第10回(2009年)
「ピノイ・サンデー」 (台湾=NHK=フィリピン=フランス)
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「タハーン 〜ロバと少年〜」 (インド)
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「トゥルー・ヌーン」 (タジキスタン)
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「シャングリラ」 (中国)
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「キャプテン アブ・ラーイド」 (ヨルダン)
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ピノイ・サンデー
PINOY SUNDAY
国際共同制作作品
2009年/台湾=NHK=フィリピン=フランス/84分
●2010 台北電影説 インダストリー賞受賞
●2010 トロント国際映画祭
●2010 バンクーバー国際映画祭
●2010 釜山国際映画祭
【物語】
台北に暮らすフィリピン人出稼ぎ労働者たち。トラブルを起こせばすぐに強制送還されてしまう厳しい条件のもと、故国の家族と離れて寂しい気持ちを抱え働いている。ダドとマヌエルもそうした労働者の仲間だ。彼らが何より楽しみにしているのが日曜毎の教会ミサ。同胞が大勢集まり故国フィリピンにいるようだ。そんなある日曜日、ダドとマヌエルは道ばたに捨てられたソファをみつけ、工場の寮まで運ぼうと考える。しかし、大きく重いソファを持ち帰るのは容易ではなかった。二人は門限までに無事に帰れるのか。
2人の人気俳優・コメディアンを主役に迎え、異国の地で逞しく生きるフィリピン人たちの姿をコメディタッチで描く。
【監督・共同脚本】
ウィ・ディン・ホー
【共同脚本】
アジェイ・バラクリシュナン
【キャスト】
エピィ・キソン
バヤニ・アグバヤニ
アレッサンドラ・デ・ロッシ
メリル・ソリアーノ
手前からバヤニ・アグバヤニ(ダド)、エピィ・キソン(マヌエル)、ウィ・ディン・ホー監督
上映後のQ&A。左から2人目はプロデューサーのフー・チー・シン
左からエピィ・キソン、ウィ・ディン・ホー監督、バヤニ・アグバヤニ
タハーン 〜ロバと少年〜
TAHAAN : A boy with a grenade
アジア各国・地域制作作品
2008年/インド/101分
●2009 香港国際映画祭
●2009 シアトル国際映画祭
【物語】
8歳の少年タハーンは、祖父、母、姉と共にカシミール地方に暮らしている。大好きな父親は3年前から行方不明で、一家の生計は厳しい。そんなタハーン少年の一番の友達はロバのビールバルだった。ある日優しい祖父が突然亡くなりビールバルは借金返済のためにやむなく旅商人に売られてしまう。愛するビールバルを取り戻すために旅商人を追いかけ山越えするタハーン。やがて1人の若い男がタハーンに近づき、自分の言うとおりにすればビールバルを取り返してやろうと持ちかけるのだった。撮影監督としても著名なサントーシュ・シヴァンが厳しくも雄大な景観のなかで純粋な少年とロバの友情を描くが、その背景には不安定な政治・社会状況も暗示されている。
【監督・脚本・撮影】
サントーシュ・シヴァン
【キャスト】
プーラヴ・バンダーレー
ビクター・バナルジー
アヌパム・ケール
ラーフル・ボース
Q&Aで話すプロデューサーのムビナ・ラトンセイ
リテシュ・メノン
トゥルー・ヌーン
TRUE NOON
アジア各国・地域制作作品
2009年/タジキスタン/83分
●2009 プサン国際映画祭 ニューカレント部門
●2010 ロッテルダム国際映画祭 ブライトフューチャー部門
●2010 アジアフォーカス福岡国際映画祭 福岡観客賞
【物語】
ソ連崩壊の少し前。タジキスタンとウズベキスタンの境近くの山岳地帯に二つの村があり、村人たちは頻繁にお互いの村を行き来し助け合いながら友好的に暮らしていた。上の村の気象観測所に長く駐在しているロシア人キリル・イワノビチは、遠く離れた家族のもとに戻りたがっているものの叶わずにいる。助手としてかわいがっている美しい村娘ニルファが下の村の青年に嫁ぐことになり宴の準備が進む中、二つの村の暮らしを一変させる出来事が起こる。村の人々のために奔走するキリル。やがて婚礼の日が訪れ、花嫁が下の村に向かう時間、正午がやってくるのだが……。
バフティヤル・フドイナザーロフ監督の助監督を務めてきたノシール・サイードフ監督の長編デビュー作品。ソビエト連邦解体後、初めてタジキスタンで製作された長編劇映画でもある。
【監督】
ノシール・サイードフ
【脚本】
サファール・ハクドドフ
【キャスト】
ユーリー・ナザーロフ
ナシバ・シャリポワ
ナスリディン・ヌリディノフ
ショーディー・ソレー
上映後のQ&A
左からノシール・サイードフ監督、ルスタムジョン・ジョニエフ(プロデューサー)
シャングリラ
FINDING SHANGRI-LA 這兒是香格里拉
アジア各国・地域制作作品
2008年/中国/107分
●2009 カイロ国際映画祭 スペシャルメンション(撮影)
【物語】
幼い一人息子を交通事故で失ったジー・リンは、長い間その現実を受け入れられずに苦しんでいた。罪を認めようとしない加害者に激しい憎しみを抱き、和解を勧める夫の態度にも強い不信を感じている。ある日、ジー・リンは亡き息子の部屋で一枚のメモを見つける。そこには昔、息子とよく2人で遊んでいた「宝探しごっこ」のヒントが書かれていた。手がかりを辿り、台北から雲南省の梅里雪山に向かったジー・リン。雄大な景色の中で出会った人々に導かれ、彼女の旅は意外な結末を迎える。
女性監督10人によって雲南省を舞台に映画を製作する「中国新電影・雲南影響」プロジェクトの作品。舞台演出家のティン監督は、本作で映画監督デビュー。
【監督・脚本】
ティン・ナイチョン(丁乃筝)
【キャスト】
チュウ・チーイン
ウー・チョンティエン(呉中天)
上映後のQ&A。ローラとチュウ・チーイン
チュウ・チーイン
キャプテン アブ・ラーイド
CAPTAIN ABU RAED
アジア各国・地域制作作品
2007年/ヨルダン/103分
●2007 ドバイ国際映画祭 主演男優賞
●2008 ダーバン国際映画祭 新人監督賞
●2008 シアトル国際映画祭 監督賞
●2008 サンダンス映画祭 ワールド・ドラマ・コンペ部門 観客賞
●2008 アカデミー賞外国語映画賞 ヨルダン代表 ほか
【物語】
アンマンの国際空港で清掃員として働くアブ・ラーイドは妻にも先立たれ、おだやかな老いの日々を過ごしていた。そんなある日、ゴミ箱からパイロットの帽子を拾って家に持ち帰ったことで彼の暮らしが少し変わる。アブ・ラーイドを本物の機長だと思い込んだ子供たちに本で読み知った外国の話をするようになり、決して豊かではない彼らの生活に関わるようになっていくのだった。子供たちの1人ムラードは、アブ・ラーイドがにせ機長だと主張し責める。しかしそのムラードは父親の暴力に人知れず苦しんでいた。アブ・ラーイドは美しい女性パイロット、ヌールと共に彼を救おうとする。
ヨルダンで生まれアメリカで育ったマタルカ監督の長編デビュー作品。
【監督・脚本】
アミン・マタルカ
【キャスト】
ナディム・サワルハ
ラナ・スルターン
フセイン・アッソース
ガンディー・サーベル
Q&Aにて。ラナ・スルターン
アイダ・マタルカ