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研究内容紹介

8Kスーパーハイビジョン

概要

 8Kスーパーハイビジョン(SHV)の実用放送開始と本格普及、さらにその先へ向けて、映像方式、撮像、表示、記録、音響、符号化、メディアトランスポート、コンテンツ保護、伝送等の研究を進めている。
 映像方式は、HDR(High Dynamic Range)とSDR(Standard Dynamic Range)の一体化制作のためのシステム開発や8K HDRライブ制作の実証実験を行った。
 撮像は、ITU-R勧告BT.2100に準拠し、フレーム周波数120Hz、8Kフル解像度、階調12ビット、HDRに対応したフルスペックSHVカメラを開発した。また、1億3,300万画素撮像素子を用いたフル解像度単板カラーカメラを開発し、インターライン方式にて120Hz駆動を実現した。イメージセンサーも、1.25インチ光学系で、画素数3,300万、フレーム周波数240Hz、階調14ビットのフルスペック8Kイメージセンサーを設計した。
 表示は、9.6型ディスプレーの表示部を分離して小型化を進めた他、プロジェクターについてもレーザー光源の高輝度化と低干渉化により、明るさを約2倍、スペックルコントラストを約半分として高画質化を進めた。シート型ディスプレーについては、4K有機EL薄型パネルを4枚組み合わせて130型大画面ディスプレーを構成し、将来イメージを技研公開2016などで展示した。
 記録は、メモリーパックの小型化および圧縮記録装置の機能拡張を進めた他、SHVでの高速度撮影に対応した8K 240Hz 4:2:0のリアルタイム圧縮での記録を実現した。
 音響は、番組音声の一体化制作を目的に、22.2ch音声信号から2ch音声信号、5.1ch音声信号を信号処理で高品質に生成する、適応ダウンミックス手法を開発した。また、次世代地上放送での22.2ch音響実現を視野に、MPEG-H 3D Audio のソフトウェアベースのコーデックを開発した。再生技術では、ディスプレー一体型のラインアレースピーカーを用いたトランスオーラル再生法の研究を進めた。
 映像符号化は、HEVC方式での8K/120Hz映像の符号化所要ビットレートの検討を進め、コーデック開発に着手した。さらに、次世代地上放送を視野に次世代符号化方式の要素技術を開発し、イントラ予測の改善手法を国際標準化会議に提案した。
 メディアトランスポート技術は、MMT技術を応用した8KコンテンツのIP配信技術および複数コンテンツの同期提示技術の検討を進めた他、次世代地上放送用のIPパケット多重化方式と、SFN実現のためのSTL/TTL区間でのIP伝送方式の研究を進めた。
 コンテンツの権利保護とアクセス制御については、第2世代の新CAS(Conditional Access System)の標準化に寄与し、ARIB技術資料(TR-B39)を改定し共用受信機の規定を追加した。
 衛星放送伝送技術は、ISDB-S3(高度広帯域衛星伝送方式)をITU-Rの新勧告とする対応を行った。また、12GHz帯衛星放送のさらなる大容量化・伝送性能改善に向けて、多値符号化変調や非線形歪み軽減技術に取り組んだ他、新たな衛星伝送路である21GHz帯衛星放送システムについて、アレー給電鏡面修整反射鏡アンテナや12GHz帯との共用受信アンテナの研究を進めた。
 地上放送伝送技術は、固定向けサービスと移動体向けサービスを1つに多重する階層伝送方式に対応した変復調装置を試作した。リオ五輪では、60HzのHEVCリアルタイムコーデックを用いて世界初となる地上波でのリアルタイム8K伝送デモをブラジル・リオデジャネイロと東京で同時実施した。
 素材伝送技術は、SHVでの緊急報道やスポーツ中継などのライブ放送をめざし、6/6.4/7/10/10.5/13GHz帯(マイクロ波帯)および42/55GHz帯(ミリ波帯)での、無線伝送装置であるFPU(Field Pick-Up Unit)の研究開発と標準化活動を進めた。加えて、ロードレース中継などのSHV移動中継の実現に向け、1.2/2.3GHz帯にて双方向で適応制御する方式と、変動する伝送路の品質に応じて誤り訂正符号の符号化率を適応的に制御して信頼性を向上するレートマッチング方式の研究を進めた。
 有線伝送技術は、IP技術を用いた番組制作・素材伝送システムの開発に向けた映像同期技術、機器制御技術の検討を進めた。CATVでのSHV伝送用に開発した「複数搬送波伝送方式」について、商用CATV伝送路での実証実験や小型受信装置の開発とともに、将来の大容量伝送技術としてベースバンド方式の検討を進めた。