1996年


「スモーク・シグナルズ」 (アメリカ)
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「セントラル・ステーション」 (ラテンアメリカ)
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「フラミンゴの季節」 (ヨーロッパ)
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「Mr.Pのダンシング・スシ・バー」 (日本)
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スモーク・シグナルズ
Smoke Signals
1998年/アメリカ/89分
●1998年 サンダンス映画祭 観客賞、映像作家トロフィー賞
●1998年 東京国際映画祭 最優秀芸術貢献賞
【あらすじ】
トーマスは幼い頃、友人ビクターの父アーノルドに命を救われる。その後アーノルドは姿を消してしまい、ビクターはそんな父を許せないまま育つ。10年後、アーノルドが死亡したとの知らせが届き、トーマスとビクターは父が暮らしていた地に向かう。父の遺灰を手にしたビクターは、父が姿を消した本当の理由を知るのだった。
【監督】
クリス・エア
エアはニューヨーク大学で芸術の修士を獲得し、大学院時代には教職助手をつとめ、ヘイグ・マヌージアン賞、ワーナー・ブラザース賞、マーティン・スコセッシ・ポスト・プロダクション賞、それにニューヨーク大学の初上映映画祭(ファースト・ラン・フィルム・フェスティバル)のモビール賞の一等賞に輝いた。また、1995年には権威あるロックフェラー財団文化映画奨学金も受けている。
クリス・エアはアメリカの非営利団体、ネイティブ・アメリカン・プロデューサー同盟の活動メンバーのひとりである。クリス・エア監督はオレゴン州出身。シェイエン族とアラパホー族の血を継ぐネイティブ・アメリカン。「スモーク・シグナルズ」が長編劇映画デビュー作。長編「エッジ・オブ・アメリカ」は2004年のサンダンス映画祭オープニングを飾った。また、2005年にはアメリカン・インディアン国立博物館の開館を記念した短編「A Thousand Roads」を監督している。
【スタッフ】
監督:クリス・エア
製作:スコット・ローゼンフェルト、ラリー・エステス
製作総指揮:デビッド・スキナー、カール・ブレスラー
共同製作:シャーマン・アレクシー、クリス・エア
製作補:ロジャー・バーウルフ、ランディ・スアー
ライン・プロデューサー:ブレント・モリス
脚本:シャーマン・アレクシー
撮影監督:ブライアン・ケイプナー
編集:ブライアン・バーデン
美術:チャールズ・アームストロング
音楽:BC・スミス
衣装:ロン・リーモン
支援:シネマ 100、サンダンス国際賞
主催:NHK、NHKエンタープライズ21、西友、キネマ旬報、サンダンス・インスティチュート
【キャスト】
ビクター・ジョセフ:アダム・ビーチ
“火をおこす”トーマス・ビルズ:エバン・アダムス
スージー・ソン:イレーヌ・ベダード
アーノルド・ジョセフ:ゲイリー・ファーマー
アーレン・ジョセフ:タントー・カーディナル
少年時代のビクター:クディー・ライトニング
少年時代の“火をおこす”トーマス:サイモン・ベーカー
トーマスの祖母:モニク・モジカ
ランディー・ペオーネ:ジョン・トゥルーデル
セントラル・ステーション
Central Station(Central do Brasil)
1998年/ブラジル/111分
●1998年 ベルリン国際映画祭 金熊賞、銀熊賞(女優賞)、エキュメニカル審査員特別賞
●アカデミー賞 主演女優賞ノミネート、最優秀外国語映画賞ノミネート
●ゴールデン・グローブ賞 最優秀外国語映画賞
【あらすじ】
元教師のドーラは、リオデジャネイロ中央駅で手紙の代筆屋を営んでいる。9歳のジョズエは母に連れられて、顔も知らない父親への手紙を書いてもらいに来る。母が事故で突然亡くなり、身寄りのなくなったジョズエ。ドーラはジョズエと共に父親探しの旅に出る。
【監督】
ウォルター・サレス
サレス監督はリオデジャネイロ出身。1995年に共同監督した「Foreign Land」が30以上の映画祭で上映され、ブラジル映画の重要な作品となった。「セントラル・ステーション」で数え切れないほどの映画賞を受けた後も精力的に作品を発表。監督作品に「モーターサイクル・ダイアリー」、「ダーク・ウォーター」。製作作品に「シティ・オブ・ゴッド」などがある。
【スタッフ】
監督:ウォルター・サレス
製作:アーサー・コーン、マルティーヌ・ド・クレルモン=トネール
製作総指揮:エリザ・トロメッリ、リリアン・ブリムバウム、ドナルド・ド・ラン
製作補:パウロ・ブリート、ジャック・ガジョス
脚本:ジョアン・エマヌエル・カルネイロ、マルコス・ベルンステイン
撮影監督:ヴァルテル・カルバーリョ
編集:イザベル・ラテリー、フェリーペ・ラセルダ
美術:カシオ・アマタンテ、カルラ・カフェー
音楽:アントニオ・ピント、ジャック・モルランボーム
原案:ヴァルテル・サレス
録音:ジャック=クロード・ブリッソン、フランソワ・グルー、ブルーノ・タリエール、ヴァルテル・シャヴィエル
共同制作:ビデオ・フィルムス、リオフィルミ、マクト・プロダクション
【キャスト】
ドーラ:フェルナンダ・モンテネグロ
イレーネ:マリリア・ペーラ
