No.702011/01

スーパーハイビジョンフル解像度カメラ
テレビ方式研究部 山下 誉行

 スーパーハイビジョン(SHV)は、次世代のテレビジョンを目指して研究開発を進めている高臨場感映像システムです。技研では、SHVの魅力を知っていただくため、毎年の技研公開や海外の放送技術展示会などでSHVコンテンツや各種機器のデモを行っています。皆さんは、すでに体験いただいたでしょうか?
 SHV映像の画素数は、ハイビジョンの16倍となる3300万画素ですが、2002年のカメラ開発当初は、3300万画素のフル解像度撮像素子が製作できませんでした。このため、830万画素の撮像素子を4枚用いたデュアルグリーン(4板画素ずらし)方式を適用してカメラを試作しました。
 この試作から5年が経過し、フル解像度撮像素子を開発できるめどが立ったことから、2007年にフル解像度カメラの開発をスタートしました。映像の高精細化により撮像素子の画素サイズが小さくなると、光を取り込める量が減少して感度が低下します。一方で、画素数の増加により撮像素子が大きくなると、カメラのサイズに影響します。このため、試作カメラの性能とサイズを考慮して撮像素子の構造やサイズを検討し、2.5インチのCMOS撮像素子を開発しました。また、1秒あたり9GBに及ぶSHVフル解像度映像のデータを、リアルタイムで処理できるカメラ信号処理装置も新たに試作しました。特にレンズの色収差で生じる色ずれ補正の精度を向上させ、補正前に4画素近くあった色ずれを0.5画素以内に抑えることができました。この結果、カメラの解像度特性は大幅に向上し、他の性能についても従来試作機に匹敵する数値を得ることができました。
 今回試作したカメラの重量は65kgとまだ大きいですが、今後小型化に向けた検討を進めていきます。また、SHVフル解像度に対応した周辺機器の開発とSHVの魅力を伝えるコンテンツの充実を図っていきます。


図1:フル解像度
スーパーハイビジョンカメラ
図2:撮像例



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