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研究内容紹介

1.4 記録システム

 フルスペック8Kスーパーハイビジョン記録機器の実現を目指して、圧縮記録装置および周辺機器の開発を進めている。2017年度は、圧縮記録装置への動画圧縮(ProRes)機能の追加および小型メモリーパックの記録再生速度の改善、記録されたコンテンツのPCでのリアルタイムプレビュー装置の開発を進めた(1)
 圧縮記録装置に関しては、収録コンテンツを汎用の編集ソフトにファイルで入出力し直接編集ができるよう、試作した圧縮記録装置(1)に動画を圧縮できる機能を実装した。8K解像度で15Hzの処理が可能なProRes圧縮IPコアを1つのFPGAに3個実装してパイプライン処理することで、40Hz以上のリアルタイム圧縮処理を可能にした。これを圧縮信号処理基板の3個のFPGAに実装し、120Hzでの圧縮を実現した。また、2Kのプロキシ映像も同時に処理できるよう、IP内部で2K画像と8K画像を高速で切り替える回路を内蔵した。2016年度に実装した復号IPコアと新規に開発した圧縮IPコアにより、120Hzでの8Kと2Kプロキシの同時収録と8K再生を実現した。さらに、中継車等でのオペレーションを可能とするため、汎用のリモートコントローラでの制御に対応した(図1-5)。
 小型メモリーパックに関しては、2016年度に開発したNVMeインターフェースの高速化と2スロット化への対応を行った。NVMeインターフェースを持つ小型メモリーパックでデバイス性能を最大限引き出すには、ホストインターフェースの複数コマンドの同時発行と転送データブロックサイズの拡大が必要であることが分かった。そこで、これらに対応できるようホストインターフェースを改修し、圧縮記録装置において20Gbps以上の記録速度を達成した。また、小型メモリーパックの2スロット化を行い、2016年度に試作した記録装置の2倍の長時間記録に対応した。小型メモリーパック対応のバックアップソフトも開発し、RAWデータ形式や、動画形式でのバックアップを可能にした。
 圧縮記録装置での収録素材をPCで簡単にプレビューできるよう、8K ProResリアルタイムプレビューボードを開発した。圧縮記録装置に実装した復号IPコアは、メモリーバンド幅を確保すれば8K60Hzで動作可能なため、FPGA評価ボードへ復号IPコアを実装するとともに、PC用のドライバーを開発した。これらをPCにインストールして収録映像のリアルタイムプレビューを実現した(図1-6)。



図1-5 圧縮記録装置と小型メモリーパック


図1-6 PCプレビュー装置

 

〔参考文献〕
(1) 梶山,菊地,小倉,宮下,鉄地川原,渡瀬,長井,高島:“フルスペック8Kスーパーハイビジョン圧縮記録装置の開発,” 映情学誌,Vol. 72, No. 1, pp. J41-J46(2018)