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NHKスポーツオンライン

    • 2018年01月12日(金)

    ピョンチャン五輪を盛り上げるには!

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韓国のピョンチャンで行われる冬のオリンピックの開幕まで残り1か月を切りました。

 

競技会場などの施設はほぼ完成し、準備は仕上げの段階に入っています。

 

その一方、今月はじめの段階で、チケットの販売が最終目標の6割程度にとどまるなど、大会をどう盛り上げていくかが大きな課題となっています。


スポーツニュース部の酒井紀之記者が、現地で取材してきました。

 

 

 

ピョンチャンってどこ?

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韓国で初めて冬のオリンピックが開かれるピョンチャンは、首都のソウルから東におよそ200キロのところにある韓国有数の冬のリゾート地です。

 

ソウル市内のキンポ空港から車で高速道路を利用し、3時間あまりで、現地に到着しました。

 

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まず感じたのは厳しい寒さです。

 

先月30日からの滞在中、最低気温が氷点下18度まで冷え込んだ日もありました。

 

開幕まで1か月となった9日には、朝のニュース番組で、中継リポートを行いましたが、寒さに加えて風も強く、話すのもやっとでした。

 

開会式と閉会式が行われるオリンピックスタジアムでは、去年11月に行われたテストイベントで複数の人たちが低体温症で救急搬送されたということです。


過去の冬の大会と比べても、寒さは厳しく、選手にとっては体調管理が1つのポイントになりそうです。


さらに、日本から観戦に訪れる人たちは十分な防寒対策が必要です。

 

 

 

施設の準備は順調

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 大会は、山岳エリアのピョンチャンと海岸エリアのカンヌンで開かれます。

 

合わせて12の競技会場はすでに完成し、仮設の観客席や競技を行うためのコースづくりなど、準備は仕上げの段階に入っていました。


ピョンチャンにあるスキーの競技会場では、去年の大みそかに、オリンピックイヤーの幕開けを祝うカウントダウンイベントが開かれました。


炎のトーチを掲げたスキーヤーたちが、ゲレンデに「2018」という文字を描き出し、華やかな花火も打ち上がりました。


集まった人たちからは「オリンピックを誇りに思う」「楽しみにしている」という声が多く聞かれました。


さらに、オリンピックスタジアムも、色とりどりの光でライトアップされました。大会に向けた地元の熱を肌で感じました。

 

 

 

 思わぬ課題が…!

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しかし、大会は大きな課題を抱えています。

 

チケットの販売が、今月3日時点で、最終目標の64%にとどまっているのです。


国内では政治の混乱で大会への関心がなかなか高まらず、海外では北朝鮮をめぐる情勢への懸念も広がったためです。

 

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それを象徴する問題も起きています。

 

フィギュアスケートやアイスホッケーなどが行われるカンヌン市では、最新の調査で、ホテルやペンションなど949ある宿泊施設のうち82%で大会期間中の予約が全くとれていないことがわかったのです。


競技会場が集まるオリンピックパークからおよそ3キロと利便性の高いペンションでさえも、提供している12部屋のうち1部屋もまだ予約が入っていませんでした。


経営者の男性は、「大変です。周りにある他のペンションも予約が入っていない状況です」と残念そうに話しました。


なぜ、こんなことが起きたのか。


オリンピックでの需要を期待した高額な料金設定が原因でした。


市によりますと、カンヌン市の宿泊施設の中には、大会期間中、ふだんの10倍の料金を設定する施設もあったということです。


こうしたことが裏目に出て、利用を避ける動きが広がったと見られています。

 

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 さらに、首都ソウルとの間をおよそ1時間30分で結ぶ高速鉄道が先月開通したことが皮肉にも客足が遠のく原因にもなりました。


カンヌン駅で高速鉄道の利用客に話を聞くと「カンヌンで宿泊するより高速鉄道を利用したほうが安いです」と話していました。


実際に、ソウル市内のホテルでは、旅行代理店と協力して宿泊とオリンピック会場までの高速鉄道の料金をセットにした商品を売り出し、すでに反響があるということです。

 

オリンピックの宿泊客を奪い合う競争は、会場周辺だけでなく、高速鉄道の沿線で広がっていたのです。


こうした事態に、カンヌン市は対策チームを立ち上げ、先月、地元のホテルに対して適正な料金の基準を示すなど問題の解決に乗り出しました。


対策チームのイ・ソンゲ部長は「品質やサービスに合わない価格を設定している施設に対して価格を下げさせるように求めています」と話し、宿泊施設を訪ね歩いて料金などの点検を続けています。


そのうえで、料金の透明化を図るために、韓国語に加えて日本語・英語・中国語でも地元の宿泊施設の設備や料金などを紹介する市のインターネットサイトを立ち上げました。


こうした対策の効果もあってカンヌン市の宿泊施設の料金は落ち着きを取り戻しました。

 

 


必死の地元 秘策は?

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 開幕までの期間でどう盛り上げていくか、地元も必死です。

 

7日にピョンチャンで開かれた寒中マラソン大会では、氷点下のなか、上半身裸になって参加する地元、カンウォン道のチェ・ムンスン知事の姿がありました。


組織委員会の副委員長も務めるチェ知事、およそ2000人のランナーたちとともに、オリンピックの成功を祈念する掛け声をあげ、現地入りしている海外メディアにアピールしていました。

 

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さらに、大会の広報大使に抜てきしたのが、韓流スターのチャン・グンソクさんです。

 

チャンさんは大会開幕を1か月前にして、NHKの単独インタビューに応じ、「広報大使になって国を代表する顔にならなきゃいけないなと思っています。韓国でも日本でもがんばりたいです」と意気込みを話しました。

 

チャンさんは、日本でも人気があることから、日本からの観戦客を呼び込めると期待されています。

 

さっそく今月と来月に日本を訪れ、コンサートツアーの会場にオリンピックの特設ブースを設けるほか、ステージの上では、寒中マラソンに参加していたチェ知事とともに大会のPRを行う計画です。

 

チェ知事も「オリンピックには日本からも是非たくさん訪れて欲しい」と話し、日本から多くの観戦者が訪れることに期待を寄せていました。

 

 

 

盛り上げの動き活発!その効果は

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現地では、自治体の庁舎や高速鉄道の駅などでチケットの対面販売が始められ、組織委員会も各業界団体に大口の購入を働きかけるなど、大会を盛り上げようという動きは活発になっています。

 

残る1か月でどこまでチケットの販売が伸びるのか、そして大会を盛り上げる「切り札」として広報大使に起用された韓流スターが、どのような効果をもたらすのか、開幕まで引き続き注目していきたいと思います。

 

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  • 酒井紀之

    • 酒井紀之
    • スポーツニュース部記者