2018年10月16日 (火)

昭和30年から遠く離れて

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「1円硬貨発行」「洗濯機、冷蔵庫、テレビが三種の神器と呼ばれる」、まだ広場が原っぱで土管が転がっていたころ、今回の出演者、映画監督・演出家の堤幸彦さんと産科医の川鰭市郎さんは生まれました。1955年、昭和30年のことです。収録前、お二人とも相手が同じ年の生まれということに触れていました。年齢を重ねて同学年の人と話をする、というのも考えてみれば感慨深いものですよね。

お二人は単に同じ年に生まれた、というだけではありません。その時代のエネルギーを受け、その時代の挫折も知り、その上で自らのキャリアを築き上げてきた。それだけに思うことは様々なのではないでしょうか。番組には全ては収め切れていませんが、70年代のロック、カウンターカルチャー、若者達の夢と挫折、お二人の「昔話」は尽きることがないようでした。しかしそれは単なる昔話ではありません。今回の収録、その「昔話」が見事に伏線となって、後半の話にまでつながっているので、是非お楽しみに。

トーク収録の後半戦は、都内にある純喫茶で行われました。これが実にいい雰囲気のお店で、おいしそうなコーヒーの豊かな香りが漂う中で撮影が始まりました。堤監督、川鰭医師、自分の道を貫いて実績を築き上げた方がコーヒーを飲む姿というのは、実にカッコいいもので、純喫茶のようなお店がよく似合います。

「純喫茶が似合うオトナ」って、なんか良くないですか?(笑)年齢を重ねた落ち着きはありつつ、心の中でまだまだ燃えさかるパトスがある、そんなイメージです。お二人もまさにそんな方でしたが、同時にお二人が若いころ、喫茶店でどんな風にコーヒーを飲んでいたのかなとも想像してしまいました。仲間と熱く議論しながら、自分のことはどこか冷静に見つめているとか、勝手な妄想が広がる・・・。

 なお、この回の再放送は来月、11月9日深夜12時からになりますので、よろしくお願いします。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:10:25 | 固定リンク


  
2018年10月08日 (月)

おもしろい

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「おもしろい」という言葉、どのような意味だと思いますか?辞書で調べてみました。

「何かに心がひかれる様」「普通とは変わったところがあり興味をひかれる」「こっけいで笑える」などなど。英語ではもちろん「interesting」。どうもいずれの解釈も「心が持って行かれる」ところは共通しているようです。

今週の、奈良岡朋子さんと勅使河原茜さんの回、とてもおもしろいです。といっても爆笑トークという訳ではなく、驚きの連続という訳でもありません。でも「興味深い」というより「考えさせられる」というより(そういう面ももちろんありますが)、やはり「おもしろい」のです。収録の間、私は番組のことも忘れて、お二人の話に文字通り心を持って行かれていました。

 劇団民藝さんの稽古場で行われた収録。奈良岡さんは椅子に座るとスッと背筋が伸び、お芝居の道に入るまでの事から、今も現役であり続けるために欠かさないことなどについてお話していただきました。言葉がきれいで、無駄がなく、意味は明瞭、それでいて皆さんご存じのあの語り口です。ひょっとすると「おもしろい話」に欠かせないのはそういう要素なのかもしれません。

そして勅使河原さんは、奈良岡さんとの意外な“縁”や思い出話に加え、ライブでいけばなの模様を見せていただきました。いけばなというものに全く知識のない我々にとっても、少しずつ作品が出来上がっていく過程は、とてもスリリングでした。こういう未知でスリリングなものも、やはり「おもしろい」要素なのでしょう。

 ところで、番組の中でも紹介されますが、実は奈良岡さんは勅使河原茜さんのお母さんと大の親友。つまり今回は「母の親友」と「親友の娘」のSWITCHインタビューなのです。

いろいろな経過をたどって、日本を代表する俳優になり、いけばな草月流第四代家元になり、番組で本当に久々にじっくり話をする。これだけでもおもしろそうではありませんか?

