No.892012/08


就任にあたって
NHK放送技術研究所長 藤沢 秀一

 4月25日より、前任の久保田啓一のNHK理事・技師長就任に伴いまして、放送技術研究所長を引き継ぐこととなりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 昨年は千年に一度と言われる巨大地震が東北地方をはじめとする各地域に甚大な被害をもたらしました。福島第一原発の事故の影響もあわせて、今もなお大勢の方が避難生活を余儀なくされています。地震発生から1年以上がたちましたが、私たちはこの未曾有の災害を忘れることなく、引き続き迅速な緊急災害放送に努めていく所存です。
 震災の影響により、昨年の7月24日に実施が見送られていた東北3県(岩手県、宮城県、福島県)のアナログ放送の終了につきましては、今年の3月31日に無事終了することができました。ご協力いただいた多くのみなさまに、改めて感謝申し上げます。
 放送のデジタル化が完遂した今、放送技術研究所(技研)で働く私たちは、これからの日本を元気付けるとともに、誰もが安全に安心して暮らしていく一助になる研究開発を進めていきたいと考えています。
 昨年の10月、NHKは「信頼される公共放送として、放送機能の強化と放送・サービスのさらなる充実を図り、豊かで安心できる社会の実現と新しい時代の文化の創造に貢献します」を基本方針とした平成24〜26年度経営計画を発表いたしました。これを受けて技研では「10年後、20年後の夢のある放送を想定し、理論から応用まで、デバイスからシステムまで一貫した研究開発により、放送の質を高めるとともに、視聴者のみなさまの利便性を向上させる」を基本方針とした技研3か年計画を策定し、経営計画の実現に向けて取り組んでいます。
 その中心的な研究開発が、放送と通信の機能を有機的に連携させることで新しい魅力的なサービスを実現するためのHybridcast®と、スーパーハイビジョンやインテグラル立体テレビなど将来の高臨場感放送サービスです。とりわけ、Hybridcastについては、今後1〜2年での実現を目指します。スーパーハイビジョンについては、これまで約10年後の試験放送を想定して研究開発を進めてきましたが、できるだけ早期の実用化を目指し研究を加速しているところです。7月27日に開幕したロンドン五輪では英国内4カ所、日本国内では3カ所、米国内1カ所の世界9カ所でパブリックビューイングを実施し、広く世界の方々にスーパーハイビジョンの魅力を知っていただきたいと考えています。
 また、これからの安全・安心な国民生活を実現していくためには、障害のある方や高齢者はもちろん誰もが享受・利用できる放送としていくための「人にやさしい放送技術」の研究開発が極めて重要になると認識しています。
 これらを技研における研究の重点項目として、職員一丸となって視聴者のみなさまに使いやすく豊かで夢のある技術をご提供できるよう、より一層研究開発を推進していきたいと考えています。今後とも忌憚のないご意見・ご指導をいただききますようお願い申し上げます。




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