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さらに豊かな放送を目指して
「いつでもテレビ」「どこでもテレビ」「人にやさしいテレビ」

振り返れば、日本のテレビ技術は、高柳健次郎というひとりの研究者の情熱と使命感によって蒔かれた無線遠視法の延長上に多くの有名無名の技術者たちの営々とした努力の中で現在まで発展してきた。夢を実現しようとする情熱は、今までなかった新しいテレビを今後も次々と生み出すことになるだろう。

 

2002− 夢を技術に、夢を現実に


テレビは進化する
 放送は、信頼されるニュース、豊かな番組を届けるメディアとして、生活に欠かせないメディアとなった。
 20世紀はしばしば「映像の世紀」といわれた。それは、19世紀に誕生したさまざまな映像情報メディア技術が、地域・国境を越えて、地球規模から宇宙にまで発展・普及した結果であろう。
 すでに、日常世界は、身辺だけでなく、遠く離れた異国や「電子空間の中の現実」に深く相互に依存している。電子情報メディアによる情報によって、現実は補完・拡張・支援され、人々は日々生活している。映像情報メディアは、その意味で地球規模の現代世界を支える存立基盤なのである。
 メディアのあり方は、現代では、ライフスタイルや、政治・経済・社会・文化の基礎を形成する重要な要素である。情報社会、電子社会へのインフラとなったのが、他ならぬ映像・情報メディア、中でも一番生活に密着したのは、ラジオ、テレビであったといってよいだろう。
 地球規模の交流の中で、グローバル化は一層促進されるであろう。また日常生活でのメディアは、さらに随時性、随意性を持って、無線と有線を相互に連携する、「いつでもテレビ」「どこでもテレビ」「人にやさしいテレビ」をめざして進化するであろう。

新たな放送文化を支える
 映像伝達が、社会や文化に長期的にどのような構造変化を及ぼすかは、まだ即断できない。ただ茶の間に入った映像メディアは、人々の声を反映する機会を拡大する。ユニバーサルな映像情報の交流は、民主主義社会の道具であり、空気として、現代の人々の民主的な生活スタイルを支えるライフラインであるという文化構造を形成したのである。
 Tele−Vision ( 遠くを見る ) という願望は、表面的には満たされつつある。しかし、遠くを見ることだけでは、人々の願望は満たされない。過去を遡ること、いつでもどこでも見たいものを見ること、自らをみつめ豊かにすること。新しい夢が、克服すべき課題が、以前にもまして広がり、深まっている。テレビにかける技術者たちは、さらに、人々の夢を実現するために、新しい技術の研究開発に挑戦する集団であり続けていく。

1.NHK技研が目指している夢

育ちつつある夢


走査線4000本テレビ
高臨場感システムの実現のために必要
な、走査線4000本級のカメラを試作



触覚ディスプレイ
目の不自由な人でも形が
わかる触覚ディスプレイ



ホームサーバー
デジタル放送受信機はハード
ディスクを内蔵し、いつでも
欲しい情報を視聴できるよう
になる。



曲げられるディスプレイ
巻き取って収納できるテレビも実現
可能となる、液晶を使った曲げられ
るディスプレイ

 

   

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