投稿者:スタッフ | 投稿時間:07:54 | 固定リンク


  
2018年09月16日 (日)

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「サバイバル登山家」という名称に、我々はちょっと恐れおののいていました。食料は現地で調達、なるべく登山道を使わず自力で道を見つけながら山を登る、そんなサバイバル登山を実践している服部文祥さんが、今回の出演者です。日々楽をすることに汲々とし、食事は手抜き、舗装された道を歩くだけでゼイゼイする、そんな自分たちが・・・という思いで横浜市にある服部さんのご自宅へ向かったのでした。

 まずは出会いのシーン、今回のもう一人の出演者は俳優の井浦新さんです。坂道を颯爽と登ってきた井浦さんは、服部さんとフランクに挨拶。そのまま、急な斜面を下って家庭菜園などを見に行きます。後ろをついていく我々はここで既に肩で息をする状態なのですが、井浦さんも服部さんも全く表情は変わりません。服部さんはともかく、井浦さんも相当鍛えている?

 実はこの収録、残暑厳しい8月に行われました。収録の舞台は家の中ではなく、外のウッドデッキ。酷暑の中で・・・と思いきや、先ほどから「坂道」「斜面」という言葉でお気づきかと思いますが、服部さんの家は少し小高い丘の上にあります。そして住宅街にありながら緑に取り囲まれています。そんな所に吹く「風」は、実に心地よかったのです。小高いといっても、横浜市の中ですからそんなに高い訳ではありません。でも確かに違う風が吹いていました。

 服部さんは少しも威圧的ではなく、自然で、楽しい方でした。トークの中で、「自力でしなきゃいけない状況だと考える、その考えることが楽しい、思考停止は自分にとっては醜い」とおっしゃっていましたが、それは風の違いにもこれまで気づかなかった私たちの心に突き刺さる言葉でした。そして井浦さんも「転がり続けること」で、常に新しい自分を見つけるのが楽しいとおっしゃっていました。山の中と撮影現場、舞台は違えど、どこか通じる魂がビシビシ伝わってきます。

トークの中でお二人はカレーを食べます。詳しくはご覧になって頂きたいのですが、ものすごく美味しそうな「風」が現場を流れたと、ご報告します。

 収録が終わり、我々は丘を下って駅前へ。たちまち暑苦しい風に包まれます。街中の道を歩くのも億劫な、いつもの自分たちへと帰っていったのでした。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:09:36 | 固定リンク


  
2018年09月11日 (火)

おそばを食べて寄席に行こう

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落語×そばというと「そば清」「そばの殿様」といろいろありますが、やっぱり「時そば」。そばの値段をごまかそうとする男の失敗がオチですが、成功する男の描写も楽しいのです。「だしをおごったな」「器がイイや」「熱々だねえ」など1杯のそばを食べるのにこれでもかとお世辞を使い、知恵を使って値段をごまかす割には結局得するのは1文だけというところも逆にイキ。ともあれ、寒い夜、そばから立ち上がる湯気が見えてきそうな演目です。

 ということで、今回は寒い夜も暑い夜も24時間おそばが食べられる飲食チェーン店会長の丹道夫さんと、落語家・林家たい平さんの「SWITCHインタビュー達人達」。

まずは、たい平さんが立ち食いそば店でおそばをいただくところからスタート。ところがここで登場するおそば、トマトが丸ごと1個“でん”と麺の上に乗っているという、「時そば」の成功男でもコメントするのが難しい難物。しかしさすがはたい平さんです。ただの食レポではなく、まるで即席の落語を聞いているかのようなリポート。また麺のすすりっぷりもイイんです。今、「麺を豪快にすする女子」がSNSでは人気とのことですが(本当なんですか?)、ぜひ参考にしてください。豪快だけど品があって、そしてとても美味しそう!

 一方の丹会長、今年御年82歳。国内だけで130店舗以上を展開するチェーンの会長さんですが、実に飄々とした方で、酷暑にも関わらず収録には地下鉄でフラっといらっしゃいました。ビジネスで成功した秘訣を話していただいたのですが、その話しぶりも飄々となさっていて、むしろ「宵越しの金は持たねえ」とタンカを切りそうな、実にさっぱりとしたお話。でもよく聞いてみると、実は自らの経験に基づいた人の心理をきちんと突いたビジネス哲学が詰まっていて、思わず「・・・深い」。こちらもお楽しみに。

 ところで、このブログを更新している「中の人」はもちろん番組スタッフなんですが、毎回「達人」の皆さんについて書いていると、何だか「中の人」という別人格が存在するような気になってきます。でもやっぱり書いているのは自分で、「中の人」も自分な訳で、そうなると今、PCでブログを読んでる自分は誰だろう・・・

このいろいろ間違っているオチを理解したい方は(いるのか?)、おそばを食べて寄席へGO!

