No.155 2016年1月発行

8Kスーパーハイビジョン 符号化技術 特集号

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巻頭言

  • 8Kスーパーハイビジョン符号化への期待
    東京理科大学理工学部 教授 松田一朗
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解説

  • 映像符号化技術の標準化動向
    市ヶ谷敦郎
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    概要
    1970年代末に開発されたDCT(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)とハフマン符号化技術を用いて,1980年代から1990年代にかけて,静止画像用の符号化方式であるJPEGの標準化が行われた。その技術は,複数枚の静止画像の集合である動画像信号に拡張され,デジタル方式の映像符号化方式としてH.261およびMPEG-1が,それぞれ1990年と1991年に国際標準化された。これらの方式は,ISDN(Integrated Services Digital Network)回線によるテレビ会議システムや,蓄積メディアとしてのCD(Compact Disc)をターゲットとしていたため,その性能は,当時一般的であった標準テレビ相当の解像度の映像信号を,VHS(Video Home System)程度の品質に圧縮できる程度であった。
  • 音声符号化技術の標準化動向
    小森智康
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    概要
    22.2マルチチャンネル音響(以下,22.2ch音響)を用いた8Kスーパーハイビジョン(以下,8K)放送を実現するために,国内では2011年に,総務省令により音声符号化方式の改定が行われた。これにより,高度BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送等で22.2ch音響を用いた放送が可能となった。この総務省令では,デジタル放送の音声符号化方式はMPEG-4 AAC(Advanced Audio Coding)規格および ALS(Audio Lossless Coding)規格に準拠する方式とすることが規定された。これに合わせて,電波産業会(ARIB:Association of Radio Industries and Businesses)はARIB STD-B32の改定を行った。この改定により,デジタル放送における音声符号化方式の最大音声入力チャンネル数は「22チャンネルおよび低域を強調する2チャンネル」とされ,適用可能な技術方式としてMPEG-4 AAC規格およびALS規格が追加された。本稿では,これらの標準化の動向や,最新の3次元立体音響のための音声符号化方式等について解説する。

報告

  • 8K放送に向けたHEVC/H.265符号化・復号装置の開発と伝送実験
    杉藤泰子 / 井口和久 / 市ヶ谷敦郎 / 千田和博 / 境田慎一
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    概要
    本稿では,世界初となる8K放送規格準拠の符号化・復号装置と,この装置を用いて実施した放送衛星による伝送実験について紹介する。8Kスーパーハイビジョン(8K)は,臨場感の高い8K映像と22.2マルチチャンネル音響を提供する次世代の放送システムである。日本では,8K放送の国内規格が2014年に策定され,2016年には試験放送の開始が予定されている。当所では,この国内規格に準拠したHEVC(High Efficiency Video Coding)/ H.265方式による8K符号化・復号装置を開発した。本稿では,はじめに8K放送の特徴とロードマップについて説明し,次に今回開発した8K HEVC/H.265符号化・復号装置の技術内容を紹介する。また,この装置を用いて実施した放送衛星による伝送実験について述べる。この実験の結果より,開発した装置は,試験放送で想定されるビットレートで,8K信号を高品質に伝送できることが確認できた。
  • 超解像復元型映像符号化システム
    三須俊枝 / 松尾康孝 / 岩村俊輔 / 境田慎一
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    概要
    8Kスーパーハイビジョンなどの超高精細映像の超高圧縮伝送を実現すべく,従来型の映像符号化技術(コア符号化)と超解像技術を組み合わせた超解像復元型映像符号化システムを開発した。本システムの送信側では,コア符号化の前に映像の解像度等を削減する。解像度削減とコア符号化という異なる機軸で圧縮を分担することで,ブロック歪ひずみなどの目障りな劣化を低減する。一方,受信側では,コア復号の後に超解像技術を用いて,ぼやけなく元の解像度に復元する。さらに,送信側において原画を参照しつつ超解像復元を試行し,最適な復元方法を特定して,これを補助情報として圧縮・伝送することで,受信側の超解像復元を制御する。以上の各機能の連携により,従来型の符号化装置や伝送路を活用しつつ,超高精細映像の効率的な伝送が可能となる。本稿では,超解像復元型映像符号化システムの構成と応用について述べるとともに,ハードウエア実装によるリアルタイム処理について事例を紹介する。
  • MPEG-4 AACを用いた22.2ch音声符号化・復号装置の開発
    杉本岳大 / 中山靖茂 / 小森智康
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    概要
    8Kスーパーハイビジョン放送の実現に向け,22.2マルチチャンネル音響の音声信号を伝送する目的で,MPEG-4 AAC(Advanced Audio Coding)を用いた22.2ch音声符号化・復号装置を開発した。本稿では,ARIB(Association of Radio Industries and Businesses:電波産業会)規格に準拠した符号化・復号装置の仕様と音声品質について説明するとともに,放送音声の多機能化を目的に実装したダウンミックス機能とダイアログ制御機能についても紹介する。

研究所の動き

  • 気象電文を用いた手話CG自動生成システム PDF

  • 8K番組素材伝送に向けたミリ波(42GHz)帯SHV-FPUの開発 PDF

発明と考案

  • 2015年9月~ 2015年10月 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF