【あらすじ】
預言夢を見る力を持つチュニジア人の母親サルハ(45歳)は、チュニジア北部の人里離れた場所で夫のモハメッド(50歳)と幼い息子レイエーン(11歳)と暮らしている。長男のマレク(20歳)とチェイカー(19歳)がシリアのイスラム国に参加して以来、家族は苦悩の中で暮らしている。文盲のモハメドは、学校の成績が優秀なチェイカーをかわいがっていたため、チェイカーが過激化したのはマレクのせいだと考えている。シリアでチェイカーが死亡したとの知らせは、マレクへ対するモハメドの憎しみをより強め、サルハとモハメドの間の感情的な溝は広がっていく。
そんなある日、妊娠中の妻リーム(18歳)を連れたマレクが突然帰宅した。顔を隠すニカブを身につけ言葉を発しないリームは、モハメドとレイエーンを大きく動揺させる。
同じ頃、地域の男性が次々と失踪する事件が起こる。始めのうちは、消えた男性たちは崩壊しつつあるイスラム国を支援するためにシリアに行ったのではないかと考えられていたが、毎晩の様に行方不明者がでるようになると、地域の人々に不安が広がっていく。サルハはそうしたことにほとんど気付いていない。彼女はマレクとリームを守ることで精一杯だった。
【監督】
メリアム・ジョーベアー
Meryam Joobeur
脚本/監督
メリアム・ジョーベアーは、カナダを拠点に活動するチュニジア系アメリカ人監督。
ドキュメンタリーとフィクションの両方を手がけており、短編映画『Gods, Weeds and Revolutions』(2012年)とサッシャ・レイン(アメリカン・ハニー)主演の『Born in the Maelstrom』(2017年)は世界中で上映されました。
アカデミー賞にノミネートされた短編映画『Brotherhood』(2018年)は150以上の映画祭で上映され、75の国際的な賞を受賞しています。
受賞作『Motherhood』はメリアムの長編劇映画デビュー作になる予定です。