もうこわくない! あせも・おむつかぶれ

すくすく子育て
2016年7月9日 放送

夏の暑い時期。ふと気づくと、子どもの首や、肘や膝の内側に「あせも」ができていたり、「おむつかぶれ」ができていたりすることがありますよね。
今回は「あせも」や「おむつかぶれ」の、「どうすれば、予防できるの?早く治せるの?」といった疑問にお答えします。

「すくすく子育て もうこわくない!あせも・おむつかぶれ」

専門家:
馬場直子(神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長)
菊地知子(お茶の水女子大学 いずみナーサリー 主任保育士)

今回のテーマについて

お子さんによって、「汗のかきやすさ」や「肌のかぶれやすさ」は、かなり個人差があります。
今回の話を参考に、お子さんにあった対策方法を探ってください。
(馬場直子さん)

排せつや汗をかくことは、基本的には気持ちのいいことです。
「あせも」や「おむつかぶれ」にならないようにと、注意深く生活するより、「そういったことを繰り返しながら大きくなっていく」と見通しを持って、明るく生活していってください。
「あせも」や「おむつかぶれ」は、必ず治ります。また、子どもは大人と違い、回復後は回復前よりも元気で丈夫になりますよ。
(菊地知子さん)


どうすれば「あせも」を繰り返さずに早く治せるの?

息子が皮膚科で「あせも」と診断されました。こまめにケアをするようにしていますが、少しよくなってはまた赤くなることを繰り返しています。子ども本人もかゆいようで、私やパパの服などに患部をこすりつけています。どうすれば「あせも」を繰り返さずに早く治せるのでしょうか。
(9か月の男の子をもつママとパパより)

ケアを続けつつ、環境を見直してみましょう。

回答:馬場直子さん

今回の場合は、「あせも」をきっかけに湿疹になっている状態です。下記の方法でケアしてみてください。
「あせも」は湿疹の軽いものと考えてかまいません。「あせも」と湿疹は同じケアの方法で大丈夫です。

ケアの方法
(1)汗を出来るだけ早く洗い流し、拭く
(2)炎症をおこしていれば、薬を塗る
※拭くときや薬を塗るときは、なるべくこすらないように注意しましょう。

<「あせも」を何度も繰り返す場合>
何度も繰り返す場合は、環境を見直す必要があるかもしれません。
下記のような点を、見直してみましょう。
・部屋の温度や湿度が高すぎないか
・衣類や寝具が暑過ぎないか
・風通しが悪くないか

「あせも」とは?

汗が出口付近で詰まったり、一度にたくさん出ようとして皮膚の中であふれ、肌がぶつぶつになった状態です。炎症を起こして赤くなると、かゆみや痛みを伴います。

<「あせも」の種類>

「白あせも」・・・一番軽い「あせも」で、放っておけば治ります。

「赤あせも」・・・かゆみを伴い、かくと広がります。

そして、ぶつぶつがつながって、湿疹になります。
※湿疹には様々な原因があり、「あせも」は原因の1つです。

<湿疹がひどくなった場合の症状>__

「とびひ」・・・湿疹になったところは、夏は特に細菌が感染しやすく、「とびひ」になることがあります。
※「とびひ」の原因は必ずしも「あせも」ではありません。

「あせものより」・・・「とびひ」からさらに細菌の感染が奥深くまで進んだ状態です。うみを持ち、熱が出ます。「あせも」がひどくなると、このようになることもあります。


「あせも」を防ぐにはどのような服装がいいの?

