No.159 2016年9月発行

人間科学に基づいた映像評価技術 特集号

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巻頭言

  • ヒトの視覚機能と新たな映像技術・映像表現
    ~「人間科学に基づいた映像評価技術」特集号に寄せて~
    情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター 脳機能解析研究室 
    副室長 安藤広志
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解説

  • 映像システム設計と評価技術
    三科智之  片山美和  森田寿哉
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    概要
    人間は視覚系を通して映像を知覚,認知している。このため,映像システムの設計では,システムから出力された映像を,視覚系を含めて評価することが重要である。本稿では,これまでの映像システム設計に関わる評価技術を概観し,今後,立体映像システムの設計等に必要となる評価技術について解説する。
  • 生体情報を用いた映像評価技術
    小峯一晃
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    概要
    映像の評価は,映像システムの性能評価を目的とした画質評価のほかに,映像の感性的な側面からの評価,映像視聴時のコンテンツの効果も含めた評価など,さまざまな観点から行われている。画質評価などで主に利用されている主観評価は,簡便で有用な評価手法であるが,感性的な側面やコンテンツの効果など,映像視聴によって生じる複雑な心理状態を評価する際には課題がある。近年の生体情報を測定する技術の進展も相まって,生体情報を利用して映像評価を試みる事例が急増しており,従来の画質評価が苦手とする心理状態に関する新しい成果が得られるなど,今後の発展が期待される。本稿では,種々の映像評価手法における課題を述べるとともに,生体情報を利用した映像評価技術について解説する。併せて,当所で取り組んでいる生体情報による映像評価の事例を紹介する。

報告

  • インテグラル立体映像観視時における輻輳・調節応答の静特性
    日浦人誌  小峯一晃  洗井 淳  三科智之
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    概要
    インテグラル方式は,被写体からの光線情報を再現することにより光学像を空間に再生する立体映像方式である。本稿では,インテグラル方式,2眼立体方式,実物体のそれぞれによる視標を視距離450mmから900mmの範囲に提示し,各視標観視時の輻輳・調節応答の静特性を測定した。その結果,インテグラル方式および2眼立体方式の輻輳応答は,実物体観視時と同じ傾向を示した。一方,調節応答については,インテグラル方式の方が2眼立体方式よりも実物体観視時に近い結果が得られた。以上より,立体映像観視時の輻輳・調節応答の静特性については,インテグラル方式の方が2眼立体方式よりも実物体観視時に近いことが示された。
  • 映像に向けられた注意の位置と負荷が脳活動に与える影響
    原澤賢充
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    概要
    映像情報を受容しているときの視聴者の心理的状態を理解するための一助として,映像に向けられた注意と脳活動の関係について調べた。注意の視野上の位置とその負荷の大きさの効果について検討したところ,注意負荷が増大するほど脳活動も増大することと,その増大の程度は注意の位置によって異なることが分かった。このことは,脳活動による注意の強度の推定にあたっては,その位置の情報も欠かすことができないことを意味している。
  • 脳情報デコーディング技術による映像視聴中の心理状態推定
    澤畠康仁  小峯一晃  森田寿哉  比留間伸行
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    概要
    脳計測データからの人の心理状態推定を可能とする,脳情報デコーディング技術が注目されている。本技術を映像視聴中の心理状態推定に適用できれば,映像がどのような心理状態を生じさせたかという,映像の効果・影響の計測が期待できる。本稿では,脳情報デコーディング技術の概要を述べるとともに,映像視聴中の心理状態推定に応用する際の課題について述べる。さらに,本技術をお笑い番組視聴中の脳活動データに適用することで,ユーモアを感じる前に生じる「ユーモアの期待」とも言える,意識的な報告が困難な心理状態の推定に成功した試みについて報告する。この結果は,脳情報デコーディング技術による心理状態推定が,映像の表現や演出の効果・影響の計測手段として実際に利用可能であることを示すとともに,映像表現の客観評価技術として応用可能であることを示唆している。

研究所の動き

  • 行動位置に連動した番組情報提供システムの開発 PDF

発明と考案

  • 2016年5月~2016年6月 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF