2018年08月16日 (木)

1時間10分

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いつも番組をご覧になっていただき有り難うございます。

「出口治明さん×美村里江さん」のアンコール放送(収録はすごく寒い時期に行われました)、次週が放送お休みとなりますので、ここで普段この番組がどのように収録されているのか、ご説明したいと思います。

 当日、2人のゲストが別々に収録場所にいらっしゃるのですが、ここでスタッフが気を付けるのは「2人をなるべく会わさないこと」。コミュニケーション能力に秀でた方が多いので、顔が会った瞬間に、もう「SWITCHインタビュー」が始まってしまうからです。

こうして、あえて少しぎこちなさも残して収録が始まります。よく「質問はスタッフが指示を出しているのですか?」と聞かれるのですが、ものすごく正直に申し上げますと、質問を書いたボード(よく言う“カンペ”)を数回出すことはあります。ただ、それを気にせず話す方、あるいは瞬時にその指示を自分の関心のあることに置き換えて質問する方、などなど、まるっきり指示通りに話す方はほとんどいらっしゃいません。時には、2人して「あんなカンペが出てるけど、そういうことじゃないですよね」と言って、話が盛り上がることもあります(笑)。

 こうしてトークが進む訳ですが、1時間10分くらい経過すると、不思議にどの回も話が自然に落ち着きます。人の生理として、それぐらい話すと、「だいだい話したいことは話したかな?」という感じになるようです。そこで聞き漏らしたことを確認して、さらに収録を少々続けて終了、そして「舞台をSWITCH!」ということになります。

1時間10分、不思議ですよね。

 「SWITCHインタビュー達人達」、年末まで続々と楽しみな方々が番組に登場していきます。ぜひ、今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いします。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:09:22 | 固定リンク


  
2018年08月06日 (月)

それは実は・・・

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「子どもらしくしなさい」、と子どものころに言われたことありますか?子どもなんて、いつだってオトナの世界に憧れる生き物なのに、子どもらしくする子どもなんてちっとも子どもらしくないよ、と早口言葉のような文句を言った記憶がある方には痛快!というのが今回の放送です。というのは・・・

 今回の出演者、ももいろクローバーZの百田夏菜子さんと「かいけつゾロリ」の原ゆたかさん。百田さんがゾロリの映画の声優として出演した縁から、今回の企画が実現しました。

百田「読書タイムって小学校の時にあって、だいたい何ページも飛ばしながら、読んでますよって先生に見せるために」原「こう言っちゃあれだけど、課題図書で何読んだか覚えてる?」と、「わかるわかる」の心地よいラリーの応酬。でもこういうのって、大人になってもあまり変わらないですよね。ところが・・・

  大人になると、子育て中の方は別にして、「子ども」がなぜか遠い存在になってしまいます。だから原さんの「プロの小学生でありたい」という言葉の意味をかみしめてしまうのです。原さんの創作部屋はたくさんのゾロリグッズや怪獣の人形と、作品作りに欠かせない綿密な資料や本が同居するという、小学生の魂とプロのスキルが一体となった部屋でした。一方の・・・

 百田さんはというと、キラキラ明るくて、子どものイメージを重ねる方もいらっしゃるかと思いますが、とても「大人」の方です。打合せの際、こちらの意図をすぐに理解して、万全の状態で収録に臨んでいただきました。原さんには臆することなくインタビューをして、ご自分のことを語るときにはとても謙虚。それでいて、カメラが回っているときも回っていないときも、あの明るい笑顔なのです。つまり・・・

  ・・・結論は放送の中で!

ところで、もったいぶった文末が続いて、申し訳ありませんでした。これ、お二人のトークと、とーっても関係があるんです。それは実は・・・

投稿者:スタッフ | 投稿時間:09:02 | 固定リンク


  
2018年07月17日 (火)

テレビの中のシネマ

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考えてみれば、これだけメディア端末が身近になっているにもかかわらず、時には2時間以上にもなる“動画”を見るために大勢の人が時間をかけて一箇所に集まり、じっとその“動画”を見る、その最中誰もスマホをいじったりしない、ってすごいことですよね。そう、映画のことです。

 今週は、人気若手俳優の池松壮亮さんと、フランスの映画監督、フランソワ・オゾンさんの「SWITCHインタビュー達人達」。たっぷりと「映画」を語り尽くします。オゾン監督は横浜で開催された「フランス映画祭2018」のために来日。限られた滞在期間の中で収録に臨んでいただきました。一方の池松さんも今いろんな映画に引っ張りだこで大変多忙なところ、オファーを受けて下さいました。そんなお二人ですが、対談が始まると、そこにはゆったりした時間が流れ、とっても“映画的”。

 後半の収録は、まず渋谷のとある映画館で。オゾン監督の到着を待つ間、池松さんはロビーで映画のポスターを見たり、映画館の方と談笑したりして過ごしていました。映画の「中」に出てくる池松さんですが、映画館もとてもよく似合います。そして監督と2人で無人の客席へ。スクリーンを前に話し、歩く2人の光景は、古いフランス映画の1シーンのようでした。

 対談では監督、俳優それぞれの立場から語りあいます。お二人の「映画との距離の取り方」には微妙な違いがあってそこが面白いのですが、共通していたのは、たっぷり映画のことを語っているにも関わらず、「映画のことを安易に語ったりしないぞ」という覚悟のような思いが伝わってくることでした。

今回の放送を見ると、映画が見たくなります、きっと。その映画を見るという作業まで含めて、フランソワ・オゾン監督と池松壮亮さんの「SWITCHインタビュー達人達」ということなのかもしれません。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:09:22 | 固定リンク


  
2018年07月09日 (月)

Direct & Deep!

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今回の『SWITCH』に登場するのは、不思議な“縁”でつながったお2人。まずは歌舞伎俳優・市川猿之助さん。「歌舞伎初心者にも楽しんでもらえるものを」と、人気マンガを原作にスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』の主演・演出をつとめるなど、八面六臂(ぴ)の活躍を続けています。そんな猿之助さんが去年10月、公演中に大けがを負いリハビリ生活を余儀なくされていた時に知ったのが今回のトークのお相手、製硯師(せいけんし)・青栁貴史さんでした。中国のいにしえの様式から現代的な作品まで、あらゆる時代・形式の硯(すずり)を彫り上げる硯作りの第一人者です。書画骨董にも造詣(ぞうけい)の深い猿之助さん、青栁さんの活動を知るや早速お店を訪れ「家宝になる硯を作ってほしい」と依頼したのだとか。それから4か月、硯の完成が見えてきたころ、このトークも実現したのです。

 対談はまず『ワンピース』を上演中の劇場を青栁さんが訪ねるところからスタート。ミュージカル風ダンスシーンあり、プロジェクションマッピングあり、と現代的な要素がいっぱい詰まった作品ですが、青栁さんの感想は「“あ、しっかり歌舞伎だ”と思った」というもの。ではその「歌舞伎らしさ」とは?そしてそもそも一体、歌舞伎とは何か?今回のトークはいきなり、こんな直球のテーマから始まったのでした。歌舞伎について、そして自らの大ケガについて、率直な語り口で見事に答えていく猿之助さん。まさに快刀乱麻を断つごとし!そしてそんな猿之助さんに物怖じすることなく質問をぶつけていく青栁さん。それ自体がまるで舞台での丁々発止を観ているかのような、お2人のトークにご注目下さい!

 番組後半は東京・浅草にある青栁さんの書道用具店の製作工房で、ついに完成した硯を見ながらのトーク。自ら「硯に関しては危ない方だと思う」と語る青栁さんの“偏愛トーク”は、「硯1つでここまで話が広がるのか!」と驚くこと請け合いのディープさ。さすがの猿之助さんもタジタジでした。そして最後には歌舞伎・硯、それぞれの伝統の継承についてトーク。今、小学校では書道の時間でもプラスチックの硯と墨汁が使われ、子供たちが石の硯で墨をするという経験をしなくなっているのだとか。伝統を継ぐ者同士、その責任について語る・・・のかと思いきや、話は意外な方向へ。最後まで目が離せません!

直球にして、深くえぐるような今回のトーク、是非ご覧下さい。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:17:28 | 固定リンク


  
2018年07月02日 (月)

ことばにならないもの

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子どものころのこんな記憶は無いでしょうか。「ふと気づいたら知らない所に来ていた」、「田舎のおばあちゃんの家に行って夏祭りに圧倒された」、「夕焼けに見とれていたら辺りが暗くなっていた」・・・そんなときに心の中にうっすらと芽生えた“あの感情”。「どきどき」「怖さ」「不安」「興奮」「好奇心」、いろいろな要素が混じり合った、一言では言い切れない感じ、わかっていただけますよね?

 今回ご出演のライムスター・宇多丸さんと民俗学者・畑中章宏さんは、そんな感情を「よく覚えて」いて、それについて「語る」ことが出来るお二人でした。ことばにできない感情を言葉で語る達人、ということでしょうか。

最初の舞台はライムスターが主催のフェス会場。豪雨の中で、いろいろなアーティストがパフォーマンスします。ラッパーからはそれこそ言葉が機関銃の弾のように発射される訳ですが、宇多丸さんはその言葉の「聞こえ方」「聞かせ方」について畑中さんに語ります。

後半の舞台は一転して岩手県遠野市。古い伝承が残る、言うまでもなく日本民俗学に欠かせない地域です。市内を移動するバスの中で、宇多丸さんは黙って車窓を眺め、遠野を「感じようと」していました。そんな宇多丸さんに、畑中さんは「腑に落ちないもの、ことばにできないものの中にこそ真実がある」と語ります。

 今回の「SWITCHインタビュー達人達」の59分は、こんな風に、ことばにならないものを見据えて、2人の異才が言葉を交わしています。ことばにならないものを言葉にする怖さ、ことばにならないものを言葉で語ることの勇気。正直に告白すると「ちょっと難しい」のですが、放送を見終わった後には、ことばに出来ない興奮があることをお約束します。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:08:45 | 固定リンク


  
2018年06月19日 (火)

そこにある時間

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ピアニストのフジコ・ヘミングさんと、ビーズ刺繍デザイナーの田川啓二さん。この回については言葉での説明は不要だと思います。フジコさんの音楽に聴きほれ、田川さんのビーズ刺繍にうっとりし、おふたりの話に耳を傾ける・・・番組をご覧になる皆様が、そうなっていただく事がわたしたちの願いです。

 ・・・なのですが、もうひとつだけ。

現在、フジコ・ヘミングさんのドキュメンタリー映画「フジコ・ヘミングの時間」(小松莊一良監督)が公開されています。私はこのタイトルから、フジコさんの中で時はどのように刻まれているのだろうか、フジコさんの音楽を鑑賞する時間は何と豊かな贈り物だろうか、などいろいろな「時間」を想像しました。

田川さんの作品にも、さまざまな「時間」が流れています。すべて手作業という膨大な時間の蓄積、インドなど世界各国で技が磨かれてきた歴史という時間、田川さんによって作品となったビーズはいつまでもキラキラ光るだろうという未来への時間。

 今回のおふたりの話の中にも、想像力にあふれた希有な時間が流れています。そんな時間をお楽しみください。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:10:02 | 固定リンク


  
2018年06月04日 (月)

スウィングしなけりゃプロレスじゃない

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東京六本木、ピアノが置かれたステージに現れた、男性と女性の出演者。服装、たたずまい、スキがありません。ジャズピアニスト大西順子さん、そしてプロレスラー蝶野正洋さん。「磨き上げられた大人」の2人です。そして蝶野さん以外、誰もお客さんがいない静寂な空間で大西さんがピアノを奏でる。ぜいたくとはこういう事を言うのでしょう。仕事とはいえ、そのおこぼれに預かることが出来る我々も、本当に幸せ者です・・・

 さかのぼること1か月前。「SWITCHインタビュー達人達」の企画会議では、組み合わせについて一番時間をかけて検討します。お話をする2人の関係が近すぎても遠すぎても上手くいかない・・・。しかし「蝶野正洋さん×大西順子さん」は、全員一致、まさに即決でした。もちろんお二人は過去一緒にお仕事をなさった等の接点はありません。大西さんはある程度プロレスのファンだったようですが、蝶野さんはジャズに関しては完全に“白紙”の状態。でも、なぜか「面白くなる」という直感を、スタッフ全員が瞬時に感じたのです。

 そして迎えた本番。同世代で、育った地域も近かった事もあって、話はスムーズに進んでいきます。プロレスに関わる人あこがれの後楽園ホールでは、何と蝶野さんが大西さんに「あの」技を!(マネージャーさん曰く、めったにそのような事はなさらないそうです)

そして迎えたのが、冒頭に記した後半の収録でした。

 ここで、「プロレスとジャズの共通点」という話題になり、トークがさらに“スウィング”していきます。2人の達人による解説は明快で独創的。蝶野さんの振りを大西さんが巧みに受けて大技を繰り出す、あるいは大西さんの“ソロ”に、蝶野さんも“ソロ”で応酬する・・・事前の直感を上回る面白い展開になっていきました。

そして最後、これからの目標は?という話題になった時です。蝶野さんから必殺のフレーズが飛び出しました。「〇〇で最後の試合がしたい」(たぶん皆さんの予想とは違う内容です)。あれだけ大勢のファンを熱狂させたからこそ出てきた言葉、そこに込められたプロレスへの愛、59分間を締めくくるにふさわしい美しいメロディーでした。

この日は偶然にも大西さんの誕生日。収録が終わって花束を贈る蝶野さんと受け取る大西さん、背景には東京の夜景。

キマりすぎるのがバッチリ似合う、最強のタッグでした。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:10:45 | 固定リンク


  
2018年05月28日 (月)

Eテレ PM10時

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今回は、収録の模様をスポーツ実況風にご紹介。

こちらは快晴の都内陸上グラウンドです。あ、元宝塚トップスター、早霧せいなさんがやってきました。ランニング・ウェアに身を包んだ早霧さん、スタイル抜群似合ってる、そして朝7時にも関わらずハイテンションです!

さあ最初の撮影は、マラソン解説でもおなじみ、増田明美さんと出会いのシーンですが・・・

おっと早霧さんいきなりダッシュ。「増田さんを見つけたら小走りに駆け寄って・・・」という打合せだったのに、速い速い、速すぎる。カメラマンと音声マンが遅れ始めた、プロデューサーは頭を抱えている、大丈夫なのか今回の収録~!?

 読みにくいので実況風はここまでとしますが、収録は本当にこの通りに始まりました。

宝塚の舞台で鍛え上げられた早霧さん、身体能力もすごいです。

このシーン、第一生命女子陸上部さんと、監督の山下佐知子さんのご協力を得て撮影されました。有り難うございました。世界陸上で銀メダルを獲得した山下監督、現役時代と変わらぬ姿で元気いっぱい。そして撮影の間練習をしている選手たちのスピードたるや。これまたすごかったです。

 そして後半は舞台が変わって、早霧さんが舞台の稽古を行っている都内のスタジオへ。稽古の合間に、増田さんは早速取材開始。共演の俳優さんや演出スタッフに、早霧さんについて聞き込みです。もし舞台の実況中継があったら・・・

 (増田)「主役の早霧さんはですね、毎朝〇〇を3つも食べてくるんですよ」「子どもの頃は人見知りで、妹さんに頼りっきりだったそうです」(※内容はフィクションです)

 なんて事になったのでしょうか。それにしても、初対面の人ばかりなのに、すっと相手の懐に入る増田さんはスゴイです。ランナーとして天才なのは言うまでもありませんが、取材者としても天才じゃないかと、感じさせられました。

 肝心の収録ですが、話が弾む弾む。休憩時間の間も、ずっとお話ししていました。増田さんはもちろんですが、早霧さんの相手の話を正面で受け止めて、常に明るく進めていくトーク術にも感服しました。新しい魅力いっぱいの59分になっています!

