5月29日(木)に開催

研究発表

午前10:20〜 研究発表1

放送通信連携システムの機能拡張 ~ハイブリッドキャストの高度化に向けて~

ハイブリッド放送システム研究部 大亦 寿之

ハイブリッドキャストは、通信を活用して放送をより豊かにするためのプラットフォームである。2013年9月、NHKは放送と通信を連携させた新しいテレビサービス "NHK Hybridcast" を開始した。技研では、ハイブリッドキャストのさらなる発展を目指し、多様で高機能なサービスの提供に必要な放送通信連携システムの高度化技術の研究開発に取り組んでいる。また、ハイブリッドキャストの技術仕様の拡張も進められており、技研はこの標準化活動にも寄与している。

本報告では、まず、放送局以外の事業者によるハイブリッドキャストのサービスの提供も可能にする放送外マネージドアプリケーションの概念について説明する。視聴者に安全・安心なアプリケーションを配信し、放送局とサービス事業者が円滑にサービスを提供するためのシステムモデルや、これによって実現できるチャンネル横断サービスの一例を紹介する。さらに、放送と通信の高精度な同期、録画再生やストリーミングへの対応といった、サービスの高機能化を支える技術についてサービス例を交えて説明する。最後に、今後の実用化に向けた取り組みを紹介するとともに、8Kスーパーハイビジョン時代のハイブリッドキャストの展望も示す。

午前10:40〜 研究発表2

8Kスーパーハイビジョンにおける光インターフェースの開発と標準化動向

テレビ方式研究部 添野 拓司

次世代放送システムである8Kスーパーハイビジョン(8K SHV)の実現に向け、8K解像度(7680×4320画素)、フレーム周波数120Hz、階調12ビット、広色域表色系のフルスペック8K SHV機器の開発を進めている。これまで8K SHV信号の機器間伝送の際には多数の同軸ケーブルを用いる必要があり、ケーブルの取り回しなど実運用面での課題があった。そのため1本のケーブルで機器間の8K SHV信号伝送が可能なインターフェースの開発と早期の標準化が求められてきた。

本報告では、新たに開発して2014年3月にARIB STD-B58として標準規格となった8K SHV機器間インターフェースについて紹介する。まず、インターフェースへの要求条件を整理する。次に、それらを満たす物理層の10Gbps光マルチリンク形式および論理層の信号マッピング方式を説明し、これらを搭載したインターフェース装置による8K SHV信号伝送実験について述べる。最後に、光インターフェースを搭載したフルスペック8K SHVカメラシステム、記録装置、ディスプレーの開発について報告する。

午前11:00〜 研究発表3

多視点カメラを用いたインテグラル立体像の生成手法

立体映像研究部 池谷 健佑

技研では次世代の超高臨場感放送システムを目指し、自然で見やすく、特別なメガネが不要であるインテグラル立体テレビの研究を進めている。インテグラル立体テレビは、微小レンズで構成されたレンズアレーと高解像度ディスプレーを組み合わせることで、被写体からの光線を再現し、空間に立体像を生成するテレビである。

インテグラル立体テレビでは、特殊な専用カメラでインテグラル立体像生成を行っている。スポーツ中継における選手などカメラから遠方にいる被写体の撮影では、被写体までの距離があるため、専用カメラでは、立体像生成が困難であった。

本報告では、複数の通常のテレビカメラで構成された多視点カメラで撮影したさまざまな視点からの映像(多視点映像)を用い、遠方の被写体でもインテグラル立体像が生成可能な手法を紹介する。本手法では、確率論を導入した奥行き距離推定手法を用いることで多視点映像からの誤差を抑制した複数の3次元モデルを生成する。それらをインテグラル立体像生成用の画像に変換後、合成することで、被写体などに遮蔽されカメラに映らない領域を低減し、欠損がないインテグラル立体像を生成する。本手法の有用性を、放送された相撲のシーンから制作したインテグラル立体コンテンツを例に紹介する。

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