ジョズエ:ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ
アナ:ソイア・リラ
セサール:オトン・バストス
ペドロン:オターヴィオ・アウフスト
ヨランダ:ステラ・フレイタス
イザイアス:マテウス・ナシュテルゲーレ
モイゼス:カイオ・ジュンケイラ
フラミンゴの季節
Sin Querer(Time of the Flamingos)
1997年/ドイツ=スイス=アルゼンチン/95分
●1998年 ドイツ・カメラ賞 劇映画部門受賞
【あらすじ】
フラミンゴがやってくる季節。都会から遠く離れたパタゴニアの村へ道路調査のために技師マリオがやってくる。村の人間関係は複雑で危険をはらんでいる。道路ができれば村が潤うため初めは歓迎されるマリオだったが、失踪した父を捜すインディオのロサに手を貸したことで、村の権力者アマードの反感を買う。村人たちの欲望と陰謀が次第にあらわになり、やがて大きな悲劇が起こる。
【監督】
シーロ・カペラッリ
1959年ブエノス・アイレス生まれ。パタゴニアで少年時代を過ごし、カメラマンとして働いたのち、ブエノス・アイレスでは撮影を学び、初期の短編映画作品を数本製作している。ヨーロッパで2年間カメラマンの仕事をしてから、1985年にベルリンへ移り、映画・TVアカデミー(DFFB)で学ぶ。
1990年からは脚本家、監督、撮影監督として、ドイツ、スイス、アメリカ、アルゼンチンで仕事をしてきた。ライティング・カメラマンとして参加した様々な作品には、マーセル・ギスラー監督の「青い時(Die Blaue Stunde)や、1994年の米・アカデミー最優秀短編映画賞を受賞した「無免許運転手(Schwarzfahrer)」などのディディ&ペぺ・ダンカルト監督作品がある。
自らの監督作品、「Amor America」(ドキュメンタリー/89)と「川の子供(Hijo del Rio)(91)は故郷アルゼンチンが舞台。「Amor America」で彼は既にアルゼンチンのインディアンの生活、伝統、闘いの目的を描いていた。そうしたテーマは本作でさらに追求されている。
【スタッフ】
監督:シーロ・カペラッリ
脚本:グラシエラ・マリエ、シーロ・カペラッリ、オスバルド・バイエル
製作:アルベルト・キツラー
ライン・プロデューサー:イシドロ・ミゲル
撮影監督:ユルゲン・ユルゲンス
編集:タニア・シュッテクリン
美術:ペペ・ウリア
音楽:グスタボ・ベイテルマン
録音:ハンス・キュンツィ
制作:トランス・フィルム、ヴィデアル、ボイエ・ブック(ドイツ)、シネ・マニュファクチュア(スイス)、C.P.A.(スペイン)、アレフ・プロフィルム(アルゼンチン)
主催:NHK、NHKエンタープライズ21、西友、キネマ旬報、サンダンス・インスティチュート
【キャスト】
グロリア:アンヘラ・モリーナ
資産家アマード・バサン:パトリシオ・コントレーラス
技師マリオ・ロハス:ダニエル・クスニエスカ
村長マルドナド:ノルマン・ブリスキ
インディオの女ロサ:ルイサ・カルクーミ
貴婦人オノリーナ:チナ・ソリーリャ
アマードの弟ハビエル:ホセ・ファビオ・サンチネット
メイドのファニータ:ジェシカ・カルドーソ
Mr.Pのダンシング・スシ・バー
Mr.P's Dancing Sushi Bar
1998年/アメリカ=日本/90分
●1998年 サンダンス映画祭特別上映
●1998年 シアトル国際映画祭
●1998年 アフリカン・ディアスポラ映画祭
【あらすじ】
ベトナム帰還兵ブルースは、ロサンゼルスの寿司店の看板シェフだったが、トラブルで店を辞め、自らMr. Pのダンシング・スシ・バーを開く。店は繁盛し、ブルースと妻ミツコはアメリカン・ドリームを手に入れたかに見えた。しかしブルースはいまだに戦争の悪夢に苦しめられていた。
【監督・脚本】
田代廣孝
1959年生まれ。新藤兼人監督の助監督を経て、1992年「あふれる熱い涙」でデビュー。
製作、監督、脚本を兼任したこの作品は、同年、おおさか映画祭新人監督賞、全国映連新人監督賞、フランス・オルレアンで行われた第1回日本映画ビエンナーレ銀賞を受賞した他に、ベルリン国際映画祭パノラマ部門、ニューディレクターズ/ニューフィルムズ、ロンドン国際映画祭、サンフランシスコ国際映画祭他、数々の国際映画祭で大絶賛される。1993年、「あふれる熱い涙」のプリンストン大学、スミソニアン博物館での上映を機に、アメリカでの制作を念頭に、夫人であり創作のパートナーである田代智子と本作「Mr.Pのダンシングスシバー」の初稿を完成。1996年の「シネマ100・サンダンス国際賞」受賞で映画化のチャンスをつかむ。
二作品を通して特徴的なのは、インターナショナルなテーマを濃厚な色彩と独特なフレーミングで切り取って行く手法である。これは、現代の孤独と救いを描写する、まったく新しいアプローチである。 次回は南米が舞台。
【スタッフ】
監督・脚本:田代廣孝
共同脚本:田代智子
プロデューサー:サンミン・パーク
共同プロデューサー:イーサン・パーク
アソシエイトプロデューサー:サマット・パスカル
ラインプロデューサー:クリフォード・テリー
撮影:サーシャ・レンドリック
編集:ライアン・ゴールド
美術:アンドレ・ソワーズ
音楽:クリストファー・ホールデン
制作:(有)シネバレエ、インターナショナルプレイハウスLLC、(株)日本ディベロップメント アンド ファイナンス
支援:シネマ 100、サンダンス国際賞
主催:NHK、NHKエンタープライズ21、西友、キネマ旬報、サンダンス・インスティチュート