No.146 2014年8月発行

技研公開2014 講演・研究発表 特集号

※PDFで公開しています。

巻頭言

  • 技研公開2014より PDF

講演

  • 8Kスーパーハイビジョン 医療応用への期待
    自治医科大学学長永井良三
    PDF ↓概要

    概要
    高精細の8Kスーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)が開発され,医療応用への期待が高まっている。実用化には,いくつかの技術的課題があるが,通信技術と組み合わせることによって,医療現場での診断,治療法の決定,教育,医療開発研究などに貢献すると期待されている。とくに遠隔病理診断や内視鏡手術では,高精度の画像によって従来困難だったがんを診断できるようになる。また,手術法の決定だけでなく,新しい術式の開発も可能になると予想される。さらに,顕微鏡や拡大鏡を用いた手術では,術者以外の医師も8KSHVを介して,手術の状況や細かい技術を把握することができるようになり,その教育効果は極めて大きい。基礎研究では,近年,細胞の状態をさまざまな手法で画像化する技術が進歩している。8K SHVを用いてこれらの画像を提示することができれば,大きな科学的インパクトを与えることができる。
  • 木を見て森も見る ビッグデータ解析技術
    情報・システム研究機構理事統計数理研究所長
    樋口知之
    PDF ↓概要

    概要
    ビッグデータの登場は,モノ,ヒト,コトの動き,つまり私たちの生活がまるごとデジタル化されクラウド上で再現できる時代が到来したことを意味する。ビジネスにおけるビッグデータの価値は,あらゆるビジネス機能やサービスのスマート化と,イノベーションの発掘による未来への効果的投資の二点に集約できる。この観点を公共部門において考えると,あらゆるサービス受益者の満足度の向上と,レアではあるが重要な社会的要因を発見することと対応づけられる。ビッグデータの利用技術上の多くの困難は,この相反する目的を同時に達成する要請からもたらされる。例えば,どんなにデータ量が多くても,ある程度の精度で全体像が知りたければ,統計学の王道芸であるサンプリングで十分であるが,それではほぼ確実にレアな事象を見逃す。つまり,ビッグデータの利用には,木も森も両方見る技術が不可欠なのである。ビッグデータの利用技術は,大別すれば,データ可視化,データ解析,データ工学の三要素からなる。データ可視化は探索的データ解析の一技法と類別可能だが,ビッグデータの登場により,ナウキャスティング(今を把握する)に欠かせない重要な役割を担うことになった。データ工学は,主としてデータ量および通信量の増大と直結した問題解決に必須の技術である。知りたい情報がデータからは完全には得ることができない状況,つまりデータの不完全性を乗り越えるためには,先進的なデータ解析技術が必要になる。データの不完全性の例は,データの欠損や異常値の混入などのありふれた問題から,逆解析不安定性のような推論構造上不可避の問題など,多種多様かつ多数存在する。本講演では,ビッグデータの解析において陥りやすいポイントを解説するとともに,インピュテーション,リンケージなどのデータ解析に関する研究トレンドを紹介する。

研究発表

  • 放送通信連携システムの機能拡張
    ~ハイブリッドキャストの高度化に向けて~
    大亦寿之
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    概要
    NHKは2013年9月,放送と通信を連携させた新しいテレビサービス「NHK Hybridcast」1)を開始した。ハイブリッドキャストは,1図に示すように,全国の視聴者に高品質のコンテンツを一斉に送り届けることができるという放送の特長と,視聴者の個別の要求に応えることができるという通信の特長の両方を生かしたプラットフォームであり,便利で魅力的な放送通信連携サービスを視聴者に提供することが可能となる。
  • 8Kスーパーハイビジョンにおける
    光インターフェースの開発と標準化動向
    添野拓司
    PDF ↓概要

    概要
    NHKでは,次世代の放送システムである8Kスーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)の実現に向けた研究開発を進めている。8K SHVを含む超高精細度テレビジョン(UHDTV:Ultra-High Definition Television)信号の映像パラメーターは,国際規格および国内規格として制定されている。
  • 多視点カメラを用いたインテグラル立体像の生成手法
    池谷健佑
    PDF ↓概要

    概要
    当所では,次世代の超高臨場感放送システムの実現を目指して,自然で見やすく,特別なメガネが不要であるインテグラル立体テレビ1)の研究を進めている。インテグラル立体テレビは,微小レンズで構成されたレンズアレーと高解像度ディスプレーを組み合わせることで,被写体からの光線を再現し,空間に立体像を再生するテレビである。水平,垂直方向に視差(視点の位置による見え方の変化)を持ち,寝転んだ姿勢からでも立体映像を見ることができる。

研究所の動き

  • 超解像技術を用いたリアルタイム映像符号化システムの開発 PDF ↓概要

    概要
    8Kスーパーハイビジョンからワンセグ放送,映像のネット配信に至るまで,映像信号を伝送する際には,データ量を小さく圧縮する「映像符号化技術」が用いられる。映像符号化技術は,限られた電波資源の有効活用や通信帯域ひずの節約に貢献するものであるが,圧縮の度合いを高くすればするほど,ブロック状の歪みや動きのぎこちなさが目立つようになる。こうした画質の低下を防ぐ技術として,当所では,従来の映像符号化技術と超解像復元技術を組み合わせた超解像復元型映像符号化システムの開発を進めている。このシステムでは,映像情報を伝送する前に解像度を削減することで,従来型符号化における圧縮率を緩和して歪みを減らすとともに,受信側で超解像技術を用いることにより入力映像に近い鮮明な映像を復元することができる。この技術を用いると,超高圧縮時において顕著な画質改善が得られるが,ソフトウエア処理に,入力映像の実時間の約600倍という膨大な演算時間を要することが課題であった。

発明と考案

  • 2014年3月~2014年4月 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF