No.472009/02

連載 「放送を支える記録技術」(全4回)
 今月から始まる新連載「放送を支える記録技術」では、「ビデオテープ」に代わる新しい映像記録メディアとして高性能化が著しいハードディスクの高密度記録技術と、飛躍的な大容量化が将来期待できるホログラム記録技術について紹介します。

第1回 「放送を支える記録技術」
材料・デバイス 主任研究員 林 直人
放送局のテープレス化
 日本では、2011年7月、地上テレビ放送がデジタル放送へ完全移行することになっています。多くの放送局では、地上デジタル放送への移行、あるいは基幹システムの更新時期に合わせて局内放送システムの完全デジタル化が実施される予定であり、そのタイミングで“テープレス化”が進められようとしています。テープレス化とは、放送局内で番組を制作したり送り出したりするシステムを、従来のビデオテープを中核とするシステムから、ハードディスク(HDD)や半導体メモリー、光ディスクを用いたシステムに置き換えることです。これにより、放送局内のシステムをビデオサーバーと、それらをつなぐネットワークにより構成できるようになり、番組コンテンツをファイルとして自在に蓄積・転送することで、番組の制作や送出の作業効率を高めることが可能となります。

記録メディアの変遷
 放送局においては、番組コンテンツを蓄積・活用・保存するための記録装置が必要不可欠です。1956年の実用的なVTRの発表から50年以上、記録装置として、磁気テープを映像記録メディアとするVTRが用いられてきました。この間、VTRの小型化・ハイビジョン化が行われ、1985年以降にそのデジタル化が進められました。また、家庭においても1/2インチ幅あるいは8mm幅のビデオテープが映像記録メディアの主役でした。
 近年、HDD、DVDやブルーレイディスクなどの光ディスク、あるいは半導体メモリーなどの記録メディアの高速大容量化と画像圧縮技術の進歩によって、ビデオテープ以外の記録メディアでもハイビジョン映像を長時間蓄積できるようになりました。これらの記録メディアは、ランダムアクセスが可能でネットワークとの相性も良いため、テープレス化を担う主要な記録メディアとして導入が進められています。
 技研では、テープレス化への対応とスーパーハイビジョン用記録装置の大容量化・高速化を目指して、映像用小型高速HDDやホログラム記録装置などの研究開発を進めています。次回以降、これらの記録技術を個別に紹介していきます。ご期待ください。
映像記録メディアの変遷


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技研だより NHK放送技術研究所