No.165 2017年9月発行

スーパーハイビジョン用無線素材伝送技術 特集号

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巻頭言

  • スーパーハイビジョン用無線素材伝送技術への期待
    東京理科大学 教授 伊丹 誠
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解説

  • スーパーハイビジョン用FPUの研究開発と標準化
    濱住啓之
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    概要
    ハイビジョンを大きく超える臨場感を伝えることができるスーパーハイビジョン(4K・8K)の2020年の本格普及を目指して,放送設備の研究開発が進められている。本格普及には中継番組の充実が必須であり,従来からニュース取材や中継番組制作に用いられている可搬型の無線伝送装置(FPU:Field Pick-up Unit)についても,4K・8K化が求められている。このため当所では,4K・8Kの素材伝送にも対応できる次世代のFPUの研究開発を進めている。特に8K用FPUの実現に向けた研究開発は世界的に見ても類がなく,当所の研究が先行している。FPUに利用できる電波の周波数帯は,マイクロ波帯,ミリ波帯,1.2GHz / 2.3GHz帯の3通りがあり,電波の性質に応じた使い分けがなされている。本稿では,従来のハイビジョン(2K)用FPUとその標準規格を紹介するとともに,スーパーハイビジョン用FPUの実現に向けた研究開発と標準化の動向を解説する。

報告

  • マイクロ波帯スーパーハイビジョンFPUの開発
    鴨田浩和  村瀬健治  居相直彦  濱住啓之  澁谷一彦
    PDF ↓概要

    要約
    放送衛星によるスーパーハイビジョン(4K・8K)の本放送開始が2018年に予定されており,報道や番組制作に用いる番組素材伝送用の可搬型無線伝送装置(FPU:Field Pick-up Unit)についても4K・8K化が求められている。我々は,従来のハイビジョン用FPUのうち,主に固定伝送に使用しているマイクロ波帯(6 – 7GHz帯)FPUを高度化し,伝送容量を拡大して,4K・8Kに対応したFPUを開発した。この4K・8K FPUでは,水平偏波と垂直偏波を用いる偏波MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)技術,超多値OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)技術等を導入して,従来のチャンネル帯域幅(18MHz)を維持しながら周波数利用効率を向上させ,伝送容量を200Mbps級に拡大した。このFPUを開発する途上で試作した基礎実験装置を用いて野外伝送実験を行い,8K番組素材を50km以上伝送できることを実証した。
  • ミリ波帯4K・8K-FPUの開発
    津持 純  松崎敬文  伊藤史人  鴨田浩和  今村浩一郎  濱住啓之
    PDF ↓概要

    要約
    2016年8月からスーパーハイビジョン(4K・8K)の試験放送が開始され,今後,4K・8Kの番組を一層充実させていくことが求められている。現行のハイビジョン(2K)のニュース取材や中継番組制作における番組素材は,可搬型無線伝送装置(FPU:Field Pick-up Unit)を用いて放送局まで伝送されており,4K・8Kにおいても番組素材を伝送できるFPUが必須となる。4K・8Kの番組素材を伝送するためにはFPUの伝送容量の拡大が必要となるため,今回,広い帯域幅が利用できるミリ波帯を用いて,最大600Mbpsの信号を伝送できるミリ波帯4K・8K-FPUを開発した。伝送実験により,開発したFPUの伝送特性を検証するとともに,8K番組素材を無線伝送できることを確認した。
  • 120GHz帯スーパーハイビジョンFPUの開発
    津持 純  岡部 聡  杉之下文康
    PDF ↓概要

    要約
    次世代の放送サービスとして開発が進められている8Kスーパーハイビジョンの番組制作に対応するため,8Kに対応したFPU(Field Pick-up Unit)の開発を進めている。従来のハイビジョン(2K)より大容量のデータを無線で伝送するために,広い周波数帯域幅が利用できる120GHz帯に着目し,2対向の無線機でデュアルグリーン方式の8K信号を非圧縮伝送する120GHz帯FPUを開発した。伝送実験によって120GHz帯FPUの伝送特性を明らかにするとともに,8Kの番組制作の現場において本FPUにより8K信号を安定して無線伝送できることを実証した。
  • 移動中継用1.2GHz/2.3GHz帯スーパーハイビジョンFPUの実現に向けた無線伝送技術
    光山和彦  伊藤史人  鵜澤史貴  居相直彦
    PDF ↓概要

    要約
    スーパーハイビジョン(4K・8K)の映像素材を移動しながら無線伝送することができる次世代の1.2GHz/2.3GHz帯FPU(Field Pick-up Unit)の研究開発を進めている。従来型のFPUシステムは,単方向通信で伝送レートは一定であり,中継コースの大部分が良好な伝搬路であっても,一部の厳しい伝搬路で伝送が途切れないように,十分な伝送マージンを確保して運用する必要がある。この伝送マージンの確保が,伝送レート拡大に向けた課題となっていた。そこで,FPUに双方向通信機能を導入し,伝搬路状況に応じて送信パラメーターを適応的に制御する高効率な無線伝送システムの研究開発を進めた。本稿では,送受信ビームを制御するSVD(Singular Value Decomposition)-MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)方式や,誤り訂正の符号化率を適応的に変更するレートマッチング技術のFPUシステムへの適用について述べる。さらに,スーパーハイビジョンFPUで想定される伝搬環境において提案システムを用いた場合の伝送特性を,計算機シミュレーションで評価した結果について述べる。

研究所の動き

  • スーパーハイビジョンの番組制作に適したLED照明の演色性 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

発明と考案

  • 2017年5月〜2017年6月 PDF

研究会・年次大会等発表一覧

  • 2017年5月〜 2017年6月 PDF