No.130 2011年11月発行

プラズマディスプレイの大画面・超高精細化技術 特集号

※PDFで公開しています。

巻頭言

  • スーパーハイビジョン(SHV)に期待する
    下平美文 静岡大学創造科学技術大学院教授
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    概要
    スーパーハイビジョン(SHV)の試験放送を2020年に実施するという目標に向けて,画像および音声機器に関するハードウエア,ソフトウエア等の準備がNHKと関連企業において進んでいる。SHVの画像には8K×4K画素,フレーム周波数120Hz,量子化ビット数12bitというパラメーターが設定されている。システムを大きく変える場合には多方面にわたる研究および開発が必要であり,まだ,多くの開発要素が残っていると想像される。このように画像システムの大きな改革を行う場合には,現行のハイビジョンと比較して,いろいろな意味で圧倒的な魅力を備える必要があると思う。

解説

  • スーパーハイビジョンを目指した大画面・超高精細PDPの開発
    村上由紀夫
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    概要
    スーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)はハイビジョンの16倍に当たる3,300万画素から成るきめ細かい映像で,あたかもその場にいるような迫力のある高臨場感を表現することができる。本稿では,SHVの家庭用ディスプレイを目指して取り組んでいる自発光・直視型のプラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)の開発について解説する。まず,PDPの大画面化・超高精細化に向けた課題を整理し,それを解決するために取り組んだ基礎研究について述べる。次に,SHVの半分の2,160本の走査線数を中間目標として,この基礎研究の成果に基づいて開発した画素ピッチ0.33mmの超高精細対角58インチPDPと画素ピッチ0.591mmの対角103インチ大画面PDPについて述べる。更に,SHVの走査線数4,320本を持つPDPの開発に向けた取り組みを紹介する。
  • PDPの省電力化に向けた材料技術
    本山靖
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    概要
    PDPの大画面化と高精細化に伴う消費電力の増大を回避するために,電極保護膜を改良 し,放電電圧を低電圧化してPDPを省電力化する技術の研究を進めている。当所では, 現在使われているMgO電極保護膜の放電電圧の決定要因を理論的に明らかにし,これを 低電圧化するための指針を示してきた。また,放電電圧を更に低減するために,新しい 電極保護膜材料をパネルに導入し,その製作方法を工夫した。その結果,従来のパネル と比較して放電電圧を30%以上低減することに成功し,PDPパネルを省電力化できる見 通しを得た。本稿では,これらの研究を中心に解説する。

報告

  • 大画面・超高精細PDPの表示特性シミュレーション
    平野芳邦/石井啓二/薄井武順/村上由紀夫/関昌彦
    NHK-ES
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    概要
    プラズマディスプレイパネル(PDP)を用いて家庭用の直視型スーパーハイビジョン(SHV) ディスプレイを実現するための研究開発を進めている。今回,SHVに対応したPDPを効率的に 開発するために,大画面・多画素パネルの表示特性を解析する手法を開発した。開発した手法は 放電シミュレーションと回路シミュレーションを結合した手法であり,多数の画素の特性をパネ ひずルの電極抵抗や静電容量の影響を含めて解析することができる。印加電圧の波形歪みによる発光のばらつきなどを予測することができ,大画面・多画素パネルの映像を安定に表示するための設計指針が得られた。
  • PDP用低電圧電極保護膜の化学的安定性の改善
    加藤大典/本山靖/関昌彦
    NHK-ES
    PDF ↓概要

    概要
    プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)の省電力化に向けて,現行の高 温大気中プロセス(約450℃)で製作可能な,化学的安定性の高い低電圧電極保護膜の開発を進 めている。今回,CaMgO電極保護膜材料を用いてCaO組成比の最適化を行い,その化学的安定 性を向上させた。開発したCa0.36Mg0.64O電極保護膜を適用したパネルの放電電圧は,現行の MgO電極保護膜を用いたパネルよりも20%~30%低く,高温大気中プロセスで製作したパネル としては極めて低い値であった。
  • 0.3mmピッチ超高精細PDPにおける 放電発光特性
    石井啓二/平野芳邦/村上由紀夫
    PDF ↓概要

    概要
    対角100インチ級の家庭用スーパーハイビジョンテレビを実現するために,画素ピッチ0.3mm の超高精細プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)の放電発光特性を詳 細に調査した。PDPでは,放電によって励起ガス原子を生成し,励起ガス原子の光放射遷移に よって生成される真空紫外光で3原色の蛍光面を励起発光させる。パネルの発光特性には励起ガ ス原子の生成量が密接に関係している。今回,発光素子の微細化が発光特性に及ぼす影響を調べるために,画素ピッチ0.3mmの実験素子を試作し,放電時の励起ガス原子の生成量と可視発光特性を測定・解析した。その結果,発光素子の微細化は放電電圧を上昇させるが,励起ガス原子および分子の生成量が増加するので,発光効率は大きくは低下しないことが分かった。発光効率は2倍のピッチを有する従来のパネルの発光効率より10%低い0.68lm/Wであった。また,発光特 性を向上させるための重要な素子パラメーターである電極間隔の最適値は約140μmであること を明らかにした。

研究所の動き

  • やさしい日本語によるニュースサービス PDF ↓概要

    概要
    日本で生活する外国人の数は増加しており,今後もこの傾向は続くと言われている。これらの外国人の多くは,日本語を十分に理解できず,テレビやラジオの番組の内容がよく分からないと言われている。しかし,外国人の多くは日本語の会話や読み書きをある程度はできるので,外国語と共に「やさしい日本語」で情報を伝える試みが自治体を中心に広がっている。
  • 超解像技術を用いた画像復元型符号化 PDF ↓概要

    概要
    スーパーハイビジョンは3,300万画素の超高精細映像で,高い質感を表現することができる。しかし,映像を高精細にするほどデータ量が膨大となり,スーパーハイビジョンを放送するためには映像符号化技術を使ってデータを高圧縮する必要がある。地上およびBSデジタルテレビ放送で主として用いられているMPEG-2映像符号化方式やワンセグで用いられているMPEG-4 AVC/H.264映像符号化方式などの従来型符号化方式を用いてスーパーハイビジョひずンの映像を圧縮すると,高圧縮時にブロック状の歪みやちらつきが生じるといった課題が指摘されている(1図上段)。 一方,解像度の低い画像から解像度の高い鮮明な画像を生成する超解像技術が実用化され,レビ受信機にも搭載されるようになってきている。当所では,従来型符号化方式と超解像技術とを組み合わせた画像復元型符号化方式を開発し,高画質と超高圧縮を実現した。

発明と考案

  • 2011年 7月~8月 PDF

論文紹介

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  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF

  • 学会発表論文一覧 PDF