NHKは新進映画作家の脚本をサポートし、サンダンス・インスティテュートの脚本ラボとサンダンス・インスティテュート/NHK賞に推薦する事業を今年も行っています。
2022-2023サイクルのNHK推薦3作品が以下の通り決定しました。
「君と、巡りめぐる。」 Princess KALPA & rabbit
ふじやさとし Satoshi Fujiya
シングルマザーの宮本亜沙子は、娘のソラ(6歳)と幸せな毎日を過ごしていた。
しかし、小学校入学を前にソラの脳に腫瘍が見つかり、余命8ヶ月を宣告される。
突如、始まった娘との壮絶な闘病生活。
ある日、ソラは入院先のホスピスで一冊の絵本『カルパ姫とうさぎ』を見つける。
それは、亜沙子が小学生の頃に幼なじみと作ったものだった。
「海と山と小人とわたし」 The Fairy with Me
板橋 基之 Motoyuki Itabashi
福島県浪江町に暮らす結。両親を震災で亡くした結は、祖父と暮らし、心の調子を崩しているものの、悲しみを隠すかのように、家事をこなし、笑顔を絶やさない。
そんな結の前に小人のクバが現れ、愉快な交流が始まる。
ある日結は病院の帰りに寄った復興市で、空流(そら)と出会う。空流もまた心の病と闘っていた。
そんな空流の病気のために、結はある計画を実行し、小さな恋が芽生える。
結と空流とクバの、静かな交流の物語である。
「アンナと小林くんは此処」 Anna and Kobayashi Are Here
宮瀬 佐知子 Sachiko Miyase
強姦事件に巻き込まれた17歳の高校生アンナといつも陽気なフィリピン人の母シェリー。極度のストレスから色彩感覚を失ったアンナを、病院も警察も学校もさらに傷つける。そんな中出会ったとあるジャーナリストや根気よく付き合ってくれる友人の小林との関係性が、徐々にアンナとシェリーを前向きにさせていく。色を失ったことで音や音楽の鮮やかさに心も癒されていく中、思いもよらない過酷で理不尽な運命がアンナを待ち構えていた。
選出された映画作家3名は、NHKが8月に行う脚本ワークショップに参加してさらに脚本を磨きます。サンダンス・インスティテュートが推薦するクリエイティブアドバイザーが指導・助言を担当します。
新型肺炎感染対策としてオンラインでのワークショップとなる予定です。
NHKは脚本ワークショップを受けて改稿された長編劇映画脚本3作品を、NHK推薦作品としてサンダンス・インスティテュートに提出。インスティテュートは世界中から集まる他の応募作品と等しく、「サンダンス脚本ラボ」および「サンダンス・インスティテュート/NHK賞」の候補として審査を行います。
ワークショップは8月2〜5日(日本時間)オンラインで行われ、実り多い4日間となりました
左上から時計回りに、通訳こはたあつこさん、講師ジュラ・ガズダグさん、フェローふじやさとしさん、フェロー宮瀬佐知子さん、フェロー板橋基之さん