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研究内容紹介

6.3.1 多分割駆動ディスプレー

 有機EL(Electroluminescence)ディスプレーによる高画質なスーパーハイビジョンフルスペック表示の実現を目指した研究を進めている。特に動画の画質を向上させるため、高フレームレート化を期待できるディスプレーの分割駆動技術の研究に着手した。2014年度は、多分割駆動を実現するためのパネル構造を検討するとともに、新たな有機ELディスプレーの駆動方式を提案し、その性能をシミュレーション実験により評価した。
 有機ELディスプレーを複数の領域に分けて分割駆動するために、引き出し電極の構成を新たに考案し、電極形成に関わる要素技術開発を進めた。また、ホールド型表示方式で課題となる動きぼやけの改善を目的に、部分的にパネルの発光時間アパーチャー制御を行う駆動方式を提案し、動画の画質の改善効果を確認するとともに、瞬時輝度上昇による寿命劣化を抑制できる見込みを得た(1)。さらに、本方式の制御境界部で発生する画質妨害の要因を解析し、段階的に緩衝領域を挿入することにより大幅な改善効果が得られることを確認した(2)


〔参考文献〕
(1) T. Usui, H. Sato, Y. Takano, T. Yamamoto and K. Ishii:“A Method of Image Quality Evaluation for Adaptive Temporal Aperture Control with Hold-Type Displays,” Proceedings of the 21st International Display Workshops(IDW’14), VHF3-2, pp.980-983(2014).
(2) 薄井,佐藤,高野,山本,石井:“有機ELディスプレイのアパーチャー制御駆動における画質改善手法の検討,” 映情学技報,Vol. 39, No. 2, pp.71-74(2015).