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NHKスペシャル 「データマップ 63億人の地図」
2004年1月〜11月(9回シリーズ)
 

データマップ 63億人の地図 第九回 いのちの地球へ 〜野生生物からのメッセージ〜
2004年11月28日(日) 午後9時〜9時52分
 
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パームオイルの原料となるヤシ畑を荒らす野生ゾウ
(スマトラ島)
 
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スマトラ島の農村で見つかったゾウの骨。
農民によって殺害されたと推測されている。
 「データマップ」を道標に、世界の今を見つめるシリーズ。最終回は、絶滅の危機に立つ動植物、絶滅危惧種のいのちを見つめる。
 今、地球上で絶滅の危機にあるのは、1万5千種余り。その数は、この1年で3千種も増えている。人間に近い哺乳類では、ライオン、トラ、パンダ、ゾウ、ゴリラ、オラウータンなど、動物園の人気者のほとんどが、今、存亡の危機にある。
 世界で最も哺乳類の絶滅種が多いのは、インドネシア。スマトラ島の森では、農民がゾウを殺害する事件が相次いでいる。なぜ農民がゾウを殺すのか。その背景には90年代に入って生産高が急増したパーム油という植物油がある。この油は、主に加工食品、外食産業などに使われる値段の安い植物油で、日本を含め世界で消費量が急増。ゾウの暮らす森は、パーム油の原料である油ヤシ畑に変わり、飢えたゾウが畑を荒らすようになって、人間と衝突し始めたのである。
 また、日本の絶滅種は、動物だけで668種。イリオモテヤマネコ、シマフクロウなどの希少な種から、これまではどこにでもいると思われていたドジョウ、メダカまでが絶滅に危機に追いやられている。一方、世界では追いつめられている絶滅危惧種の環境を再生しようとする動きも出てきている。アメリカ、フロリダ州のエバーグレーズという世界有数の湿地帯では、総予算1兆円、30年の歳月をかけての湿地の再生工事が進められている。絶滅危惧種・フロリダパンサーの保護がその目的の一つである。
 「データマップ」をもとに、世界の絶滅種を訪ね、人間と野生生物の共生を求める時、何が大切なのかを考えていく。