No.127 2011年5月発行

ケーブルテレビにおけるデジタル伝送技術 特集号

※PDFで公開しています。

巻頭言

  • ケーブルテレビのデジタル化の経緯と発展動向
    伊東晋 東京理科大学理工学部電気電子情報工学科教授
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    概要
    ケーブルテレビは,今や地上放送・BS放送と並んで放送メディアを担う重要な情報通信インフラになっている。振り返って見ると,日本でテレビ放送が開始された1953年のわずか2年後の1955年には,群馬県の伊香保温泉でテレビ放送の再送信が開始されており,これが日本のケーブルテレビの始まりとされている。その後,ケーブルテレビは放送の普及とともに発展を続け,自主放送を行う許可施設*1のケーブルテレビに加入している世帯数は2010年9月末で2,533万世帯になり,全世帯における普及率は47.5%に達している。ケーブルテレビ大国であるアメリカの普及率54%(2009年)には及ばないが,約半数の視聴者がケーブルテレビで放送を視聴していることになる。

解説

  • 放送のデジタル化とケーブルテレビ
    黒田徹/小山田公之
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    概要
    2000年にBS(衛星)デジタル放送が,2003年に地上デジタル放送が開始され,いよいよ2011年7月24日に一部の地域を除いて地上アナログ放送とBSアナログ放送が終了する。2010年12月の総務省報道資料によれば,2010年9月末で自主放送を行う許可施設ケーブルテレビの加入世帯数は2,533万世帯(そのうち地上デジタル放送に対応しているケーブルテレビに加入している世帯数は2,499万世帯)であり,普及率は47.5%である。日本における放送のデジタル化の半分はケーブルテレビのデジタル化に依存している。本稿では,ケーブルテレビにおけるデジタル放送の再送信技術や,インターネットサービスを含めた高度化に関する開発経緯を紹介する。
  • ケーブルテレビにおけるデジタル伝送技術の動向
    小山田公之
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    概要
    ケーブルテレビでは,デジタル放送の再送信の規格のほかに,さまざまな規格が定めら れている。また,光ファイバーの導入も進行している。ケーブルテレビにおけるデジタ ル伝送技術を最新の動向を含めて概観する。

報告

  • デジタル放送のミリ波Radio on Fiber 伝送
    中戸川剛/前田幹夫/小山田公之
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    概要
    光ファイバーを加入者宅まで直接敷設することが困難な集合住宅などに,光ファイバーで伝送さ れているデジタル放送を配信するための補完手段として,光ファイバー伝送路の末端をミリ波の 無線伝送に置き換えるRoF(Radio on Fiber)伝送システムを開発した。本稿では,伝送システ ムのキーデバイスである光SSB(Single Side Band)変調器およびミリ波受信器について述べ, その有効性を示す。提案する光SSB変調器を用いて変調実験を行い,光変調度を理論値と4dB 以内の誤差で設定できること,従来の変調器よりもミリ波信号のCNR(Carrier to Noise Ratio) を14dB改善できることを明らかにした。
  • 位相雑音の影響を軽減した1024QAM復調技術
    倉掛卓也/中村直義/小山田公之
    PDF ↓概要

    概要
    デジタルケーブルテレビの伝送容量の拡大を目指して,ケーブルテレビ用1024QAM受信機の開 発を行った。開発したQAM復調回路では,従来の64,256QAMを多値化する際に課題となる チューナーの位相雑音の影響をシンボル判定領域の形を変形することで軽減する。位相雑音の影 響をモデル化して,隣接シンボル間の判定しきい値線(直線)を求め,各直線で囲まれた多角形 領域をシンボル判定領域とする。開発した復調回路が典型的な位相雑音環境において1024QAM の特性の改善に効果があることをシミュレーションで示し,実際に商用で使われているケーブル テレビ施設で試作機を用いた実験を行い,その効果を確認した。

研究所の動き

  • スーパーハイビジョンの非圧縮伝送システムとIBC2010におけるライブ中継 PDF ↓概要

    概要
    将来のスーパーハイビジョン(SHV)の中継番組において,スポーツ映像などを高品質に伝送するとともに,中継現場と放送局との間で会話がスムーズにできるようにするために,画像圧縮処理に伴う画質劣化や遅延が生じない非圧縮伝送システムの研究を進めている。今回,ハイビジョン信号の16本分のデータ量に相当するデュアルグリーン方式のSHV信号(24Gbps)を,広域通信網で標準的に用いられる信号形式(40Gbps)に変換して伝送し,伝送途中で誤ったデータを受信側で訂正する装置を開発した。開発した装置を用いることで,光ファイバー回線を使って長距離の安定した伝送が可能となり,中継現場から放送局までの都市間を結ぶ高速な広域通信網を利用してSHV信号の伝送ができるようになる。
  • ソーシャルネットワークサービスを利用した番組推薦手法 PDF ↓概要

    概要
    近年,インターネット上でコミュニケーションの場を提供するソーシャルネットワークサービス(SNS)が広く利用されるようになり,多くのユーザーが日常のさまざまな出来事をSNSに書き込んでいる。その中で,テレビを視聴しながら番組の感想を書き込み,SNS上の他のユーザーと共有・共感し合う人々が増えてきている。当所では,放送予定の番組から友人・知人が視聴しそうな番組やSNS上で人気のあるユーザーが視聴しそうな番組を推薦することで,「○○さんが見るのなら」と番組を視聴してもらうきっかけを増やすことを目的として,番組に関する書き込みとSNSにおけるユーザー同士の関係を利用した番組推薦手法を提案している。

発明と考案

  • 2011年 1月~2月 PDF

論文紹介

  • 論文紹介 PDF

  • 研究会・年次大会等発表一覧 PDF

  • 学会発表論文一覧 PDF