No.128 2011年7月発行

技研公開2011 講演・研究発表 特集号1

※PDFで公開しています。

巻頭言

  • はじめに
    久保田啓一 NHK放送技術研究所所長
    PDF ↓概要

    概要
    NHK放送技術研究所(技研)は,放送技術分野を専門とする我が国唯一の研究機関として,また,公共放送NHKの一員として,我が国の放送技術を先導して豊かな放送文化を築くために,研究開発の立場から貢献するという役割を担っています。

イベント

  • 技研公開2011より
    ~あなたに伝えたい,デジタル放送の未来~
    PDF ↓概要

    概要
    NHK放送技術研究所では,5月26日(木)から29日(日)までの4日間,技研の最新の研究成果を展示する「技研公開2011」を開催しました。今年は,「あなたに伝えたい,デジタル放送の未来」というテーマで,テレビ放送の完全デジタル化の先にある未来を目指して進めているハイブリッドキャスト,スーパーハイビジョン,インテグラル立体テレビ,そして,人にやさしい放送技術などの研究成果36項目を展示しました。開催期間中,18,873人の方が来場され,技研が取り組んでいるさまざまな研究内容をご覧いただきました。

研究発表

  • 3次元モデルからのインテグラル立体像への変換手法
    片山美和
    PDF ↓概要

    概要
    大手メーカーによる立体テレビの発売あるいは有料放送事業者などによる立体映像サービスの開始など,近年,立体映像に対する関心が高まっている。これらの立体映像は,主に,専用の眼鏡を必要とする2眼式の立体映像である。将来の立体映像システムとしては,眼鏡が不要で,長時間鑑賞しても目が疲れない,目に優しいシステムの実現が望まれる。その有力な候補の1つが当所で開発を進めているインテグラル立体方式1)である。この方式はスーパーハイビジョンなどの超高精細映像技術とレンズアレーなどの光学技術を融合した方式であり,表示装置で被写体の空間像を再構成することが特徴である。インテグラル立体方式の基本的な性能を検証するためには,さまざまな被写体の立体像が必要である。これらの立体像はインテグラル立体方式専用のカメラを用いて撮影するが,被写体が大きく,専用カメラで撮影できない場合や画角などの関係で希望の構図で撮することが困難な場合がある
  • 家庭におけるマルチチャンネル音響再生技術
    澤谷郁子
    PDF ↓概要

    概要
    あたかもその場にいるような臨場感や高い質感といった新たな映像・音響空間を実現するために,スーパーハイビジョン(SHV:Super Hi-Vision)の研究開発を進めている1)。SHVはハイビジョンの16倍にあたる約3,300万画素(7,680×4,320画素)の画素数を持つ超高精細映像と22.2マルチチャンネル音響で構成される。広視野・高精細映像に適したSHV用音響方式に求められる要件は,①広視野画面上の映像の位置と音の到来方向の一致,②聴取位置を取り囲む全方向からの音の到来の表現,③自然な3次元音響空間の再現,④広い聴取エリアの確保,⑤既存のマルチチャンネル音響方式との互換性,⑥ライブ収音ができることなどであり,これらを実現する音響方式とし22.2マルチチャンネル音響を提案している。①~③はSHV音響に求めれる3次元音響品質である。また,④と⑤は家庭やシアターなどの再生システムに,⑥は放送システムに求められる要件である。
  • 画像解析技術を利用した映像検索
    望月貴裕
    PDF ↓概要

    概要
    ソフトウエアとハードウエアの高度化や通信環境の整備により,通信網上の広い範囲に蓄積されたさまざまな画像・映像データにユーザーが容易にアクセスできるようになった。デジタルカメラなどで撮影した静止画をネット上で共有するサイトFlickr1)や,動画を視聴・共有するサイトYouTube2)などには,世界中のユーザーから日々大量のアクセスがある。放送の分野においても,放送アーカイブスなどの大規模な映像資産を活用する需要が高まっており,NHKも風景や動物などを撮影した素材映像を無償で提供するWebサイト「NHKクリエイティブ・ライブラリー」の運用を開始している。
  • ミリ波モバイルカメラ
    中川孝之
    PDF ↓概要

    概要
    放送番組として編集される前のさまざまな映像や音声は番組素材と呼ばれている。当所では,無線と有線(光)の伝送技術を駆使して,大容量の番組素材を安定して伝送するための番組素材伝送技術の研究を行っている。その研究の一環として,ハイビジョン映像(将来はスーパーハイビジョン映像)を高画質・低遅延・高信頼で,移動するカメラから無線伝送するための研究開発を進めている。その第1ステップとして,従来のワイヤレスカメラの伝送容量30Mbps程度を100Mbps級に増大させる伝送技術を確立し,100Mbps級に画像圧縮したハイビジョン映像を移動伝送できるワイヤレスカメラ(以下,ミリ波モバイルカメラと呼ぶ)を開発している
  • 電荷蓄積型シリコンマイク
    萩原啓
    PDF ↓概要

    概要
    当所では,優れた音響特性と高い信頼性とを兼ね備えた新たなマイクロホン(以下,マイクと略記)の開発を進めている。これまでに,堅ろうで化学的にも安定な単結晶シリコン*1を素材として用いたシリコンマイクと呼ばれる小型マイクを試作し,番組制作での試用や各種の評価試験を通して,このマイクが良好な音響特性を有することや高温多湿の環境下でも安定に動作することなどを確認している1)~3)。しかし,このシリコンマイクを動作させるためには48Vの電圧を印加する必要があり,機動性や運用性の観点から,より低い電圧での動作が強く望まれていた。
  • 有機TFT駆動フレキシブルディスプレー
    武井達哉
    PDF ↓概要

    概要
    放送の完全デジタル化やインターネットの普及により,いつでもどこでも高画質な映像情サービスを楽しめる環境が整ってきた。薄くて軽く,持ち運びに便利なフレキシブルディスプレーを実現できれば,携帯型情報端末の利便性を大きく高めることができる。更に,大画面シート型ディスプレーを実現できれば家庭への搬入・設置が容易になり,次世代の高臨場感映像システムであるスーパーハイビジョンを家庭でも気軽に楽しむことができるようになる1)。このように,ディスプレーのフレキシブル化は画面サイズを問わず,携帯・収納・設置・視聴などの自由度を飛躍的に高めることができる技術として注目されている。当所ではフレキシブルディスプレーの実現に向けて,自発光で表示速度が速く動画像表示に適した有機EL(Organic Light Emitting Diode)と,柔軟性を持ち室温での形成が可能な有機半導体を用いた薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)と,各素子をプラスチックフィルム上に低温工程で作製・集積するためのパネル化技術の研究を進めている。

研究所の動き

  • ハイビジョン映像用電子透かしの高速処理技術 PDF ↓概要

    概要
    放送番組の著作権保護や映像の識別を目的として,電子透かしの研究を行っている。電子透かしとは,人の目ではわからないように映像に情報を埋め込み,必要なときに映像から情報を取り出すための技術である。映像そのものに情報を埋め込むので,映像と情報を確実に結び付けることができる。映像に情報を埋め込むために,映像を構成する画素の一部の明るさなどをわずかに変化させる。このとき,画素を無作為に選択すると,映像の劣化が目に付きやすくなる。そこで,人の目の特性を利用して,映像の変化が目に付きにくい画素に情報を埋め込む。

発明と考案

  • 2011年 3月~4月 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF