No.141 2013年9月発行

技研公開2013 高フレームレート 撮像技術 特集号

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巻頭言

  • 高速撮像デバイス技術への期待
    川人祥二 静岡大学電子工学研究所教授
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    概要
    高速撮像は,かつては特殊な科学計測の一分野で必要とされる技術であったが,現在ではあらゆる用途のカメラに必要とされる技術になっている。ここでいう高速撮像は単に高フレームレートということではなく,空間解像度(画素数)を低くすることなく画像信号を高速に読み出す,すなわち,高画素速度(フレームレート×画素数)に関する技術を意味している。

解説

  • スーパーハイビジョン用のイメージセンサーの研究・開発の動向
    島本洋
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    概要
    スーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)は約3,300万画素(7,680×4,320画素)の超高精細映像と22.2チャンネルの3次元音響から成る次世代の高臨場感放送である。これまで,SHVではフレーム周波数(1秒間の映像コマ数)60Hzのプログレッシブ走査(順次走査)が用いられてきた。しかし,フレーム周波数60Hzでは動きの速い被写体などにおいて動画像の画質が良好に再現されないことがある。
  • 超高速度撮像デバイスの研究・開発の動向
    大竹浩
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    概要
    人間の目や通常のテレビカメラでは捉えられない一瞬の現象をスローモーション映像として再現できる高速度カメラはスポーツ番組や科学番組,ドラマの演出など多種多様な番組で使われている。当所では,従来の高速度カメラの性能をはるかに超える1秒間に100万枚の速度で撮影が可能な超高速度CCD(Charge Coupled Device)とそれを用いた小型のカラーカメラの開発に取り組み,これまで撮影することが難しかった超高速度現象の撮影に成功するとともに,超高速度カメラの番組制作への応用を図ってきた。本稿では,高速度撮像デバイスの研究・開発の動向を述べた後,当所における超高速度撮像デバイスの研究・開発の概要とその応用例を紹介する。

報告

  • 120Hzスーパーハイビジョン用のイメージセンサーの開発
    北村和也、渡部俊久、大竹浩、島本洋
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    概要
    従来のスーパーハイビジョンの2倍のフレーム周波数を持つフルスペックスーパーハイビジョンを実現するために,3,300万画素,フレーム周波数120Hzのイメージセンサーを開発した。120Hz順次走査の高速動作を実現するために,2段サイクリック型A/D(アナログ/デジタル)変換回路と多並列信号出力回路を新たに開発した。撮像実験を行って,開発したイメージセンサーがフレーム周波数120Hzで動作し,動画像の画質が改善されること,2.5Wの低消費電力であることなどを確認した。
  • 最高撮影速度200万枚/秒の30万画素超高速度単板式カラーカメラ
    米内淳、新井俊希、林田哲哉、大竹浩
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    概要
    超高速度カメラの高性能化を目的として,最高撮影速度200万枚/秒の30万画素超高速度CCD(Charge Coupled Device)とそれを用いた単板式カラーカメラを開発した。従来の超高速度カメラでは,撮影速度が速くなるに従って映像のダイナミックレンジが低下したり,カメラの消費電流が増大してCCDおよび駆動回路が急速に発熱したりするという課題があった。今回,配線抵抗を低減した新たなCCDを開発し,従来の2倍の最高撮影速度を実現するとともに,超高速撮影時のダイナミックレンジの低下を改善した。また,超高速度CCDの駆動方法を変更し,発熱の問題を解決した。
  • 1,670万枚/ 秒の31万画素裏面照射型超高速度CCD撮像素子
    新井俊希、林田哲哉、米内淳、大竹浩
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    概要
    照明が暗くても鮮明なスローモーション映像の撮像が可能な31万画素裏面照射型超高速度CCD(Charge Coupled Device)を開発した。裏面照射型によって,光開口率100%,時間開口率100%を実現し,表面照射型と比較して感度を大きく向上することができた。また,従来の表面照射型構造では不可欠であったCCDメモリー部の遮光金属膜を配線として利用することで配線抵抗を低減することができ,更なる高速化を可能とした。駆動評価実験を行って,従来の表面照射型の12.7倍の感度と,最高撮像速度1,670万枚/秒という性能を確認した。高速度撮像素子の性能指標である画素数と最高撮像速度の積は5.2T画素/秒であり,研究発表時において世界最高の値を記録した。

研究所の動き

  • 酸化物TFTの作製技術 ~大画面のシート型ディスプレーの実現を目指して~ PDF ↓概要

    概要
    臨場感の高いスーパーハイビジョンを家庭で容易に視聴できるようにするために,薄くて軽くフレキシブルな大画面のシート型ディスプレーの研究を進めている。薄型化が容易で,シート型ディスプレーの実現に有望な有機EL(Electroluminescence)ディスプレーを駆動するためには,各画素に有機EL素子の発光を制御するTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスター)を作製する必要がある(1図)。当所では,現行のアモルファスシリコンTFTと比較して移動度が高く,ディスプレーの大画面化・高精細化が期待できる酸化物半導体を用いた酸化物TFTに着目して研究を進めている。
  • 放送コンテンツの並列分散処理システム PDF ↓概要

    概要
    放送コンテンツの次世代の編集システムとして,クラウドコンピューティング(クラウド)を用いた処理システムが求められている。クラウド上の編集システムをネットワーク経由で利用することで,さまざまな場所から編集システムを利用することが可能となる。また,ハードウエアを追加することなく,処理項目や新しい圧縮方式をソフトウエアだけで追加できるという利点もある。

発明と考案

  • 2013年 5月~6月 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF