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研究内容紹介

人にやさしい放送技術

概要

 放送・サービスをすべての人が楽しめるよう、耳や目に障害のある方や、外国人を含むすべての視聴者が、聞きやすく、見やすく、分かりやすい「人にやさしい」放送のための技術の研究開発を進めている。
 人にやさしい情報提示技術の研究では、顔表情を含めた気象情報手話CG翻訳技術の研究を進め、気象庁配信の天気予報データから手話CGを自動生成するシステムを開発し、心理実験で十分に理解可能であることを実証した。また、CGキャラクターの口の動きの表現を改善する技術と、CGキャラクターの不自然な動きを手動で修正する技術を開発した。画像や立体物の情報を伝える触力覚提示技術の研究では、親指と人差し指の2本の指に対して物体の形状や硬さを触力覚刺激により提示する装置を開発し、さらに、地図やグラフなど2次元情報を提示する触覚提示装置の主観評価実験を進めた。
 字幕制作のための音声認識技術の研究では、背景雑音や不明瞭な発音を含む音声を認識するための処理と発音辞書を改善した。また、従来よりも人手をかけずに字幕を付与するアルゴリズムを改良し、実用システムとして地域拠点局に導入された。さらに、大規模災害時の報道番組に音声認識による字幕を付与するため、災害関連情報を効率よく収集して音声認識用言語モデルを更新する装置を開発し、ニュース字幕制作システムで運用が開始された。
 多様な表現を可能にする音声合成・加工技術の研究では、これまで研究開発を進めてきた音声合成を利用した「気象通報」の自動放送が試行された。また、合成音の品質を高めるための音声合成システムの枠組みを構築するとともに、音声合成の統計モデル学習用のデータを整備した。音声加工の研究では、感情音声と平静音声の音響的特徴量の差分を用いて平静な音声に感情表現を付与する手法の改善を進めた。また、背景音抑圧技術の研究では、高齢者に聞き取りやすい音声に変換する話速変換、背景音抑圧、音声強調の3つの機能を最適化し、PCやスマートフォン用に汎用性のあるライブラリーを開発した。
 日本語変換・分析支援技術の研究では、国内に住む外国人のためにニュースの「やさしい日本語」変換支援技術の研究を進めた。やさしい日本語に書き換えるパターン生成時に、書き換えられにくい単語を考慮し、さらには書き換えパターンの汎用性を高める手法を開発し、評価実験を進めた。また、評判分析技術の研究では、番組に寄せられる多数の意見文を意味の近さでまとめる手法を開発した。さらに、番組「データなび」において、ツイート分析システムを開発し、番組制作に寄与した。
 映像認知解析の研究では、8Kスーパーハイビジョンの広視野視聴環境に適した映像の特徴を探る研究を進めた。さまざまな映像を対象にして、画面上に表示される際の好まれる被写体の大きさを心理実験により測定し、広視野での視聴に適した映像の特徴に関する基礎的な知見を得た。また、映像中の動きに対する認知特性を明らかにし、動きの大きな映像で感じることのある不快感の程度を推定する技術の研究を進めた。