「はやぶさ」とは

「はやぶさ」は2003年に内之浦宇宙空間観測所よりM-Vロケットで打ち上げられました。地球以外の天体に着陸し、サンプルを持ち帰るという試みは、アメリカのアポロ計画と旧ソ連のルナ計画では月で行われていましたが、それ以来どこの国も行っていませんでした。もちろん小惑星に着陸し、その物質を持ち帰るということは世界で初めての挑戦でした。

トラブル続きだった「はやぶさ」

「はやぶさ」が話題になったのは、次々とトラブルに直面し極めて困難な状況に追い込まれたにもかかわらず、それを乗り越えたことでした。打ち上げから半年後には観測史上最大規模と言われる、太陽の爆発現象フレアに遭遇してしまい、太陽光パネルの出力が低下します。その後も様々なトラブルが起きました。小惑星イトカワに最初に着陸するまでの「はやぶさ」に起きた主なできごとをまとめてみました。

年月日 「はやぶさ」の出来事 最初の着陸までの残日数
2003年5月9日 「はやぶさ」打ち上げ 926
2003年5月27日 イオンエンジン1基が不調 908
2003年11月4日 太陽フレアに遭遇 747
2004年5月19日 地球スイングバイ 550
2005年7月29日 小惑星イトカワ初撮影 114
2005年7月31日 姿勢制御機器リアクションホイール1基目が故障 112
2005年9月12日 小惑星から20kmのゲートポジションに到着 69
2005年10月4日 姿勢制御機器リアクションホイール2基目が故障 47
2005年11月4日 着陸リハーサル1回目(途中で中止) 16
2005年11月9日 着陸リハーサル2回目 11
2005年11月12日 探査ローバー「ミネルバ」投下(着陸できず) 8
2005年11月20日 着陸1回目(タッチダウン後バウンドし30分間接地) 0
2005年11月26日 着陸2回目  

最大の危機、奇跡の復活

「はやぶさ」が遭遇したトラブル中でも、特に深刻だったのは小惑星イトカワに2回目の着陸を行った後、機体の姿勢が乱れ一か月以上も通信が途絶えてしまったことです。広大な宇宙で行方不明になった「はやぶさ」に対して、プロジェクトチームはアンテナが地球に向く瞬間に通信できるチャンスが生じると考えひたすら電波を送り続けました。その結果、通信は無事回復することができたのです。

燃え尽きた「はやぶさ」

2010年6月、はじめの計画よりも3年おくれて、「はやぶさ」は地球に帰ってきました。7年間、60億キロにおよぶ過酷な長旅で機体は満身創いの状態。小惑星のサンプルが入ったカプセルを切り離した後、大気圏に再突入して自らの機体はバラバラとなって燃え尽きました。このできごとによって世間から「はやぶさ」には高い関心が集まり、その物語は映画にまでなったのです。