No.592010/02

宇宙での生命体捕獲の模擬実験で超高速度カメラが活躍!

写真1 超高速実験装置にセットした
超高速度カメラ
 国際宇宙ステーションの日本実験棟では、地球生命誕生の秘密などの解明に向けて、地球や他の惑星を脱出した微生物が生存したまま宇宙空間に長期滞在できるか、他の惑星から有機物が飛来する可能性があるかなどを調査するミッションが予定されています。この調査のために、宇宙空間で微生物や微小な有機物を捕獲する計画(たんぽぽ計画)が東京薬科大学を中心に進められています。今回、(独)JAXA宇宙科学研究本部における宇宙空間と同様の環境を模した実験で、技研で開発した超高速度カメラを用い、微生物や有機物を捕獲する瞬間の撮影にチャレンジしました。
 空気のない宇宙空間では飛翔体の速度は秒速数kmに達します。そこで、実験では超高速実験装置を用いて、直径1mm以下の微生物や有機物を秒速4.5km(マッハ13)で飛ばし、これを超低密度のエアロゲル*1に衝突させることでダメージを与えることなく捕獲しました。衝突時に、ゲルには微生物や有機物が掘り進んだ貫通孔が形成されますが、これは一瞬の現象であるため、これまでカラーの鮮明な映像として撮影した例はありませんでした。
写真2 エアロゲルに捕獲される
超高速度で飛翔してきた
微生物(撮像例)
 今回、技研で開発した最速で1枚の画像を1/1,000,000秒で撮影することができる超高速度カメラを用い、撮影タイミングを精密に設定することで、はじめてエアロゲルでの捕獲の様子を鮮明な超スローモーションカラー映像として撮影することに成功しました。撮影した映像を見た研究者からは、この映像は捕獲の模様を詳しく知る一つの手段となり得ると、高い評価をいただきました。
 これらの模様は、平成22年1月9日の「サイエンスZERO 〜大宇宙に地球外生命を探せ!〜」(ETV)で放送されました。

*1 エアロゲル:高い断熱性や吸着性を持つ超低密度の固体物質



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