2030-2040年に向けた放送メディアの未来ビジョン

概要

高速大容量のネットワークがより身近になり、高度化したIoTや人工知能による社会生活のサポートがいきわたる未来社会が予測されるなか、放送メディアはどこへ向かうのか。放送技術研究所(技研)は、2030-2040年ごろのメディア環境を想定し、公共メディア NHKの研究所として目指す目標と方向性を、未来ビジョンとして描きました。

未来の新たなユーザーエクスペリエンスとして私たちが届けたいもの、それは「これまでのテレビの枠を超えた新しい体験・感動」、「コンテンツを通じた人とのより深いつながり」、さらにはすべての人への「安全・安心」です。

10-20年先の新たな放送メディアのサービス実現に向けた研究開発を通じて、“新時代へのチャレンジ”を続けていきます。

未来ビジョン

想定する2030-2040年ごろのメディア環境

多様な視聴スタイル

屋内、屋外、自動運転中の車内など日常のあらゆる生活空間で、いつでも好みの機器を使って没入感・臨場感あふれるコンテンツを視聴・体感することができます。

あらゆる視聴デバイスで

高機能化した視聴デバイスと空間デザインが融合し、生活空間の中に自然に溶け込みます。同じコンテンツでも、大画面テレビでは迫力ある映像・音響を、3次元テレビでは好みのシーンの立体的な形状や質感を、ウェアラブルディスプレーではその場にいるような没入感を楽しむことができます。CGによる手話など、ユーザーのニーズに応じたコンテンツを視聴・体感することができます。

さまざまな生活空間で

パブリックビューイングや自動運転中の車内など、場所や環境を問わずにコンテンツを視聴・体感することができます。

離れた人とも一緒に

ARによる視聴空間の共有など、コンテンツを通じて人と人がつながる新たな体験が可能になります。

未来の制作スタジオで

映像・音声に加えて、被写体の立体形状や質感、振動、音の3次元的な特性など、さまざまな情報が取得可能になり、より魅力的な情報をあらゆる人に提供します。リアル空間とバーチャル空間が融合した新たなコンテンツ制作環境が実現します。

未来の制作スタジオで

スタジオでは、映像・音声に加えて、立体形状や質感などさまざまな空間情報を取得します。

リアル空間では、没入感・臨場感のある映像や音響などを取得します。

制作者は、全天球の映像や出演者に加え、視聴者も融合させた映像・音声を生成できます。