投稿者:スタッフ | 投稿時間:08:50 | 固定リンク


  
2018年08月27日 (月)

鍛え方が違う

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それは本当に突然のことでした。「1週間後の〇日なら二宮和也さんと落合陽一さんの収録が可能かも」。そこで大急ぎで場所を確保、収録の準備を進めたのです。といっても、その貴重な時間も、二宮さん、落合さんが無理に無理を重ねて作っていただいた時間でした。言い方を変えれば、お二人もそれぐらいの意気込みで収録に臨んで頂いた訳です。場所は渋谷にあるホテルの一室、洋室の中に縁側つきの和室があるというユニークな部屋で、お水、コーヒー、落合さんが好きなグミを用意して、収録スタート!

  トークはとても自然に、フランクに始まりました。落合さんの超濃密な話に、二宮さんが超高速分析力で返答し、1時間のトークに2時間分ぐらいの中身が詰め込まれたかのようなテンポで進みます。そしていったん休憩して二宮さんは中座。落合さんに感想を伺うと「二宮さんって、所作がきれいな人ですね」との言葉。これまた1粒何百メートルのように、意味が濃縮された言葉なのですが、その言わんとしていることは私たちにもよく伝わりました。フランクな雰囲気で進んだトークなので敬語トークだった訳ではなく、ずっと背筋を伸ばしてキチっとした姿勢をなさっていた訳ではありません。でも話し方も、振る舞いも、確かに「所作がきれい」なのです。自然にそんな事が出来る二宮さんも、また即時にそんな言葉で表現する落合さんも、まさに「鍛え方が違う」方々でした。

  ところで。トークが始まる前、終わった後、二人が握手をします。何の演出もされていない、自然発生的な握手です。視聴者の皆さんにどう映るかわかりませんが、(一応、生物学的には)同性の者から見て実にカッコいい握手でした。四つ年齢が違う二人が、意気込みを持ってトークに臨み、話しきってトークを終わる、それを表現する握手だと思います。

チラッと映りますので、ぜひそこにもご注目ください。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:09:03 | 固定リンク


  
2018年08月16日 (木)

1時間10分

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いつも番組をご覧になっていただき有り難うございます。

「出口治明さん×美村里江さん」のアンコール放送(収録はすごく寒い時期に行われました)、次週が放送お休みとなりますので、ここで普段この番組がどのように収録されているのか、ご説明したいと思います。

 当日、2人のゲストが別々に収録場所にいらっしゃるのですが、ここでスタッフが気を付けるのは「2人をなるべく会わさないこと」。コミュニケーション能力に秀でた方が多いので、顔が会った瞬間に、もう「SWITCHインタビュー」が始まってしまうからです。

こうして、あえて少しぎこちなさも残して収録が始まります。よく「質問はスタッフが指示を出しているのですか?」と聞かれるのですが、ものすごく正直に申し上げますと、質問を書いたボード(よく言う“カンペ”)を数回出すことはあります。ただ、それを気にせず話す方、あるいは瞬時にその指示を自分の関心のあることに置き換えて質問する方、などなど、まるっきり指示通りに話す方はほとんどいらっしゃいません。時には、2人して「あんなカンペが出てるけど、そういうことじゃないですよね」と言って、話が盛り上がることもあります(笑)。

 こうしてトークが進む訳ですが、1時間10分くらい経過すると、不思議にどの回も話が自然に落ち着きます。人の生理として、それぐらい話すと、「だいだい話したいことは話したかな?」という感じになるようです。そこで聞き漏らしたことを確認して、さらに収録を少々続けて終了、そして「舞台をSWITCH!」ということになります。

1時間10分、不思議ですよね。

 「SWITCHインタビュー達人達」、年末まで続々と楽しみな方々が番組に登場していきます。ぜひ、今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いします。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:09:22 | 固定リンク


  
2018年08月06日 (月)

それは実は・・・

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「子どもらしくしなさい」、と子どものころに言われたことありますか?子どもなんて、いつだってオトナの世界に憧れる生き物なのに、子どもらしくする子どもなんてちっとも子どもらしくないよ、と早口言葉のような文句を言った記憶がある方には痛快!というのが今回の放送です。というのは・・・

 今回の出演者、ももいろクローバーZの百田夏菜子さんと「かいけつゾロリ」の原ゆたかさん。百田さんがゾロリの映画の声優として出演した縁から、今回の企画が実現しました。

百田「読書タイムって小学校の時にあって、だいたい何ページも飛ばしながら、読んでますよって先生に見せるために」原「こう言っちゃあれだけど、課題図書で何読んだか覚えてる?」と、「わかるわかる」の心地よいラリーの応酬。でもこういうのって、大人になってもあまり変わらないですよね。ところが・・・

  大人になると、子育て中の方は別にして、「子ども」がなぜか遠い存在になってしまいます。だから原さんの「プロの小学生でありたい」という言葉の意味をかみしめてしまうのです。原さんの創作部屋はたくさんのゾロリグッズや怪獣の人形と、作品作りに欠かせない綿密な資料や本が同居するという、小学生の魂とプロのスキルが一体となった部屋でした。一方の・・・

 百田さんはというと、キラキラ明るくて、子どものイメージを重ねる方もいらっしゃるかと思いますが、とても「大人」の方です。打合せの際、こちらの意図をすぐに理解して、万全の状態で収録に臨んでいただきました。原さんには臆することなくインタビューをして、ご自分のことを語るときにはとても謙虚。それでいて、カメラが回っているときも回っていないときも、あの明るい笑顔なのです。つまり・・・

  ・・・結論は放送の中で!

ところで、もったいぶった文末が続いて、申し訳ありませんでした。これ、お二人のトークと、とーっても関係があるんです。それは実は・・・

投稿者:スタッフ | 投稿時間:09:02 | 固定リンク


  
2018年07月17日 (火)

テレビの中のシネマ

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考えてみれば、これだけメディア端末が身近になっているにもかかわらず、時には2時間以上にもなる“動画”を見るために大勢の人が時間をかけて一箇所に集まり、じっとその“動画”を見る、その最中誰もスマホをいじったりしない、ってすごいことですよね。そう、映画のことです。

 今週は、人気若手俳優の池松壮亮さんと、フランスの映画監督、フランソワ・オゾンさんの「SWITCHインタビュー達人達」。たっぷりと「映画」を語り尽くします。オゾン監督は横浜で開催された「フランス映画祭2018」のために来日。限られた滞在期間の中で収録に臨んでいただきました。一方の池松さんも今いろんな映画に引っ張りだこで大変多忙なところ、オファーを受けて下さいました。そんなお二人ですが、対談が始まると、そこにはゆったりした時間が流れ、とっても“映画的”。

 後半の収録は、まず渋谷のとある映画館で。オゾン監督の到着を待つ間、池松さんはロビーで映画のポスターを見たり、映画館の方と談笑したりして過ごしていました。映画の「中」に出てくる池松さんですが、映画館もとてもよく似合います。そして監督と2人で無人の客席へ。スクリーンを前に話し、歩く2人の光景は、古いフランス映画の1シーンのようでした。

 対談では監督、俳優それぞれの立場から語りあいます。お二人の「映画との距離の取り方」には微妙な違いがあってそこが面白いのですが、共通していたのは、たっぷり映画のことを語っているにも関わらず、「映画のことを安易に語ったりしないぞ」という覚悟のような思いが伝わってくることでした。

今回の放送を見ると、映画が見たくなります、きっと。その映画を見るという作業まで含めて、フランソワ・オゾン監督と池松壮亮さんの「SWITCHインタビュー達人達」ということなのかもしれません。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:09:22 | 固定リンク


  
2018年07月09日 (月)

Direct & Deep!

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今回の『SWITCH』に登場するのは、不思議な“縁”でつながったお2人。まずは歌舞伎俳優・市川猿之助さん。「歌舞伎初心者にも楽しんでもらえるものを」と、人気マンガを原作にスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』の主演・演出をつとめるなど、八面六臂(ぴ)の活躍を続けています。そんな猿之助さんが去年10月、公演中に大けがを負いリハビリ生活を余儀なくされていた時に知ったのが今回のトークのお相手、製硯師(せいけんし)・青栁貴史さんでした。中国のいにしえの様式から現代的な作品まで、あらゆる時代・形式の硯(すずり)を彫り上げる硯作りの第一人者です。書画骨董にも造詣(ぞうけい)の深い猿之助さん、青栁さんの活動を知るや早速お店を訪れ「家宝になる硯を作ってほしい」と依頼したのだとか。それから4か月、硯の完成が見えてきたころ、このトークも実現したのです。

 対談はまず『ワンピース』を上演中の劇場を青栁さんが訪ねるところからスタート。ミュージカル風ダンスシーンあり、プロジェクションマッピングあり、と現代的な要素がいっぱい詰まった作品ですが、青栁さんの感想は「“あ、しっかり歌舞伎だ”と思った」というもの。ではその「歌舞伎らしさ」とは?そしてそもそも一体、歌舞伎とは何か?今回のトークはいきなり、こんな直球のテーマから始まったのでした。歌舞伎について、そして自らの大ケガについて、率直な語り口で見事に答えていく猿之助さん。まさに快刀乱麻を断つごとし!そしてそんな猿之助さんに物怖じすることなく質問をぶつけていく青栁さん。それ自体がまるで舞台での丁々発止を観ているかのような、お2人のトークにご注目下さい!

 番組後半は東京・浅草にある青栁さんの書道用具店の製作工房で、ついに完成した硯を見ながらのトーク。自ら「硯に関しては危ない方だと思う」と語る青栁さんの“偏愛トーク”は、「硯1つでここまで話が広がるのか!」と驚くこと請け合いのディープさ。さすがの猿之助さんもタジタジでした。そして最後には歌舞伎・硯、それぞれの伝統の継承についてトーク。今、小学校では書道の時間でもプラスチックの硯と墨汁が使われ、子供たちが石の硯で墨をするという経験をしなくなっているのだとか。伝統を継ぐ者同士、その責任について語る・・・のかと思いきや、話は意外な方向へ。最後まで目が離せません!

直球にして、深くえぐるような今回のトーク、是非ご覧下さい。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:17:28 | 固定リンク


  
2018年07月02日 (月)

ことばにならないもの

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子どものころのこんな記憶は無いでしょうか。「ふと気づいたら知らない所に来ていた」、「田舎のおばあちゃんの家に行って夏祭りに圧倒された」、「夕焼けに見とれていたら辺りが暗くなっていた」・・・そんなときに心の中にうっすらと芽生えた“あの感情”。「どきどき」「怖さ」「不安」「興奮」「好奇心」、いろいろな要素が混じり合った、一言では言い切れない感じ、わかっていただけますよね?

 今回ご出演のライムスター・宇多丸さんと民俗学者・畑中章宏さんは、そんな感情を「よく覚えて」いて、それについて「語る」ことが出来るお二人でした。ことばにできない感情を言葉で語る達人、ということでしょうか。

最初の舞台はライムスターが主催のフェス会場。豪雨の中で、いろいろなアーティストがパフォーマンスします。ラッパーからはそれこそ言葉が機関銃の弾のように発射される訳ですが、宇多丸さんはその言葉の「聞こえ方」「聞かせ方」について畑中さんに語ります。

後半の舞台は一転して岩手県遠野市。古い伝承が残る、言うまでもなく日本民俗学に欠かせない地域です。市内を移動するバスの中で、宇多丸さんは黙って車窓を眺め、遠野を「感じようと」していました。そんな宇多丸さんに、畑中さんは「腑に落ちないもの、ことばにできないものの中にこそ真実がある」と語ります。

 今回の「SWITCHインタビュー達人達」の59分は、こんな風に、ことばにならないものを見据えて、2人の異才が言葉を交わしています。ことばにならないものを言葉にする怖さ、ことばにならないものを言葉で語ることの勇気。正直に告白すると「ちょっと難しい」のですが、放送を見終わった後には、ことばに出来ない興奮があることをお約束します。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:08:45 | 固定リンク


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