舞台は灼熱のアルジェリア。ここにローマ帝国の巨大遺跡「ティムガッド」がある。約2千年前に建設されたものの、帝国の滅亡後に放棄され、その後は歴史から忘れ去られた幻の都市である。
破壊や盗掘を免れたティムガッドは、ローマ帝国の都市の姿を、完璧な形で今に伝える唯一の遺跡。しかし、内戦状態が続くアルジェアへの入国は極めて困難だったため、誰も近づけなかった。
今回、NHKは特別な許可を得て初めて本格的に取材を実施。その全貌を詳細に記録した。するとそこからは、ローマ帝国の誕生と繁栄の謎が、次第に明らかになってきたのである。
様々な人種・言語・宗教が混在した巨大なローマ帝国を束ねることができた鍵は、これまで、ひとえに強力な軍事力による支配とされてきた。 しかし、ティムガッドは、その通説を覆しつつある。土地を平等に分け与えるために、碁盤の目に整備された街並み。近代都市をも凌ぐ完璧な上下水道。整備された劇場や公共浴場。ローマとアフリカの神が仲良く描かれた彫像・・・・。
そこからは、民族の融和をはかり、快適な都市生活を提供することで、人心を掌握しようと模索した、新たなローマ帝国像が浮上する。繁栄維持の鍵は、皇帝の強権政治ではなく、むしろ柔軟な平和政策にあったのだ。
第一集では、ティムガッド遺跡の詳細な分析を軸に、ローマ帝国が実施した画期的な統治システムと、その裏に隠された帝国の思惑を描き出す。また、最新のCGを駆使してティムガッドを再現し、古代ローマ都市の全貌に迫るなど、様々な角度から帝国繁栄の秘密を探る。
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