No.592010/02

情報還流システム
〜放送を通じた「巨大お茶の間」の形成
次世代プラットフォーム研究部 有安 香子

 テレビはお茶の間の主役として家族団らんに欠かせない存在であり、テレビ番組に関する話題が日常の会話のきっかけになることも多くあります。一方、最近ではテレビを見ながらインターネットに接続し、テレビ番組の感想やコメントを送受信する人達が、若い世代を中心に増えています。技研では、放送番組を視聴しながら感想やコメントを共有する仮想的な「巨大お茶の間」をインターネット空間の中に作り、放送局と視聴者や視聴者同士の新しいコミュニケーションの輪が広がることを目的として、情報還流システムを提案しています。
 情報還流システムは、視聴者同士でコメントを共有するだけなく、放送字幕や放送局にある出演者などの情報を使って、どのシーンのどの出演者に対するコメントかを解析し、その結果からさまざまなサービスを視聴者の皆様に提供することを特徴としています。サービスの例として、集まったコメントの傾向をグラフ化し、その盛り上がりを基にした漫画風ダイジェストサービス、コメント内容から抽出した興味度に合わせた番組お勧めサービス、コメント内容の似ている視聴者のブログを相互推薦するサービスなどを開発しました。
 これらのサービスを生成するために、各コメントが番組のどのシーンのどの出演者に対するコメントかを推定する手法、各コメントがどのような感情を表しているかを、肯定・否定・驚き・悲しみなどに分類する手法、コメント内容が似ている視聴者をグループ分けする手法、嗜好を加味したお勧めサービス生成手法など、さまざまな技術手法を提案しています。
 今後は、一人でも多くの方にこれらの新しいサービスを楽しんでいただけるよう、簡単に「巨大お茶の間」に参加できる仕組みなども開発し、放送に通信の機能を加えた新しい番組の楽しみ方を提案していきます。

図 情報還流システム概要



Copyright 2010 NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved.
許可なく転載を禁じます。

技研だより NHK放送技術研究所