No.124 2010年11月発行

放送通信連携技術 特集号

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巻頭言

  • 放送通信連携技術への期待
    早稲田大学理工学術院教授 亀山 渉
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    概要
    本誌を読んでいらっしゃる方々はよくご存じと思うが,1999年に設立され,2005年まで標準化活動を行ったTV-Anytime Forumという業界標準化団体があった。大容量のハードディスクドライブが搭載されたPDR(PersonalDisk Recorder)がテレビに接続あるいは内蔵されるのを前提として,いつでも,どこでも,どんな方法でも,好きなテレビ番組を視聴できるサービスの実現を目指し,それに必要な技術標準を策定した団体である。日本では,このようなサービスは「サーバー型放送」と呼ばれていた。今日のデジタル放送やIPTV(Internet Protocol TV)で使用されているメタデータ規格等には,基本的にこのTV-Anytime Forum標準が採用されている。NHK技研からも多くの技術者の方がこの標準化活動に参加され,私自身が2001年から副議長を務めたこともあり,関係の方々には大変お世話になったのを懐かしく思い出す。

解説

  • 技研における放送通信連携技術 研究の概要
    加藤 久和
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    概要
    技研で進めている放送と通信を連携・融合した技術の研究開発の状況について述べる。 本稿では放送通信連携技術に関連するこれまでの取り組みを振り返りながら,研究の基 本的な考え方を説明し,技研で行っている放送通信連携技術や放送を支える通信を利用 する技術の研究について紹介する。
  • Hybridcastの概要と技術
    松村欣司 / 金次保明
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    概要
    デジタル放送とブロードバンドのそれぞれの利点を生かした放送通信連携サービスの基 盤となるシステムHybridcastの概要と,その実現に向けた技術的な取り組みを紹介する。 Hybridcastは通信ネットワークを利用して放送サービスを強化するためのプラットホー ムであり,既存の放送サービスをさまざまに拡張することができる。番組のカスタマイ ズ視聴,SNS(Social Networking Service)との融合,放送番組からVOD(Video On Demand)番組への誘導,携帯端末やPCとテレビの連携利用など,多様で多機能な 放送サービスが実現可能になる。
  • 放送通信融合サービスのためのアイデンティティー管理と サービス連携
    山村千草 / 藤井亜里砂
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    概要
    放送通信融合時代におけるテレビサービスには,従来の放送サービスが持つ同報性や公 共性のほかに,個人のニーズに応じたきめ細かなサービスが期待されている。本稿では, 個人の好みや意向に即した個人向けサービスをテレビで簡便・安全に提供するために, 放送局と外部事業者間でユーザーのアイデンティティーを連携し,さまざまな放送通信 融合サービスを実現するための技術について解説する。
  • レート制御型ハイビジョンIP伝送装置
    小田 周平
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    概要
    近年,放送局ではIP(Internet Protocol)ネットワークを活用した番組制作の高度化・ 効率化の試みが積極的に行われている。例えば,簡単な機材と街中に整備されているイ ンターネットアクセスポイントを活用した生中継が行われている。IPネットワークは, 放送局が映像伝送に利用している従来の専用回線とは異なり帯域が保証されていない。 従って,IPネットワークでリアルタイムの映像・音声を安定して伝送するためには克服 すべき課題がある。本稿では,複数の利用者が帯域を共有するというIPネットワークの 特性を説明し,放送局がIPネットワークを番組中継に利用する際の課題を明らかにする とともに,IPネットワークで安定して映像を伝送する手法およびその手法に基づいて開 発したレート制御型ハイビジョンIP伝送装置を紹介する。

報告

  • デジタル放送におけるIPパケット伝送方式の伝送特性評価
    青木秀一 / 青木勝典 / 山本真
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    概要
    放送においても通信で用いられているIP(Internet Protocol)パケットを用いてコンテンツを伝 送することで,放送と通信の送受信における処理を共通化することができる。また,異なる特徴 を持つ放送と通信の組み合わせが容易になり,多様なフォーマットのコンテンツを多様なデバイ スに伝送することが可能になる。筆者らは,衛星デジタル放送の高度化においてIPパケットを効 率的に多重するTLV(Type Length Value)多重化方式を提案するとともに,携帯端末向けマル チメディア放送の1つであるISDB-TSB(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial Sound Broadcasting)においてIPパケットの伝送方式を提案した。
  • 双方向サービスのための効率的なプロバイダー認証
    大竹剛 / 小川一人
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    概要
    双方向サービスにおいては,プロバイダーに成り済ました第三者へ視聴者の個人情報が漏えいすることを防止する必要があり,そのためのプロバイダー認証は重要な技術である。プロバイダー 認証はデジタル署名を用いることで実現できるが,署名鍵が漏えいした場合には,成り済ましを 防止するために署名鍵を更新する必要がある。しかし,従来のデジタル署名方式の場合,署名鍵 の更新に伴って,対応する検証鍵を更新する必要があり,新しい検証鍵を視聴者に再配布するた めの通信コストが非常に大きくなる。本稿では,署名鍵が漏えいした場合においても安全なプロ バイダー認証が可能な双方向コンテンツ配信システムを提案する。また,提案システムにおける プロバイダー認証に最適なStrong key-insulated署名方式を提案する。

研究所の動き

  • フレキシブル制作システム PDF ↓概要

    概要
    放送局では,これまで番組の制作や保存にVTRテープを用いてきたが,近年,ハードディスクやメモリーを利用した番組制作システム(ファイルベースシステム)の導入が進められている。当所では,番組制作者が特別なハードウエアやソフトウエアを導入することなく利用でき,効率的なワークフローを実現するシステムとしてフレキシブル制作システムを提案している。
  • 音響認知モデルの研究 PDF ↓概要

    概要
    音の知覚に関する音響認知モデルを構築することを目指して研究を進めている。当所が開発を進めているスーパーハイビジョンの音響システム(22.2マルチチャンネル音響システム)の品質を評価するためには,音の方向感,距離感,広がり感などの空間印象を評価する必要がある。この空間印象を物理量から客観的に評価する方法として音響認知モデルを適用することを検討している。

発明と考案

  • コメント収集解析装置および そのプログラム PDF ↓概要

    概要

    特徴と利用分野

    本発明は,テレビの放送番組に対する視聴者のコメントをインターネット網を用いて収集し,解析・活用するための装置およびプログラムに関するものである。放送番組に対する視聴者のコメントを解析することで,視聴者全体のコメントの傾向を把握することや視聴者同士のコミュニケーションを促進するサービスを自動生成することが可能となる。
  • 2次元コード表示プログラム,デジタル 放送受信機及びプログラム送信装置 PDF ↓概要

    概要

    特徴と利用分野

    本発明は,マトリックス型2次元コード(以下,2次元コード)を生成するプログラムをデータ放送で送信し,デジタル放送受信機で文字列を使って2次元コードを構成して表示するための技術に関するものである。本発明により,文字のサイズに下限があり,小さな2次元コードの表示が困難であったデータ放送などの電子文書を閲覧するような環境においても,任意のサイズの表示構成要素(黒または白のセル)を持つ2次元コードを表示することができる。

論文紹介

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  • 学会発表論文一覧 PDF

  • 研究会・年次大会発表一覧 PDF