No.132 2012年3月発行

超小型カメラを実現する 撮像・記録デバイス技術 特集号

※PDFで公開しています。

巻頭言

  • 超小型カメラ技術に期待する
    鎌田 憲彦 埼玉大学大学院理工学研究科 教授
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    概要
     物質を縮小するための技術の鍵を握る科学者が襲撃を受けて脳内出血を起こした。風前のともし火となった命を救うためには,医療チームを乗せた潜航艇を縮小してひん死の科学者の体内に注入し,脳の内部から直接治療するしかない。しかし,縮小が持続する時間は1時間以内。果たしてチームは治療を終えてタイムリミットまでに体内から無事脱出できるのか・・・。

解説

  • 有機撮像デバイスの研究動向
    相原 聡/久保田節
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    概要
    当所では,次世代の超小型・高画質カラーカメラを実現するために,光の3原色それぞ れの色だけに感度を持つ有機光電変換膜と可視光を透過する電荷読み出し回路とを交互 に積層した新たな単板カラー撮像デバイス「有機撮像デバイス」の研究開発を進めてい る。この単板カラー撮像デバイスでは,光の進行方向に沿って色を分離するので,色分 解プリズムを用いた3板式と原理的に同等の画質を持つカラー撮像を実現することがで きる。ここでは,有機撮像デバイスの概念について述べた後,有機光電変換膜の諸特性 やデバイスの開発状況などを紹介する。
  • 磁性細線の研究動向
    宮本 泰敬
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    概要
    当所では,高精細で高フレームレートな小型・高性能カメラへの適用を目指して,磁性 細線を用いた映像記録用シーケンシャルメモリーの研究開発を進めている。半導体微細 加工技術を用いて作製した磁性細線では,その長さ方向に電流を流すことで情報を記録 した磁区を高速で移動させることができる。磁性細線のこの特性を利用することで記録 デバイスの小型・軽量化や高速化が実現できると期待される。また,機械的に可動する 部分が無いので,高い信頼性が得られる。ここでは,電流を印加したときの磁性細線中 での磁区の移動の原理などについて述べた後,磁性細線を適用した記録デバイスの研究 開発の動向を紹介する。

報告

  • 青色光に感度を持つ有機光電変換膜の量子効率改善
    瀬尾北斗/相原聡/久保田節/江上典文
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    概要
    有機撮像デバイスに用いる有機光電変換膜の量子効率を改善するために,青色光に感度を持つ有機材料クマリン30に,光照射によって膜内に生じた電子~正孔対の分離を促進するフラーレンを 10%添加した新たな青色用有機光電変換膜を試作した。特性評価実験の結果,試作した有機光電変換膜では,波長430nmの青色光を照射したときに印加電圧10Vで64%の高い量子効率が得ら れることが分かり,有機撮像デバイスの高感度化に見通しを得た。
  • 128×96画素RGB積層有機撮像デバイスの試作
    堺俊克/瀬尾北斗/相原聡/渡部俊久/大竹浩/久保田節/江上典文
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    概要
    有機撮像デバイスでカラー撮像が可能なことを検証するために,まず,青色光,緑色光,赤色光 のそれぞれの色だけに感度を持つ有機膜を3種類作製した。次に,それらの有機膜と有機膜から 信号を読み出す酸化亜鉛薄膜トランジスター回路とを組み合わせた撮像素子を個別に作製し,こ れらの素子を積層した画素数128 × 96,画素ピッチ100μmの原理検証用の有機撮像デバイスを 試作した。撮像実験の結果,試作したデバイスでは,被写体の色を再現するフルカラー映像が得 られ,光の3原色それぞれの色だけに感度を持つ有機膜を積層することでカラー撮像が可能であ ることを初めて確認した。
  • 原子間力顕微鏡を用いた磁性細線上の磁区トラップサイトの作製
    奥田光/伸宮本泰敬/宮下英一/林直人
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    概要
    磁性細線の中を磁区が移動することを利用した映像記録用シーケンシャルメモリーを実現するた めには,磁区を所定の位置で確実に停止させるための技術が必要である。今回,磁区を確実に停 止させるために3種類の手法,すなわち,①磁性細線の幅(横)方向に溝を形成するナノスク ラッチ法,②磁性細線を局所的に酸化させる陽極酸化法,③磁性細線の表面にくぼみを付けるナ ノインデンテーション法を考案した。試作実験を行ってそれらの効果を調べた結果,いずれの手 法においても磁区を確実に停止させられること,現状ではくぼみを付ける手法が最も有望である ことなどが分かり,シーケンシャルメモリーを実現するために必要な磁区位置の制御が実現でき る見通しを得た。

研究所の動き

  • 次世代地上放送に向けた大容量伝送技術 PDF ↓概要

    概要
    2011年7月24日に全国(東北3県を除く)の地上アナログテレビ放送と衛星アナログテレビ放送が終了し,テレビ放送のデジタル化が完了した。当所では,次世代の地上放送でスーパーハイビジョン(SHV)の放送をすることを目指して大容量伝送技術の研究を進めている。SHVはハイビジョンの16倍の画素数を持つ超高精細映像と22.2マルチチャンネル音声で構成される次世代の映像音響システムである。
  • 3次元物体の触力覚提示技術 PDF ↓概要

    概要
    テレビは情報を映像で効果的に伝えることができる。例えば,言葉にすることが難しい形状でも模型やコンピューターグラフィックスで視覚的に表現して容易に伝えることができる。当所では,このように視覚的には容易に伝えることができるが言葉では伝えることが難しい物体の形状を,視覚に障害がある方にも触覚と力覚(触力覚)を使って伝えるための研究を進めている。

発明と考案

  • 2011年 11月~12月 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF