No.162 2017年3月発行

フルスペック8Kスーパーハイビジョン映像技術 特集号

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巻頭言

  • 表示技術の目指すところは?
    ~フルスペック8Kスーパーハイビジョン映像技術特集号に寄せて~
    東海大学工学部 教授 面谷 信
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解説

  • HDR-TVの映像方式とITU-Rにおける標準化動向
    日下部 裕一
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    概要
    放送衛星を用いた4K・8K試験放送「NHKスーパーハイビジョン」が2016年8月1日から開始された。試験放送では,一部の番組がHDR(High Dynamic Range:高ダイナミックレンジ)で放送されている。HDRは,広いダイナミックレンジ(明暗の幅)を持つ映像を撮影し,表示装置上に再現することで,これまでのテレビでは表現の難しかった明暗の差が大きいシーン(日陰とひなたの同時再現)や,鏡面反射・光沢感等のハイライトの再現を可能とし,高解像度や広色域と相まって視聴者により高い臨場感を提供する。HDR-TV(高ダイナミックレンジテレビ)の映像方式としては,ITU-R勧告BT.2100にHLG(Hybrid Log-Gamma)とPQ(Perceptual Quantization)の2つの方式が規定されており,これに基づいてHDR放送のための国内放送方式が策定されている。本稿では,HDR-TVの2つの映像方式について,その特徴やコンセプトを述べるとともに,ITU-RにおけるHDR-TVの標準化動向について解説する。

報告

  • 広色域ディスプレーの色域包含率計算基準
    正岡 顕一郎
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    概要
    超高精細度テレビジョン(UHDTV:Ultra-high Definition Television)では,スペクトル軌跡上に三原色の色度が位置する広色域表色系がITU-R勧告BT.2020(Rec. 2020)に規定されている。現在,UHDTVディスプレーが再現できる色の範囲はさまざまであり,ディスプレーの色域サイズを表す何らかの計算基準が必要となっている。現在,実践的には,CIE(International Commission on Illumination:国際照明委員会)1931 xy色度図とCIE 1976 u′v′色度図において,ディスプレーのRGB三原色の色度を結んだ三角形の面積比あるいは面積包含率で色域サイズが表されているが,その2つの色度図で算出される値が異なるという問題がある。一方,色彩科学の分野では,色域は2次元の色度図でなく知覚的に均等な3次元の色空間で立体的に定義されるが,ディスプレーの色域の形状は複雑で体積の算出は容易ではない。本稿では,xy色度図におけるRec. 2020面積包含率が3次元色空間におけるRec. 2020体積包含率と非常に高い相関を持ち,広色域ディスプレーの色域サイズを示す計算基準として妥当であることを示す。
  • フルスペック8Kスーパーハイビジョンに向けた制作機器の開発
    小出 大一 米内 淳 池田 善敬 林田 哲哉 瀧口 吉郎 西田 幸博
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    概要
    8Kスーパーハイビジョンの試験放送が2016年8月に開始された。当所では2020年に開催される東京五輪やその先を見据えて,さらなる高品質な映像を提供できるフレーム周波数120Hzに対応したフルスペック8Kスーパーハイビジョンの制作機器の研究開発を進めている。これまでに,8K/120Hzに対応した制作機器として,圧縮記録装置,ブランキングスイッチャー,波形モニター,17インチ小型ディスプレー,カラーグレーディング装置,120Hz対応タイムコード装置を新たに開発した。また,フルスペック8K/120Hz映像信号を転送速度144Gbpsで伝送するインターフェース(U-SDI:Ultrahigh-definition Signal/Data Interface)により,これらの制作機器を光ケーブル1本で接続できるようにしたフルスペック8K制作検証システムを構築した。このシステムを用いて,8K/120Hz映像の記録再生,切り替え,表示までの動作を実証した。さらに,新たに開発した120Hz対応のタイムコード装置を接続して,これらの制作機器が従来の60Hz制作機器と互換性を保ちながら動作することを確認し,現行のハイビジョン制作から8K/120Hz制作へスムーズに移行できる見通しを得ることができた。
  • UHDTV番組制作における白色LED照明の演色性指標と推奨値
    林田 哲哉
    PDF ↓概要

    概要
    UHDTV(Ultra-High-Definition Television)制作における白色LED(Light Emitting Diode)照明の演色性指標とその推奨値について検討した。UHDTVカメラはHDTVカメラよりも色再現が正確であるため,照明による色の見え方の違い,すなわち演色性の影響が大きくなると考えられる。そのため,さまざまな演色性を持つ白色LED照明下で撮影されたUHDTV映像を用いた主観評価を行い,演色性指標と推奨値の抽出を試みた。その結果,UHDTV制作における白色LED照明の演色性指標および推奨値としてはRa≧90かつR9≧80が適当であることが分かった。

研究所の動き

  • 情報番組での不明瞭な発音の音声認識技術 PDF

  • スーパーハイビジョン衛星放送のケーブルテレビ再放送技術 PDF

発明と考案

  • 2016年11月~2016年12月 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF