放送のデジタル化による多チャンネル化や、インターネットの発展に伴う多メディア化が進む中、多種多様で魅力のある番組が求められています。技研では、良質な番組を効率的に制作するための番組制作技術の研究開発を行っています。その一環として、映像制作を行うために必要な機能を検討して、画像合成、映像効果、編集などで使う機能を記述できるシーン記述言語MIKSS(
Media object InterlocK and SynthesiS:ミックス)を開発しました。
映像シーンを構成する人物や背景などの被写体を映像部品と呼びます。映像シーンは、これらの映像部品を組み合わせることで表現できます。MIKSSを用いると、映像部品を表示する位置や時刻の記述に加え、映像部品単位でのイン点(映像の開始位置)やアウト点(映像の終了位置)を使った映像編集や、ワイプやディゾルブ(オーバーラップさせながら映像を切替える)などのシーンチェンジ(映像の切替)、色変換や変形などの映像効果など、映像制作に必要な機能を容易に記述することができます。また、マウスのクリックなど視聴者の選択に応じて映像シーンを表示するなど、インタラクティブな映像の記述も可能です。
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| 図1 シーン記述による映像合成 |
図1にMIKSSを使った映像制作の例を示します。この例では魚や水草などの動画が映像部品です。はじめに、映像部品を表示する位置や時刻などを記述したシーン記述ファイルを作成します。このシーン記述ファイルをシーン記述プレイヤーで読み込むことで、記述されている情報を基に映像部品を合成して映像シーンを表示できます。MIKSSのシーン記述ファイルを書き換えることで、映像部品の入れ替えや表示位置の変更などを容易に行うことができます。
図2にネットワーク上で映像部品を共有する映像制作システムの概念図を示します。図の点線で囲った部分が1つの編集装置になります。シーン記述言語を共通にすることで、制作者はシーン記述ファイルさえあれば、どの編集装置を使っても編集作業を行うことができます。また、テキストだけを扱う簡易編集装置を使ってシーン記述ファイルを作成できることから、番組制作設備の低コスト化にも貢献できます。
今後は、ネットワークを利用した映像制作に必要な機能の整備や、MIKSSで記述した映像シーンをデータ放送やインターネットで活用するための研究を進めていきます。
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