NHK アジア・フィルム・フェスティバル　＋　サンダンス・インスティテュート／NHK賞

【あらすじ】
晩夏。楠見幸幸が恋人の明野と新宿のバーで飲んでいると、故郷・占辺の高校の同級生、新発田と出会う。高校卒業以来20年ぶりの邂逅だったが、田舎に置いてきた母・杏子の死を伝えられ、翌日3人で帰郷する。しかし彼にとってそこは「一度も見たことのない町」だった。
帰り着いた実家は巨大な日本家屋で、これも幸幸の記憶にはない。彼は全く違う惑星に連れてこられたような違和感を覚える。その夜、幸幸が宴会を抜け出すと暗がりの中で高校の映画研究会の仲間4人と出会う。気づくと幸幸も、肉体だけ17歳の高校生に戻っていた。
彼らは近くの神社の秋祭り野外上映会の準備の真っ最中。しかし何故か映写テストでポルノ映画が上映されてしまう。その主演のポルノ女優は、まだ若い頃の幸幸の母・杏子だった。ショックを受ける幸幸。映画研究会の仲間と再び母親と対峙する幸幸だったが、あの頃言葉にできなかった母への複雑な想いは、20年経った今も伝えられない。
一方明野と新発田は、インターネットに散らばる杏子の過去映像を継ぎ合わせながら、20年前の秋祭りの日に起こった事件の真相へと迫っていく。
現実とも虚構とも分からない時空を超えた世界が絡みあって展開する作品。