはいえりえさん自身も「しっぽをつかませない男」と評するリリーさん。万一のらりくらりするばかりで話が弾まなかったときのために・・・と、スタッフはこっそり「リリー・フランキー名言集」を用意しておいたのです。リリーさんの著書やインタビュー記事などから印象的な言葉を選び出し、ADのM内っちゃんが徹夜で製作してくれた、かわいいコースター型!

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「女は、10代はクールな人、20代は面白い人、30代はお金持ち、40代はかまってくれる人、50代は健康な男を好きになるんだ」
「つまんない大人になるくらいだったら幼児でけっこうだよ」
「“仕事が第一”と口にする品格のなさはあまり尊敬できないですよね」
「人間お金がないと、ちょっとずつバカになっていくよ」

どうですか、グサっとくる言葉、ありませんか。
 

ただし。この「名言コースター」、宮沢さんとリリーさんの話が弾みすぎ、かつまた放っておいてもリリーさんの含蓄豊かな名言が次々に飛び出したため、結局出番はありませんでした!(笑)
2人の会話のテンポやリズム、駆け引きが実に心地よく、スタッフもうっとりと聞き惚れるばかり。時にドキリとするような本音もまじえつつ展開する、洒脱で愉快な「オトナトーク」を、決してお見逃しなく!

投稿者:スタッフ | 投稿時間:20:43 | カテゴリ:ここだけの話 | 固定リンク


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