「あせも」を防ぐには、露出する部分を増やして涼しくしたほうがいいのか、袖のある服で「あせも」になりやすい部分を覆うほうがいいのか、どちらがいいのでしょうか。
また、着替えは常に持っていたほうがいいのでしょうか。
(4か月の女の子をもつママとパパより)

袖があるほうがオススメ

回答:馬場直子さん

ノースリーブよりも袖があるほうが、汗を吸い取りやすいためいいでしょう。
また、紫外線を防ぐという意味でも、袖があるほうがオススメです。

汗は衣服で吸い取り、こまめに体を拭いて着替えを

回答:菊地知子さん

ノースリーブは涼しいですが、体のことを考えると、衣服で汗を吸ったほうがいいです。
汗をかきやすいところは、衣服で覆いましょう。

汗をかかないように頑張るというよりは、汗を長時間皮膚に付着させないために、きれいに拭いてあげることが大切です。
汗をかいたら体を濡れタオルで拭き、汗をひかせてあげましょう。濡れたタオルで拭くことで、皮膚が清潔になり、汗の通りがよくなります。乾いたタオルでは、刺激になってしまいます。拭くときは、ゴシゴシ拭かないように注意してください。
そして、汗を拭いたら着替えさせてあげましょう。保育園では、1日に2~3回着替えます。

暑いときはたっぷり水遊びをさせてあげることもオススメです。

月齢の小さい乳幼児の場合
月齢の小さい乳幼児の場合は、むやみやたらに汗をかかせないほうがいいです。屋外などの、すぐに汗をひかせてあげられない環境に長くいることは、控えてもいいかもしれません。
屋外に出る場合には、木陰で涼んだりして、汗をかかせ過ぎないようにしましょう。

保育施設「いずみナーサリー」での「あせも」対策の様子

「いずみナーサリー」では、汗をかくことも子どもの成長にはかかせないと考えています。
大切なのは、汗をかいた後にどのようにケアするかです。

<ある日のケアの様子>

5月の汗ばむ陽気の日、まずは午前中にお散歩です。
子どもたちの服装は、袖があり、汗を吸い取りやすい素材が基本です。

お散歩から戻ったら手を洗い、子どもたちの全身の汗を、濡れタオルで拭きます。
このとき、出来るだけこすらないように注意します。

そして、新しい服に着替え、昼食をとります。

昼食の後はお昼寝。
寝入りはじめのころ、子どもは汗をかきやすいです。
寝汗をたくさんかく子には、首や背中にガーゼなどを入れ、汗をかいたらガーゼを抜くという方法も、オススメです。


「おむつかぶれ」はどうすれば防げるの?

娘が生後3か月のころ、ひどい下痢が続き、気づいたときにはお尻が真っ赤になっていました。
下痢が続いていたので、お尻を「拭かなきゃ拭かなきゃ」という思いで、お尻拭きをいっぱい使って拭いていました。最初はひどくなっていることに気づかず、気づいたときには手遅れの状態でした。
おしっこやうんちをするとしみて泣き、寝るときも下痢の症状が出てしまい、5分間隔で泣いて起きてしまっていました。本当にかわいそうでしたし、自分自身も夜泣きが続いたことで近所へのご迷惑も考え、パニックになってしまいました。
10日間ほどお尻が痛くて泣いており、完治するには1ヶ月以上かかりました。
どうすれば「おむつかぶれ」は防げたのでしょうか。
(11か月の女の子をもつママより)

お尻は洗い流すのが基本

回答:菊地知子さん

基本的には、お尻は拭くのではなく、おしっこやうんちをシャワーで洗い流してあげることが一番いいです。
毎回シャワーを使うことが家庭では難しい場合、霧吹きを用意しておき、拭くというよりは洗い流してあげるといいと思います。

また、おむつを頻繁に替えてあげることが大切です。お尻を清潔に保つということが一番です。
清潔にした上で、お尻が乾いている状態を作ってあげましょう。
おしっこをしていなくても、お尻全体が汗をかいていることもあります。替える必要がなくても、おむつをずっとはかせっぱなしにはしないで、「汗かいちゃっているね」と一度脱がせてあげましょう。
一度おむつを履き直したり、もったいないとは思うけれども、新しいおむつに替えてあげるなど、毎日丁寧にやっていくことが大切です。

「おむつかぶれ」の完治には長く時間がかかってしまうかもしれませんが、ママは「必ず治る」と思いましょう。そして、「一緒に治していこうね」という気持ちで、必要なケアを続けながら子どもに寄り添ってあげることが大切です。

お尻はきれいにしたら乾かす

回答:馬場直子さん

<「おむつかぶれ」の予防方法>
まず、おむつをこまめに外してください。
そして、お尻をこすらないように水で洗い流し、すぐにはおむつをつけず、しばらく乾かしましょう。
乾かすときは、うちわであおいだり、足を動かしてあげたりすることがオススメです。

<「おむつかぶれ」の原因>
おむつの中は高温多湿で蒸れやすいです。皮膚は蒸れると、表面の角層部分がふやけて弱くなってしまいます。
弱っている部分に、拭いたりこすったりという「物理的な刺激」や、おしっこやうんちの「科学的な刺激」が加わってしまうと、炎症を起こしやすくなります。


睡眠と「おむつかぶれ」のケア、どちらを優先したらいい?

夜間おむつを替えると起きてしまうので、回数を減らしたらお尻が赤くかぶれてしまいました。
おしっこが出たときは毎回おむつを替えないと、「おむつかぶれ」は予防できませんか?
(6か月の女の子をもつママより)

まず睡眠を大切に

回答:菊地知子さん

眠ることも大事です。そのため、起こしてまでおむつを替えなくても大丈夫です。

肌を保湿し、守りましょう

回答:馬場直子さん

蒸れないことも大事ですが、予防のためには保湿も大切です。
バリア機能を補強してあげると、かぶれにくくなり、予防になります。
子どもの肌はバリア機能が弱いです。バリア機能は鍛えるものではなく、守ってあげることが大切です。ワセリンや保湿剤などで補強し、トラブルを起こしにくい肌にしましょう。


すくすくポイント
10年前のおむつと比べて実験! 紙おむつの進化を紹介

紙おむつが注目され始めたのは1970年代後半です。おむつカバーがいらない紙おむつが発売されたことがきっかけでした。
その後紙おむつは、「おむつかぶれ」との闘いの中で開発されていきます。
今回は、紙おむつを開発してきた研究所で、「10年前の紙おむつ」と「現在の紙おむつ」を比較し、紙おむつの進化について紹介します。

こちらの研究所では、「おむつかぶれ」対策を下記の3つのターゲットに絞って開発してきました。
(1)おしっこをしっかり吸収すること
(2)蒸れないようにすること
(3)うんちやおしっこを広げないこと

実験1:吸収力の比較

「10年前の紙おむつ」(向かって右)と「現在の紙おむつ」(向かって左)に、同じ量の水を入れ、同時に倒します。すると、10年前のおむつは水が漏れ出ました。今より吸収スピードが遅かったということです。

実験2:蒸れ具合の比較

現在の紙おむつの一番外側に使われているシートで実験。
まず、実験器具を用いてこのシートにたくさんの水を注ぎます。すると、水は全く漏れません。
次に、シートの下から空気を送り込みます。すると、小さな泡がたくさん出てきます。
つまり、このシートは水は通さないけれど空気は通し、昔より通気性が格段に進んでいるということです。

実験3:広がり具合の比較

「10年前の紙おむつ」と「現在の紙おむつ」に、赤ちゃんのうんちに見立てた液体を落とし、ローラーでのばします。
2つのおむつでは広がりの差が、大きく違います。広がりも、現在のほうがおさえられているということです。

上記3つの実験からわかるように紙おむつは進化していますが、やはり長時間おむつをつけていると赤ちゃんの肌は蒸れてしまいます。より肌にやさしいおむつを開発しようと、現在も開発はすすめられています。

紙おむつ開発が目指した「蒸れない」「広げない」は、おむつかぶれ予防の基本でもあります。
おうちのケアでも心がけたいですね。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです