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研究内容紹介

人にやさしい放送技術

概要

障害のある方や外国人を含むあらゆる視聴者に、情報を迅速かつ正確に伝える「人にやさしい」放送の拡充のため、放送内容に関連するデータを自動変換し、利用者ごとに最適な手段で情報を提供する技術の研究開発を進めている。
 情報提示技術の研究では、スポーツ情報の手話CG生成技術の研究に着手し、試合中に配信される競技データを用いて、競技状況やルールなどの手話CGを自動生成するシステムの開発を進め、スポーツ番組において手話CGを局内に配信する実験を実施した。また、スポーツニュースの任意文から手話CGへの自動翻訳の研究を開始し、構文構造が複雑なスポーツニュースに対応するため、手話の構文構造を解析するシステムを試作した。
 映像に含まれる動きの情報を、人の皮膚を介して伝える触覚提示技術の研究は、音声情報による伝達が難しい、動きの速いスポーツコンテンツを対象として研究を開始した。振動・摺動・加速度の3種類の刺激を用いた情報提示について基礎的な検討を進め、刺激の知覚と弁別に関する知見を得た。
 取材映像を書き起こす音声認識技術の研究では、ディープニューラルネットワーク(DNN)を導入して、入力音声と文字を直接対応させるEnd-to-end音声認識の開発を進めた。音声認識結果を効率よく修正できるインターフェースも開発し、報道現場にシステムを公開して評価実験を進めた。
 音声ガイド技術の研究では、外部から配信される競技データを解析して、選手名や得点経過などの競技状況を説明するロボット実況の自動生成システムを開発し、NHKオンラインの特設サイトおよびハイブリッドキャストによるサービスを実施した。また、放送番組への音声合成技術の本格利用に向けて、ニュース読み上げのためのDNNによる音声合成技術の検討を開始した。
 言語処理技術の研究では、日本在住の外国人を対象とした読解支援情報付きニュースの研究に取り組むとともに、外国語コンテンツ制作の効率化を目指した機械翻訳の研究に着手した。読解支援情報付きニュースの研究では、難しい表現に対するやさしい日本語の解説や辞書情報、漢字のふりがななどを自動付与し、情報の誤りを人手で修正できるインターフェースを開発した。機械翻訳の研究では、国際放送のスペイン語字幕制作の支援のため、英語−スペイン語の対訳データを整備し、局内で利用できる翻訳システムを整備した。
 映像認知解析の研究では、8Kスーパーハイビジョンの広視野視聴環境に適した映像の大きさや動きなどの特徴を調べた。風景・人物・物体などの8K映像を対象に、主な被写体と思われる領域や映像全体の印象などを調べた結果、好ましいと感じる映像の大きさは主要な被写体の実世界での大きさや「力強さ」「広がり」など映像の印象と強く相関することを確認した。また、映像の動揺によって感じることのある不快感について心理実験を行い、動揺領域や視野角による影響を明らかにした。