No.173 2019年1月発行

スポーツ映像表現技術 特集号

※PDFで公開しています。

巻頭言

  • スポーツ情報処理と映像表現への期待
    早稲田大学基幹理工学部 教授 渡辺 裕
    PDF

解説

  • スポーツ映像表現技術の研究開発動向
    三ッ峰秀樹
    PDF ↓概要

    概要
    当所では,スポーツ中継において通常の撮影映像だけでは把握しにくい状況を,分かりやすく効果的に伝えられる映像表現技術の研究開発を進めている。近年,スポーツを対象とした情報処理技術は市場の拡大とともに急速に発展してきており,スポーツ中継向けの映像表現技術に関しても同様の状況と言える。本稿では,スポーツ中継における映像表現技術の課題を述べるとともに,近年のスポーツ映像表現技術の研究開発動向について解説する。
  • オブジェクト追跡技術の進展に伴うスポーツ番組制作の高度化
    高橋正樹
    PDF ↓概要

    概要
    2020年に向けて,スポーツ競技の分析を目的とした映像解析技術へのニーズが高まっている。分析結果はスポーツのさまざまな局面で活用されるが,特にスポーツ番組制作においては,競技への理解や興味を深める新たな映像表現への活用が期待されている。スポーツ番組では,選手やボールに視聴者の関心が集まるが,カメラ映像からそれらのオブジェクト(対象物)を検出・追跡することで,その動きを分かりやすく可視化することができる。映像からオブジェクトを検出・追跡する技術は古くから研究されており,近年ではその技術が公式試合の審判にも利用されている。当所でも,従来からオブジェクト追跡技術の研究を推進しており,独自に開発したシステムを随時スポーツ番組に活用してきた。本稿では,映像解析によるオブジェクト追跡技術の進展について解説するとともに,スポーツ番組への応用事例を紹介する。

報告

  • 多視点ロボットカメラシステム
    池谷健佑  三科智之
    PDF ↓概要

    要約
    本研究の目的は,3次元空間をダイナミックに移動する被写体や3次元空間内に広く点在する被写体の多視点映像を,パンフォローおよびズームして撮影し,「タイムスライス」と呼ばれる映像表現(撮影映像をカメラの並びの順番に切り替えることで,視点が被写体の周囲を回り込む映像表現)を実現することである。この映像表現をスポーツ中継のリプレーで利用するためには,放送現場でのシステムの事前準備が短時間で完了するとともに,準リアルタイムでタイムスライス(「bullet time」とも呼ぶ)を生成する必要がある。この目的を達成するために「多視点ロボットカメラシステム」を開発した。本システムでは,複数台のロボットカメラを,1人のカメラマンの操作によって3次元空間内の特定の被写体に向けて一斉に方向制御し,多視点映像を撮影する。そして,撮影映像を計算機に取り込み,射影変換を用いてカメラを仮想的に被写体へ再方向制御することで,カメラマンの操作ミスやロボットカメラの機械的な制御誤差により生じた方向制御エラーを補正し,タイムスライスを準リアルタイムで生成する。我々は,このタイムスライスを「ぐるっとビジョン」と呼んでいる。バレーボール,体操,バスケットボール,柔道といったスポーツシーンを対象とした撮影実験,およびフィギュアスケートの中継における番組利用を通じて,提案手法の有効性を確認した。
  • フェンシングの剣先表示システム(ソードトレーサー)
    高橋正樹  横澤真介  三ッ峰秀樹
    PDF ↓概要

    要約
    2020年を見据えて,スポーツ競技の分析や理解に対するニーズが高まっている。中でもフェンシングは,剣が高速で移動するため,スロー映像でもプレーの詳細を理解することが困難な競技である。そこで,赤外映像中から剣先領域を自動追跡し,その移動軌跡をCG(Computer Graphics)でリアルタイムに描画するシステム(ソードトレーサー)を開発した。赤外画像と可視画像を同じ光軸で撮影可能なカメラを開発し,赤外画像上の剣先領域を機械学習により追跡して軌跡を描画した。2017年全日本フェンシング選手権大会において,本システムを初めて運用し,放送に使用した。本稿では,本システムの概要,評価実験の結果,および中継での実運用の結果について報告する。
  • 3次元飛翔軌道方程式に基づくゴルフ軌跡表示システムの開発
    三ッ峰秀樹  加藤大一郎
    PDF ↓概要

    要約
    ゴルフ競技におけるティーショットなどの打球は,被写体であるボールが小さい上に,高速で動くため,ギャラリーには見えていてもテレビ越しの視聴者には視認しにくい。そのため,テレビ中継では撮影映像にCG(Computer Graphics)で描画した打球の軌跡を合成するなどの演出が行われる。軌跡の可視化には打球の3次元位置情報が必要となるが,従来のレーダーや画像解析を用いた手法では,電波干渉による精度の低下や複数ホールでの利用制限,高コストなどの課題がある。今回,ステレオカメラを利用し,3次元飛翔軌道方程式に基づいて軌道を予測する手法を開発し,これらの課題の解決を図った。本稿では,その詳細と試作システムによるフィールド実験の結果を報告する。

研究所の動き

  • スポーツニュースをより多くの人に 日本語からの手話CG制作技術 PDF

  • 地上波でもスーパーハイビジョン放送を 地上放送高度化技術 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

発明と考案

  • 2018年1月〜2018年6月 PDF

研究会・年次大会等発表一覧

  • 2018年8月〜2018年10月 PDF