No.156 2016年3月発行

インターネットと放送通信連携技術 特集号

※PDFで公開しています。

巻頭言

  • 放送・映像サービスによるインターネット新時代
    慶應義塾大学 環境情報学部長・教授 村井 純
    PDF

解説

  • インターネットの発展と放送局のネットサービスの課題
    中川 俊夫
    PDF ↓概要

    概要
    放送局がインターネットサービスに乗り出してから20年が経過した。本稿では,これまでの放送局のインターネットサービスへの取り組みと,テレビ受信機の放送通信連携機能の進化を振り返るとともに,現在の放送局のインターネットサービスに関する技術面の課題と解決に向けての切り口について解説する。
  • MPEG-DASHとハイブリッドキャスト
    藤沢 寛
    PDF ↓概要

    概要
    2013年9月に開始されたハイブリッドキャストは,現在では24の放送局がサービスを始め,累計で約300万台の対応受信機が出荷されている(2015年10月現在)。ハイブリッドキャストは,オープンなプラットフォームであるHTML5をアプリケーションエンジンとして採用したことにより,テレビ受信機やアプリケーションの開発コストが軽減されるとともに,アプリケーションの複雑な処理を受信機だけでなくサーバー側と連携して行えるようになり,放送通信連携サービスにおける機能の充実が容易に実現できるようになった。このハイブリッドキャストに,MPEG-DASH(Dynamic Adaptive Streamingover HTTP)に対応したビデオ・オン・デマンド(Video On Demand,以下VOD)の規格が加わり,新たな放送通信連携サービスへの期待が高まっている。本稿では,一般社団法人IPTVフォーラムのハイブリッドキャスト技術仕様2.0版で利用可能となったMPEG-DASHについて解説するとともに,MPEG-DASHに対応した視聴プレーヤーやハイブリッドキャストサービスにおける応用事例について述べる。
  • 放送外マネージドアプリ
    藤澤 和也 遠藤 大礎 大亦 寿之 馬場 秋継 松村 欣司
    PDF ↓概要

    概要
    ハイブリッドキャストは,デジタル放送受信機でHTML5を用いて放送通信連携サービスを実現するためのプラットフォームである。NHKは,ハイブリッドキャスト技術仕様1.0版に準拠したサービスを2013年9月に開始した。またIPTVフォーラムでは,ハイブリッドキャストによるさらに高度なサービスの実現に向けて, ハイブリッドキャスト技術仕様2.0版を2014年6月に策定した。この技術仕様2.0版においては,放送局以外の事業者によるハイブリッドキャストサービスの提供を実現する機能として,「放送外マネージドアプリケーション」が規定されている。放送外マネージドアプリケーションは,放送局以外の事業者が放送に連動したサービスをチャンネル横断的に行うことを可能にするもので,これにより,視聴者にとってより多彩で便利なサービスの創出が期待される。
  • データ駆動型コンテンツサービス
    宮崎 勝 浦川 真
    PDF ↓概要

    概要
    ネットサービスの多様化やモバイルデバイスの普及などにより,放送局にも新しい番組コンテンツ提供サービスの実現が求められている。インターネットのオープン性,多様性を支えているウェブの技術を番組コンテンツに導入することで,インターネット上のさまざまなアプリケーションやサービスを介して番組コンテンツを提供することができる。本稿では,ウェブ技術を利用することで番組コンテンツの情報を「データ」として活用する「データ駆動型コンテンツサービス」について,当所での研究内容を外部動向と併せて解説する。

報告

  • MPEG-DASHを用いたマルチスクリーン端末における放送通信同期手法
    大西 正芳 広中 悠樹 大亦 寿之 松村 欣司 真島 恵吾
    PDF ↓概要

    概要
    当所では,ハイブリッドキャストの高度化に向けた研究の一環として,テレビとモバイル端末の間で,放送と通信ストリームを同期提示する技術の研究を進めている。この同期提示技術により,例えば,テレビ視聴と同時に,別アングルの映像を利用者の手元の端末で視聴するマルチビューサービスが実現可能となる。本稿では,通信側の配信にMPEG(Moving Picture Experts Group)-DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)を用いる手法を提案する。この手法では,放送の進行に合わせて配信するMPEG-DASHコンテンツのMPD(Media Presentation Description)ファイルの情報を更新するとともに,受信側で,放送と通信映像の時刻情報の差分を用いて映像をバッファリングすることにより,放送と通信ストリームを同期させる。本稿では,同期手法の詳細を説明するとともに,受信機エミュレーターとタブレットを用いたシステムの試作,およびその動作結果について述べる。試作したシステムを用いて動作実験を行い,放送とMPEGDASH映像の同期の確立と,提案手法の有効性を確認した。
  • 番組情報データベースのLinked Open Data化の検討
    宮崎 勝 浦川 真 山田 一郎 三浦 菊佳 住吉 英樹 藤沢 寛 中川 俊夫
    PDF ↓概要

    概要
    放送局が制作した番組コンテンツに関連する情報を外部のさまざまなサービスで利用できるようにする手法の一つとして,番組関連情報をソフトウエア処理可能なデータとしてウェブに公開し,外部サービスからも利用できるようにするための検討を進めている。本稿では,W3Cで勧告されているLinked Open Data(LOD)の技術を利用した,番組情報データベースの構築について報告する。番組コンテンツの内容に関する知識をLOD形式のデータとして表現することにより,さまざまな番組情報を横断的に利用したサービスが実現可能となる環境を構築した。
  • ウィキペディアデータを利用した意味的キーワード抽出手法
    苗村 昌秀 山内 結子
    PDF ↓概要

    概要
    放送通信融合に向けた取り組みとして,視聴者の視聴状況を自動的に取得・分析して興味を推定し,それに応じて番組の関連情報を効果的に提示する技術の研究を進めている。番組の関連情報の取得は,基本的に,字幕データから抽出したキーワード情報を基にしているが,効果的な関連情報の提示を実現するためには,視聴者の興味に関係する意味までも含んだキーワードの抽出が重要となってくる。そこで,ウィキペディアのデータを利用して,抽出対象のキーワードとウィキペディアのページ見出し語との関係を構造化したコーパスを構築して,意味的な(興味に関係する意味まで含む)キーワードの抽出を行う手法を開発した。従来手法では,字幕データでよく出現する複合語の抽出や,人物のあだ名に代表される同じ意味の名寄せ処理などが課題となっていたが,提案手法ではこれらの課題を解決し,抽出するキーワードへの効果的な意味付けを可能とした。評価実験を実施し,実際のテレビ番組の字幕データから提案手法により抽出したキーワードと,視聴者が興味を持ったキーワードとの一致度を評価したところ良好な結果が得られた。本稿では,提案手法の詳細と実験結果について報告する。

研究所の動き

  • 番組情報のLinked Open Data化の検討 PDF

  • 結晶セレンを積層した高感度撮像素子の研究 PDF

発明と考案

  • 2015年11月~ 2015年12月 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF