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回り込み波の変動と遅延広がり
竹内 知明 / システム今村 浩一郎 / NHKエンジニアリングサービス濱住 啓之 / システム 工学博士澁谷 一彦 / システム
↓概要
- 概要
- 地上デジタル放送のSFN(Single Frequency Network)を放送波中継で実現するためには,送受信アンテナ間の結合による回り込みを抑制する必要がある。そのため,筆者らは回り込みキャンセラーの開発を行い,その有効性を示してきた。SFN放送波中継局を今後,設計・設置するために,実際の放送波中継局において回り込み波の伝搬特性を測定・把握し,回り込みキャンセラーに対する要求条件を明らかにすることが重要な課題となっている。本稿では,測定が可能な中継局設備で行った送受信アンテナ間結合量とその時間変動および回り込み波の遅延広がりについての測定と解析結果を報告する。
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ISDB-T用アダプティブアレイの開発
MMSEアダプティブアレイの放送波中継への応用
竹内 知明 / システム木村 智 / 技術局送受信技術センター濱住 啓之 / システム澁谷 一彦 / システム
↓概要
- 概要
- 地上デジタル放送の放送波中継を実現するためには,伝搬路によって生じる受信信号の劣化を中継局で改善する必要がある。特に,中継局は見通しの良い山頂に設置されることが多く,親局以外の地理的に離れた場所にある送信局からの電波を受信する可能性があるので,同一チャンネル干渉を考慮する必要がある。本稿では,地上デジタル放送の放送波中継局用のMMSE(Minimum Mean-Squared Error)アダプティブアレイを用いた同一チャンネル干渉除去技術について述べる。提案法では,アレイ合成信号と既知信号との差で定義される誤差を最小化するための基準信号としてSP(Scattered Pilot:スキャッタードパイロット)信号を用いる。受信データシンボルは内挿補間した最適重みを用いてキャリヤーごとに合成し,干渉波をキャンセルする。計算機シミュレーションおよび室内実験を行い提案法の有効性を示す。
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地上デジタル放送の放送波中継のための合成-比較-選択に基づく最ゆう判定指向型アダプティブアレイ
竹内 知明 / システム成清 善一 / システム横畑 和典 / システム今村 浩一郎 / NHKエンジニアリングサービス濱住 啓之 / システム 工学博士澁谷 一彦 / システム
↓概要
- 概要
- 地上デジタル放送の放送波中継局における同一チャンネル干渉対策として,筆者らはMMSE(Minimum Mean-Squared Error)アダプティブアレイを用いた干渉除去技術の適用を検討している。しかし,日本の地上デジタル放送のISDB-T(Integrated Service Digital Broadcasting-Terrestrial)方式において,SP信号を参照信号とする従来の重み制御アルゴリズムでは,SP信号の受信タイミングが希望波と一致もしくは近接しているISDB-T方式の干渉波を除去できないという問題があった。本稿では,干渉波がISDB-T方式である場合には,希望波と干渉波のSP信号の受信タイミングにかかかわらず干渉除去が可能なISDB-T用アダプティブアレイの合成-比較-選択に基づく最ゆう判定指向型重み制御アルゴリズムを提案する。計算機シミュレーションおよび試作機を用いた野外実験を行い,提案法の有効性と地上デジタル放送の放送波中継局に最ゆう判定指向型アダプティブアレイが適用可能であることを示す。