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15μm厚HARP光電変換膜
大川 裕司 / 材料・デバイス宮川 和典 / 材料・デバイス松原 智樹 / 菊地 健司 / 材料・デバイス鈴木 四郎 / 材料・デバイス久保田 節 / 材料・デバイス江上 典文 / 材料・デバイス
↓概要
- 概要
- 我々は,夜間の緊急報道や自然科学番組制作を主な目的として,アモルファス(非晶質)セレンでのアバランシェ増倍現象を用いた高感度HARP(High-gain Avalanche Rushing amorphous Photoconductor)光電変換膜の研究開発を進めている。今回,アバランシェ増倍率向上による更なる高感度化を目指して,HARP膜厚を従来の8μmより厚くすることを検討した。これまで,厚膜化したHARP膜では,高輝度スポット光を撮影した際に膜欠陥が発生する問題があったが,厚さ15μmのHARP膜ではその動作温度を30℃以上に制御することにより,その発生が抑制できることを見いだした。更に,その温度に耐えうるようにHARP膜の耐熱性強化を行った結果,アバランシェ増倍率約200を有する信頼性に優れた15μm厚HARP膜の開発に成功した。
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1インチ256×192画素アクティブ駆動型HEED冷陰極HARP撮像板
難波 正和 / 材料・デバイス、
本田 悠葵 / 材料・デバイス、
平野 喜之 / 特許、
宮川 和典 / 材料・デバイス、
渡部 俊久 / 材料・デバイス、
岡崎 三郎 / 、
瀧口 吉郎 / 材料・デバイス、
江上 典文 / 材料・デバイス
↓概要
- 概要
- 小型超高感度撮像デバイスの開発を目指して,電界放射陰極アレイに高感度なHARP(High-gain Avalanche Rushing amorphous Photoconductor)光電変換膜を対向配置した冷陰極HARP撮像板の開発に取り組んでいる。今回は,撮像板の多画素化に向けて,カメラ実装時の配線数の大幅な削減や画素の高速順次駆動が期待できるアクティブ駆動回路を内蔵させたHEED(Highefficiency Electron Emission Device)冷陰極アレイおよびこれを適用した基礎実験用1インチ256×192画素撮像板(画素サイズ50μm×50μm)を試作した。撮像実験の結果,試作撮像板では外部からクロックや同期信号,駆動電圧などを加えるだけでNTSC規格での画素駆動が十分可能であることが確認できた。また,ハイライト(強い光)が入射した場合にも対応できるダイナミックレンジやHARP膜に由来する超高感度・画素数に相当する良好な解像度が得られ,高精細な超高感度,広ダイナミックレンジ撮像板の開発に見通しを得た。
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有機膜積層型光電変換素子の色分解特性
瀬尾 北斗 / 材料・デバイス
相原 聡 / 材料・デバイス
渡部 俊久 / 材料・デバイス
大竹 浩 / 材料・デバイス久保田 節 / 材料・デバイス
江上 典文 / 材料・デバイス
↓概要
- 概要
- 次世代の超小型・高画質単板カラーカメラの実現を目指して,光の3原色それぞれに感度を持つ有機光電変換膜を積層した新しい撮像デバイスの開発に取り組んでいる。本稿では,有機膜積層構造でカラー撮像が可能であることを検証するために,光の3原色それぞれに感度を持つ有機膜を透明電極で挟み込んだ3枚のサンドイッチセルを試作し,これらのセルを積層した構造で色分解特性を評価した。その結果,試作した積層素子では,光の3原色にほぼ対応した光電流応答が得られ,有機膜を積層した構造で光の3原色を分離できること,すなわち,カラー撮像が原理的に可能であることが確認できた。