ホーム 研究内容 ニュース 刊行物 アクセス

研究内容紹介

4.4 ワイヤレスカメラ

 スーパーハイビジョン映像を無線伝送するワイヤレスカメラの研究では、2020年の実用化へ向けて、送受信装置の開発を進めた。
 125MHzの広いチャンネル帯域幅を利用可能な42GHz帯の電波を用い、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式と比べてピーク電力が低く電力増幅器の高出力化が期待できるSC-FDE(Single Carrier-Frequency Domain Equalization)方式の検討を進めた。2017年度は、実際の運用に即して受信ダイバーシティー(SIMO: Single-Input Multiple-Output)に対応した伝送容量200Mbps級の変復調器を試作した。スタジオの環境を模擬した実験を行い、OFDM方式よりもSC-FDE方式の方が最大伝送距離を長くできることを示した(図4-5)(1)。さらに、SC-FDE方式の性能改善に向けた方式検討(2)や伝送容量400Mbps級に向けた2×2 MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)化(3)、OFDM方式による4×4 MIMOに関する検討も進めた。
 ワイヤレスカメラの送受信基地局までのIF(Intermediate Frequency)信号をイーサーネットで伝送する、イーサーネットIF伝送システムについても開発を進めた(4)。IF信号を送るパケットの送受信時刻を用いて、パケットの送信装置と受信装置のクロックを高精度に同期させることで、44dBの等価CN比(搬送波電力対雑音電力比)の性能を実現し、1024QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等の超多値変調を用いるマイクロ波帯FPU(Field Pick-up Unit)などへも適用可能となった。イーサーネットを用いることでIF信号を束ねて伝送できるため、10Gbpsのイーサーネット1本でマイクロ波帯FPUのIF信号を5本分伝送できる見込みを得た。



図4-5 電力増幅器の出力電力と最大伝送距離の関係

 

〔参考文献〕
(1) 松崎,山岸,伊藤,鴨田,今村,濱住:“200Mbps級42GHz帯ワイヤレスカメラシステムに向けたSC-FDE方式とOFDM方式の比較実験,” 信学総大,B-5-93(2018)
(2) 山岸,松崎,伊藤,鴨田,今村,濱住:“SC-FDE方式におけるパイロット信号のブースト比の検討,” 信学総大,B-5-94(2018)
(3) Y. Matsusaki, H. Kamoda, K. Imamura and H. Hamazumi:“Millimeter-wave 2×2 MIMO SC-FDE for an 8K Wireless Camera,” 2018 IEEE Radio & Wireless Week(RWW 2018),MO3A-4(2018)
(4) 青木,今村,濱住:“ミリ波ワイヤレスカメラ用イーサネットIF伝送システムの基礎検討,” 映情学年次大,32E-4(2017)