今後、デジタル放送による、携帯端末向けサービスなどの開始より、屋外でもテレビを見る機会が増えていくと考えられます。いつでもどこでもテレビを楽しむのに便利な、軽くて薄く、丸めて持ち運ぶこともできるフレキシブルディスプレイの実現に向けて、有機EL*1ディスプレイと、フィルム液晶ディスプレイの研究とともに、有機TFT*2による両者の駆動技術の研究も進めています。
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■ フレキシブル有機ELディスプレイ 高い発光効率を有する燐りん光性高分子材料を用いてプラスチックフィルム上に赤、青、緑の画素を形成すれば、高効率な自発光型のフレキシブルディスプレイを実現できます。今回、燐光性高分子の分子構造を改良して緑色と赤色の発光効率をさらに高めるとともに、パネル構造を改良して、輝度と寿命を改善したフレキシブル有機ELディスプレイを試作しました。 |
- 燐光性高分子材料の分子構造の改良で発光効率をより向上しました(緑:従来12%を13%、赤:従来6.7%を11%に向上)。
- 新しい水蒸気透過防止構造(水蒸気バリア層)を開発し、寿命を改善しました。
- 有機ELは高速応答なので動画表示に適しています。
本研究は、昭和電工(株)、共同印刷(株)、(株)セルバックとの連携により進めています。
*1 EL(Electroluminescence):電界発光
*2 TFT(Thin Film Transistor):薄膜トランジスター
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■ フレキシブルフィルム液晶ディスプレイ プラスチックフィルム基板をポリマー(合成樹脂)の繊維や壁で保持することにより、フレキシブルな液晶ディスプレイが構成できます。今回、高画質な画像表示に必要なTFT駆動に適した低電圧動作のフィルム液晶を、ナノ*3構造ポリマーを用いて実現しました。
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- 従来のポリマー繊維は液晶分子の向きを一方向に安定化する一方で、分子の動きを制限するため、高い駆動電圧(15V以上)を必要としました。今回、液晶分子の動きと連動するようにポリマー繊維をナノ領域にまで微細化することで、TFTで駆動できる数Vの電圧で動作可能になりました。
- 高速応答(1ミリ秒以下)の強誘電性液晶を使用しているので、動画表示に適しています。
- 簡易な印刷塗布と紫外線露光で作製できるため、大面積化が容易です。本研究は、共同印刷(株)と共同で進めています。
*3 ナノ:10億分の1メートル |
■ 有機TFTによる駆動 技術有機ELやフィルム液晶をフレキシブル化が可能な有機TFTで駆動することで、高輝度・高画質・長寿命なフレキシブルディスプレイの実現を目指しています。今回、フォトリソグラフィープロセス*4の導入により素子の微細化・多画素化を進め、有機TFT駆動の有機ELパネルと液晶パネルを試作しました。 |
- ゲート絶縁膜*5に陽極酸化五酸化タンタル膜を用いることで、携帯用ディスプレイの実現に有利な低電圧動作の有機TFTを、プラスチック基板上に作製しました。
- プラスチック基板に適したフォトリソグラフィープロセスの開発により、有機TFTの微細化と多画素化を行いました。
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| 本研究は、日本ビクター(株)と共同で進めています。 |
有機ELディスプレイの発光効率と寿命をさらに向上させていきます。フィルム液晶ディスプレイについても、表示の一様性やコントラストの向上、有機TFTとの一体化を進めます。そして、有機TFTの多画素化と、電流の流れやすさを表す移動度などの特性向上を図り、高輝度・高画質・長寿命なフレキシブルディスプレイの開発を進めていきます。
*4 フォトリソグラフィープロセス:露光技術を応用した微細な素子生成方法
*5 ゲート絶縁膜:TFTのゲート電極と電流の通路(チャンネル)の間の絶縁膜 |