投稿者:スタッフ | 投稿時間:09:31 | 固定リンク


  
2018年05月14日 (月)

やわな体じゃ語れない

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文楽、ぶんらく、 BUNRAKU。どう表記してもちょっと身構えてしまう、そんな方は、実際に生で文楽をご覧になるとイメージが変わると思います。

今回ご出演いただいた文楽太夫、六代目竹本織太夫さん。その語りを間近で見ると、体が破裂してしまうのではないかと思うぐらいの熱演。それで長いときには90分近く語ることもあるというから驚きです。といっても40代、50代はまだ「若手」と呼ばれるというこの世界、単に「体力がある」という訳ではありません。体から発せられる熱量というのでしょうか、「体の芯」が強い、という感じなのです。

 そして対談相手は、「帝京ボ~ル」など数々のモノマネでもおなじみの漫才コンビ中川家の礼二さん。礼二さんがモノマネするのは、ラグビーのレフリー、駅員、入国審査の職員、普通のおっちゃん、いずれも市井の人ばかりですが、なぜか「あるある、いるいる」と思ってしまいます。今回、「デパートの駐車場で整理をする人」のモノマネを披露していただいたのですが、これよく見ると、体の動きのキレが異常に良い!リズミカルで指の先まで動きにムダが無い、それが面白さの秘密なのか?と感じてしまいました。

 この語りの名手のお二人が、口をそろえて大事だとおっしゃっていたのが「横にならない」。ん?どういうこと?って思いますよね。納得のいく「語り」をするために、体のコンディションを整える、実にプロフェッショナルな意味が込められているので、ぜひお楽しみにしてください。

 

 

投稿者:スタッフ | 投稿時間:17:28 | 固定リンク


  
2018年05月08日 (火)

「幻のマドンナ」と巨匠のトーク!

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今回のSWITCHは、巨匠・山田洋次監督が登場!御年86歳となった今も次々と新作を撮り、家族を通して日本人を見つめ続けています。対するは女優・蒼井優さん!実力派としてこちらも数々の映画に出演し続け、今年の日本アカデミー賞では最優秀主演女優賞を受賞しました。蒼井さんはすで5本の山田作品に参加していますが、監督曰く「こういう風にいかめしく」じっくりと話すのは初めて、とのこと。さらに「寅さんが生きている頃に彼女も一人前の女優であれば、当然マドンナになってもらったと思う」とも!「幻のマドンナ」と巨匠のトークはどうなるのか?期待に胸ふくらませ収録にうかがいました。

 番組前半の現場は葛飾区柴又・寅さん記念館。山田監督の代表作『男はつらいよ』シリーズでおなじみの団子屋さん「くるまや」が、実際に撮影で使用されていたセットを移設して再現されています。そのほかにも寅さんの小道具や監督が実際に使用していたメガホンなどが展示され、一歩足を踏み入れれば気分はフーテンの寅。そして「くるまや」のセットに入った蒼井さんは、本当に「男はつらいよ」のマドンナのよう。対面した山田監督も思わず、「また寅さん撮りたくなっちゃった」と一言。早くも映画女優と巨匠のオーラを感じます。

トークは「山田監督の映画はファンタジー要素がある」という蒼井さんの意外な一言で始まります。山田映画に描かれる家族は、自分の今生きている社会であまり見たことのない人間関係なのだ、と。この一言に山田監督も「そんな風に僕の映画言ってくれた人はいない」と応じ、そこから話は「家族」を撮り続けてきた山田監督の映画論・監督論、そして人間論へ。

そして後半の現場は、『寅さん記念館』に隣接する「山本亭」。大正末期に建てられた和洋折衷の由緒ある建築で、特に美しい日本庭園が有名です。その庭園に面した和室の縁側でお2人が並んで晩春の庭を見ながらトーク。今度はまさに小津安二郎の世界に入り込んでしまったかのような・・・。

ここでのトークのメインテーマはもちろん女優論。16歳でデビュー後、順調にキャリアを重ねてきたかに見える蒼井さんがぶつかっていた壁についてのお話や、女優としての世代論、そして今年の日本アカデミー賞の壇上でのスピーチにこめた思いなど、貴重なお話を語って下さいました。

 いつになくゆったりした雰囲気で終始和やかに進んだトーク。まるでそれ自体が1作のホームドラマのような。撮影が終わって家に帰った後も、もう一度お2人の言葉を反芻し、さらに山田作品を見返したくなるような、そんな味わい深い収録となりました。

 

投稿者:スタッフ | 投稿時間:12:48 | 固定リンク


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