第1回(1995年)
「ニャム」 (ベトナム=NHK)
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「マン・オブ・ザ・ストーリー」 (インド=NHK)
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「孔雀の家」 (タイ=NHK)
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「天の馬」 (モンゴル=NHK)
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ニャム
Nostalgia for Countryland
1995年/ベトナム=NHK/カラー/116分
●サンダンス映画祭 ワールドシネマ部門
●ロッテルダム国際映画祭 NETPAC賞
●ナント三大陸映画祭 観客賞
●フリブール国際映画祭 観客賞 他
【解説】
現代ベトナム映画界の代表的監督ダン・ニャット・ミン(1938年生まれ)。
ベトナム北部の田園地帯の小さな村に住む17歳の少年ニャム。父親はすでになく、兄は仕事のため村を遠く離れている。ニャムは一家の男手として、母親、妹、兄嫁と暮らしている。兄嫁のグーは夫のいない淋しさからニャムに義理の弟に対する以上の感情を抱いていた。ある日、村にクエンという美しい女性が都会から里帰りしてくる。ニャムはクエンとの出会いによって、生まれて初めての感情を経験する。ニャムとクエンが一緒にいることに苛立つグーは、孤独に耐えながら黙々と働くが、淋しさはやがて耐えられないものになる。
【監督・脚本】
ダン・ニャット・ミン
【キャスト】
グー:トゥイ・フオン
クエン:レ・ヴァン
ニャム:タ・ゴック・バオ
マン・オブ・ザ・ストーリー
Man of the Story
1995年/インド=NHK/カラー/107分
●インド国際映画祭 最優秀作品賞
●ムンバイ映画祭、FIPRESCI賞受賞
●トロント国際映画祭出品
●ナント三大陸映画祭出品 他
【解説】
インド南部ケーララ州のマラヤーラム語映画の中心的存在であるゴーパーラクリシュナン監督(1941年生まれ)は「個人の自由意志を束縛する組織化や弾圧に抵抗しようとする人間の魂の永遠の衝動を表現しようとした」と語る。
旧家に生まれたクンニュンニは父親が誰なのか知らずに育った。母親は病弱だったが、気丈な祖母と献身的な執事、メイドの娘で遊び友達のミーナークシらの愛情に包まれて心優しい少年に成長。ガンジーによるイギリスからの独立運動、それに続く政治不安。大学生になったクンニュンニは、当時の多くの若者と同じように理想に燃えた共産主義的な考え方を身につけていく。そして、ケーララ州に世界で初めての選挙による共産党政権が誕生。土地所有制度の改革によって、地主だったクンニュンニの家は窮乏していく…。
【監督・脚本・原案】
アドゥール・ゴーパーラクリシュナン
【キャスト】
クンニュンニ:ヴィシュワナータン
クンニュンニ(5歳):アキル
クンニュンニ(10歳):ミトゥン
孔雀の家
House of the Peacock
1995年/タイ=NHK/カラー/115分
●シネマ・トート・エクラン(ジュネーブ)出品
●インド国際映画祭出品
●シンガポール国際映画祭出品 他
【解説】
1966年のデビュー以来、タイ人の心のルーツを描き出してきたヒットメイカー、チュート・ソンスィー監督が時代色豊かに描くラブ・ロマンス。
プラナーイという青年はある日アユタヤの森で不思議な女性に出会う。古代衣装に身を包み、古代タイ語を話す、目を見張るほど美しい女性だった。彼女はノッユーンという名前で、200年以上も前のアユタヤ時代の将軍の娘だとわかる。1767年、タイの首都アユタヤはミャンマー軍の激しい攻撃を受けていた。将軍は家族を戦火から守るため、孔雀の神の魔法により、家人を屋敷ごとタイムトリップさせたのだった。時を越えてやってきたアユタヤ時代の将軍の娘と現代青年の恋をファンタスティックなタッチで描き、現代のタイが失いつつある美徳を問いかける。
【監督・美術】
チュート・ソンスィー
【キャスト】
プラナーイ:サランユー・ウォンクラチャーン
ノッユーン:ヌスバー・ワーニットアングン
フォーイフォン:モナ・ナーム
天の馬
Heaven's Animal
1995年/モンゴル=NHK/カラー/85分
●モントリオール国際映画祭出品
●インド国際映画祭出品
●ケーララ国際映画祭出品 他
【解説】
1956年ウランバートル生まれのオランチメグ監督はモンゴル映画界で将来を嘱望される女性監督。モスクワのソ連国立映画大学で脚本を学び、映画・舞台の脚本化を経て、1991年『枷』で監督デビュー。本作が第2作目。
社会主義の崩壊後、モンゴルでは家畜の私有化が認められた。ダンザン老人の息子アランザルに赤毛の痩せた馬が割り当てられる。だがダンザン老人はこの赤毛馬が素晴らしい走りをすることを見抜く。馬の分配作業をしていたダムチャーは、金儲けを狙ってこの馬を奪い取ってしまう。赤毛馬を失った老人と乗り手になるはずだった少年ビリグンの悲しみを知ったアランザルはなんとか馬を取り返そうとするが…。
【監督・脚本・原案】
ナンサリーン・オランチメグ
【キャスト】
ビリグン:バトトゥル
アランザル:トムルホヤグ
ダンザン:ザナバザル