5月24日(木)の講演の概要です。


2012〜2014年度NHK技研3か年計画
 NHKは「信頼される公共放送として、放送機能の強化と、放送・サービスのさらなる充実を図り、豊かで安心できる社会の実現と新しい時代の文化の創造に貢献します」を基本方針とした平成24〜26年度経営計画を策定した。
 技研では、経営計画の達成に向けての役割を果たす中で、「10年後、20年後の夢のある放送を想定し、理論から応用まで、デバイスからシステムまで一貫した研究開発により、放送の質を高めるとともに、視聴者のみなさまの利便性を向上させる」とした基本方針のもと、技研3か年計画を取りまとめた。
 具体的には、完全デジタル化後の放送サービスの拡充に向けて、放送通信融合サービスの基盤技術を確立するとともに、スーパーハイビジョンや立体テレビなど将来の高臨場感放送の実現に向けた研究開発を促進する。さらに、全ての視聴者のみなさまが快適に放送を楽しめるように機能を強化し、サービスを充実させた人にやさしい放送の研究開発を促進し、視聴者のみなさまに使いやすく豊かで夢のある技術を開発する。


Hybridcastの展開
 技研で開発を進めている放送通信連携システムHybridcast®(ハイブリッドキャスト)は、提案を行ってから今年で3回目の技研公開を迎えた。国内外でさまざまな放送通信連携サービスの提案が行われている中、我々の提案するシステムは、高品質・高信頼・同報性を持つ放送と、膨大な情報を個別の要求に従って提供できる通信という2つのメディアの特長を最大に活用できることが特長である。そして放送事業者が提供するコンテンツを、視聴者のみなさまに、より豊かに、便利に、かつ安全に利用していただくことを目指して開発を行ってきた。すなわち、Hybridcastは、デジタル化を完了した放送が通信と連携することによって成り立つ新しい情報利用環境である。
 NHKでは、平成24〜26年度経営計画で「放送と通信が融合した新たなサービスの提供と開発」、「新たなメディア環境に対応する技術とサービス基盤の確立」を重点目標の具体内容に挙げている。Hybridcastはその目標実現に向けた重要な手段である。本講演では、Hybridcastの実用化に向けた現在の研究開発状況、標準化への取り組み、今後の進め方について述べる。


スーパーハイビジョンの研究開発とロンドン五輪対応
 技研では、2020年頃にあたかもそこにいるような臨場感が得られるスーパーハイビジョン放送を実現すべく研究開発を進めている。この研究開発は、平成24〜26年度経営計画の中で「次世代の超高臨場感放送システムの開発」として挙げられた重点目標の1つでもある。スーパーハイビジョンは、超高精細映像と3次元音響からなるシステムであり、その放送を実現するために、番組制作・伝送・家庭視聴の全系統について新たな技術の開発と標準化を進めている。また、新たな放送サービスとして、視聴者に期待感を持って受け入れていただくために、その魅力や実現性を具体的な形で提示する活動も行っている。
 本講演では、スーパーハイビジョン放送の実現に向けたロードマップを示したうえで、放送システムの各構成要素の研究開発状況および目標を述べる。さらに、これまでの開発成果を集結するとともに、BBC(英国放送協会)、OBS(オリンピック放送サービス)ほかとの連携により世界規模で実施する、今夏のロンドン五輪のスーパーハイビジョンパブリックビューイングについて紹介する。

5月24日(木)から27日(日)午前10時から午後5時まで
講演/研究発表