No.151 2015年5月発行

立体映像の研究特集号

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巻頭言

  • 立体映像の研究 特集号に寄せて
    塩入 諭
    東北大学 電気通信研究所 教授
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解説

  • 立体映像の研究
    岩舘 祐一
    PDF ↓概要

    概要
    次世代の超高臨場感放送を見据えて,特別なメガネが不要な立体映像方式である空間像再生方式の研究を進めている。空間像再生方式は,立体像を光学像として空間に再構成する方式であり,実物を見るのと同様な条件が整うため,自然で見やすい立体テレビを実現できると期待されている。本稿では,空間像再生方式であるインテグラル方式とホログラフィーに関する研究を紹介する。また,8K スーパーハイビジョン(8K Super Hi-Vision)で感じられる立体感に関する研究についても述べる。
  • 空間像再生型立体映像の研究動向
    三科 智之
    PDF ↓概要

    概要
    空間像再生型の立体映像方式(以下,「空間像再生方式」と呼ぶ)は,特別なメガネを使わずに自然な立体像を表示することが可能である。立体写真技術として考案された空間像再生方式を,近年の映像技術の発展により,電気的なデバイスで実現しようとする研究が行われており,当所でも,将来の立体テレビに空間像再生方式を適用する検討を進めている。空間像再生方式を電子化する(電気的なデバイスで実現する)場合,膨大な情報量の扱いが課題となる。本稿では,空間像再生方式に属する「インテグラル方式」と「ホログラフィー」について,原理などを解説し,電子化に向けた研究動向を概観する。
  • ホログラフィー立体表示用デバイスの研究動向
    菊池 宏
    PDF ↓概要

    概要
    特殊なメガネ無しで自然な立体像を表示することのできる空間像再生型の立体テレビを実現するために,超高密度の表示デバイスの開発が期待されている。このような表示デバイスとして,当所では,ホログラフィー立体表示用デバイスである超高密度構造の空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)の研究を進めている。本稿では,まずホログラフィー立体表示用デバイスに求められる性能と,現在のSLM の研究動向について述べ,次に,当所で開発を進めている新しいSLM の研究の概要を紹介する。
  • 立体映像の認知・評価に関わる研究の動向
    森田 寿哉
    PDF ↓概要

    概要
    より質の高い立体映像システムを実現するためには,立体映像の見え方だけではなく,立体感や臨場感などの心理効果も明らかにする必要がある。本稿では,インテグラル立体方式の評価に関連する最近の研究,および主観評価法を用いた8K スーパーハイビジョン(8K Super Hi-Vision)の立体感の評価とその課題について解説する。また,脳活動計測を用いた心理状態推定技術に基づく,新たな映像の評価手法の開発について述べる。

報告

  • 複数のカメラを用いたインテグラル立体像撮影装置
    三浦 雅人 / 岡市 直人 / 洗井 淳 / 三科 智之
    PDF ↓概要

    概要
    インテグラル立体像の高品質化に向けて,複数のカメラによるインテグラル立体像撮影装置を構築した。本装置は,カメラの数に応じて,立体像の視域角を拡大することができる。7台のハイビジョンカメラを用いて立体像を撮影し,1台のカメラで撮影した場合と比較した結果,視域角を水平・垂直それぞれの方向で約2.5倍に拡大することができた。
  • トンネル効果を利用したスピン注入型空間光変調器
    金城 秀和 / 青島 賢一 / 加藤 大典 / 町田 賢司 / 久我 淳 / 菊池 宏
    PDF ↓概要

    概要
    ホログラム表示用デバイスとしてスピン注入型空間光変調器(スピンSLM:Spin-Spatial Light Modulator)の研究を進めている。今回,Co-Fe/MgO/Co-Fe磁気トンネル接合と,ガドリニウム鉄(Gd-Fe)合金から成る光変調層を用いたトンネル磁気抵抗効果(TMR:Tunnel Magnetoresistance)型の垂直磁化光変調素子を作製し,その電気的特性と磁気的特性を評価した。TMR比(トンネル電流の方向によって変化する抵抗値の割合)は7.0%と低い値であったものの,スピン注入磁化反転に必要な電流密度を1.0 MA(106A)/cm2に低減することができ,低電流での磁化反転動作に成功した。この要因としては,高い抵抗値を有するTMR光変調素子に電流を注入(スピン注入)すると素子にジュール熱が発生し,温度に影響されやすい材料であるGd-Fe合金の磁化が揺らぐことによって,低電流での磁化反転が生じたことが考えられる。
  • 陰影画像の表示解像度と立体感の関係
    小峯 一晃 / 對馬 淑亮 / 澤畠 康仁 / 比留間 伸行
    PDF ↓概要

    概要
    8Kスーパーハイビジョン(8K Super Hi-Vision)のような超高精細映像の視聴時により強く感じられる立体感の特性を調べるために,両眼視差のない画像において奥行きを感じさせる手がかりの一つである陰影に着目し,陰影画像の表示解像度と奥行きの知覚との関係を調べる心理実験を行った。円筒を想定した矩形の陰影画像について解像度を変化させ,その際に感じる主観的な奥行きの強さ(奥行き感)を一対比較により評価した。また,同一の画像を用いて解像度感の強さについても評価した。その結果,解像度感についてはその差が判別できないような場合であっても奥行き感には差異が生じており,表示解像度が高いほどより強く奥行き感を感じていることが明らかになった。さらに脳活動の計測を伴う実験を実施し,これらの結果の有効性を支持するデータを得たほか,単眼によって奥行きを評価する際に特有の脳活動が,動きの知覚や両眼視差による奥行き知覚と関連の深い部位であるMT+において見られることを新たに確認した。

研究所の動き

  • 音声合成を用いた株式市況・気象通報の自動放送システム PDF

  • 地上波による8Kスーパーハイビジョン放送に向けた大容量伝送技術 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

  • 学会発表論文一覧 PDF

  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF