No.137 2013年1月発行

スーパーハイビジョン 映像技術 特集号

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巻頭言

  • 足し算のメディアと引き算のメディア
    原島 博 東京大学 名誉教授
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    概要
     スーパーハイビジョンが現実のものとなってきた。思えば,戦後の日本でテレビジョンの実用化が進められたのが1950年代,ハイビジョン技術が発展したのが1980年代であったから,大ざっぱではあるけれども,30年ごとにテレビジョン技術は大きな変革を遂げてきたことになる。この先30年後には筆者はこの世にはいないだろうけれども,テレビジョンを中心とする映像技術は更に進化するのだろうか?スーパーハイビジョンは既に人の目の解像度の限界を超えているから,もはやこれで十分であるとする考え方も無いではない。しかし,筆者はそうは思わない。人は与えられた貧弱なメディアで満足する傾向がある。NTSCのアナログ放送からハイビジョンのデジタル放送に移行するときもそうであった。しかし,今,大画面のテレビでハイビジョン品質の番組を視聴すると,今までのアナログ放送のNTSC品質がいかに貧弱であったか,改めて気付く。

解説

  • スーパーハイビジョンの研究開発
    鹿喰 善明
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    概要
    ハイビジョンを大きく超える臨場感と質感を伝える次世代のテレビを目指して,スー パーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)の研究開発を進めている。SHVはハイビ ジョンの16倍の3,300万画素の超高精細映像と,22.2chの3次元音響から成る高臨場感 放送システムである。1995年の研究開始以来,方式・機器の開発,その裏付けとなる視 聴覚および認知科学の評価実験を行ってきた。現在,SHVの試験放送を早期に開始する ことを目指して,研究開発,標準化,普及展開を促進している。本稿では,撮像,表示, 音響,符号化,伝送の各分野にわたって幅広く進めている研究開発の状況とそれに基づ く実用的な機器の開発状況を紹介する。
  • スーパーハイビジョンの映像パラメーターと国際標準化
    西田幸博
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    概要
    スーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)の映像フォーマットは視覚と映像の 心理物理的な効果に関する研究に基づいて,高臨場感・高画質を伝える2次元動画像と して最適な値で設計されている。SHV放送を実現するためには国際的な技術基準が不可 欠であり,映像フォーマットの国際標準化に取り組んできた。本稿では,SHVの映像パ ラメーターの値およびITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)における映像フォー マットの国際標準化について解説する。
  • スーパーハイビジョンによるロンドンオリンピックのパブリックビューイングの概要
    菅原正幸/沢田智/ 藤沼勇人
    NHK放送技術局
    PDF↓概要

    概要
    NHKはロンドンオリンピックの期間中,OBS(オリンピック放送機構),BBC(イギリ ス放送協会)と共同で,スーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)によるパブ リックビューイング(PV:Public Viewing,公開上映)を日本・イギリス・アメリカの 9か所の会場で実施した。期間中に開会式と閉会式を含む7競技について,生中継また は収録・編集による番組制作を行い,制作した番組を専用光回線またはIP(Internet Protocol)ネットワークを利用してPV会場に伝送し,毎日,上映した。本稿では,SHV によるロンドンオリンピックのPVの技術内容と実施結果を紹介する。

報告

  • スーパーハイビジョンカメラ用フォーカス補助信号
    船津良平/山下誉行/三谷公二
    NHK技術局
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    概要
    スーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)カメラのフォーカス調整を,解像度の低い ビューファインダー(VF:Viewfinder)を見ながら正確に行うことのできるフォーカス補助信 号を提案する。従来のSHVカメラシステムでは,解像度の低いVFを見ながらカメラマンが フォーカスを直接調整することができず,ビデオエンジニア(VE:Video Engineer)が高精細 モニターを見ながら遠隔操作でフォーカスを調整していた。
  • スーパーハイビジョン符号化システム
    井口和久
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    概要
    スーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)を高画質で伝送するために開発したMPEG -2方式およびMPEG-4 AVC/H.264方式を用いた符号化システムの概要を報告する。開発した符 号化システムは,SHV信号を約1/40~約1/400に圧縮可能である。本稿では符号化システムの構 成と特徴および主な伝送実験について述べる。
  • スーパーハイビジョン用の2重変調方式 広ダイナミックレンジプロジェクター
    日下部裕一
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    概要
    スーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)の映像を約110万:1の非常に広いダイナ ミックレンジで表示できるプロジェクターを開発した。このプロジェクターは,色変調を行う第 1変調部と,輝度変調を行う第2変調部を直列につなぐ2重変調方式を特徴としている。色変調 には解像度の低い表示素子を用い,輝度変調に解像度の高い表示素子を用いることで,高解像度 なカラー画像が表示可能である。また,2重変調方式では,黒信号に対する光の出力レベルを大 幅に下げることができるので,非常に広いダイナミックレンジが実現できる。開発したプロジェ クターの解像度特性,ダイナミックレンジ,階調特性などを測定した結果,SHVに対応した解像 度特性を持つこと,非常に広いダイナミックレンジを実現していること,12ビット相当の階調特 性を持つことなどが確認された。

研究所の動き

  • ロンドンオリンピックにおけるP2Pライブ配信実証実験 PDF ↓概要

    概要
    インターネットで多数の視聴者に同時にライブ配信を行うためには,アクセス数に応じた大規模なサーバー 設備と膨大な配信コストが必要である。当所では,大規模で安定した映像配信を低コストで実現することを目 指して,ピアツーピア*1(P2P:Peer-to-Peer)技術を用いたライブ配信技術の研究を進めている。

発明と考案

  • 2012年 9月~10月 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF