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NHKスペシャル
2011年1月〜
総合テレビ
全6回シリーズ  ホットスポット 最後の楽園
自然・環境
NHKスペシャルの大型シリーズ「ホットスポット 最後の楽園」の旅人になった福山雅治さんが、ロケ先の現地で番組ディレクターのインタビューを受け、ブラジルやマダガスカルに行った体験談や感想、そして自身の自然や生命への思いなどを語りました。
ホットスポット 最後の楽園

福山雅治さん、ブラジルやマダガスカル体験談

Q. 忙しい中、今回のオファーを受けた理由は?
A. もともとNHKスペシャルの自然ドキュメンタリーの番組のファンだったので、今回のオファーは僕にとっては「念願の」という感じでした。
僕は旅が好きで、これまでも色んな国に旅行してきたんですけど、歳を重ねるに従い、大都市より自然の世界に興味がいくようになっていた矢先だったので、今回の仕事は願ったり叶ったりの仕事でしたね。
Q. ロケを終えた感想は?
A. 例えば国立公園の中で、夜遅くまでアリ塚が光りだすのを待ったりとか、そういう事って一般の観光ではできないですからね。よりディープな自然や生態系に触れる事ができたのは、貴重な体験でしたね。
この地で発見したこと、初体験したことはもちろん僕の知らなかったことなんですけど、でもこの地球上にはこのホットスポットのさらに向こう側があるんだろうな、という好奇心がますます沸き上がりました。
そして今回のロケを通じて、自分の中でぼんやりしてたもののフォーカスが合ってきたなと。それは、生き物が生きていく上で必要なこと、なぜ滅びていくのか、生き残る為に進化していく生き物たちの強さ、可能性、そういうことを感じました。
我々は自然と共に生きているということ、これはもう紛れもない事実である。その自然がなければ、我々は生きていけないということ。そして森、川、海、山などの自然を、もっともっと好きになることが大切じゃないかなと思いましたね。
Q. ロケで一番つらかったことは?
A. 一番つらかったことですか?(笑)8人のスタッフ中6人が高熱を伴う食あたりになったことです。うち2人は入院ですし・・・。高熱を伴う食あたりっていうのは、僕は初めてでしたね。
最初風邪だと思ったんですよ。僕は1人でロッジの中で、自分を触って、「俺熱い!こんな熱い俺知らない!」と。まぁ40度の熱を出したことありますけど、汗が出ない熱っていうのは初めてだったんで。これもきっと、NHKスタッフが用意した演出の1つなのかと思ってしまうぐらい(笑)。本当に、強烈な体験でしたね。
まあ旅にはつきものではあるんですが・・・。龍馬伝で1年間過酷な環境で撮影をしてきて、体力が低下した中でのダメージでしたからね。
ただ、僕は意地になるタイプなので、「この俺に高熱を出させているウイルスめ」と。「喧嘩売ってるのか!」と。そういう怒りみたいな「やんのかコラ!」みたいな免疫力の高め方をしようと思っていましたね(笑)。
Q. ブラジルのセラードに行った時の印象は?
A. セラードの印象は最初行ったとき、なんでこんな何もないとこに来たんだろうと。リアクションの仕様がないじゃないかと思いましたね(笑)
アフリカみたいに有名動物が闊歩しているのを想像してたんです。なのに何にもいない。蟻塚だけ。ところがミクロの世界というか、目を凝らして地面に目をやると、そこには沢山の生き物がいるんですよね。
Q. 一番驚いたのは?
A. 光るアリ塚は驚きましたね。神秘的でした。何を引き寄せようとしているんだろう?何が光ってるんだ?シロアリ?と思って見ると、シロアリじゃない。この続きは、まぁ番組で見てほしいんですけど(笑)。美しかったですよね。美しい、美しいですよ。誰かが用意したわけではなく、そこで自然に発光してるわけですから。大変な知恵と労力ですよね。長い長い時を経て。それが興味深いんですよ。
誰かが最初に光ったんでしょうね。光った!どうやって光ったの?教えて!俺も光りたい!っていう、その進化の瞬間が知りたい。誰も見た事はないけれど、存在するんでしょうね、その瞬間がね。
Q. マダガスカルで印象に残っていることは何ですか?
A. マダガスカルのインドリが木と木をジャンプするのも、インドリのあり方と森のあり方との関係性でそうなってるってこと。共生ですよね、まさに。植物と動物の共生。よくできてますね。無駄なものがないんだなあと、ほとほと感心します。
インドリに出会った時、最初は鳴き声。やっぱあれを間近で聞いたっていうのが大きかったですね。あんな体は小さいのに僕より声が大きかった。当たり前ですけどね(笑)
あとジラフビートルね。あんな小さいのに、我々を威嚇してきましたよね。寄ってきてバーっと。あれだけ堂々と威嚇されると、やっぱりビビるんですね、人間というのはね。完全に僕の負けでしたね。
それとカメレオンは温かくて、ヤモリは冷たいんですよね。カメレオンは結構爪が痛いんですよ。あの爪があるから支えられるんだなって。強いフックになってるんですよね。ヤモリは、吸盤が感じられて、ピタって吸い付く感じ。日本で触っていたちっちゃいヤモリとは重量も違いましたね。ドーンと重量感あるんで。いい経験でしたよ、あれも。
やっぱりマダガスカルは生き物が多いので、進化の箱船と呼ばれていることは実感できますよね。
Q. 福山さんはいつごろから自然や生き物に興味を持ったんですか?
A. 子供の頃は単純に自然への興味がありました。野山に入っては、蛇や蛙を持って帰ってきて、母に怒られてたんですよ。ご飯作ってる母ちゃんに、母ちゃんこれ取ってきた!って言って、ぶん殴られてましたから。〔笑〕
そしてケニアのサファリに初めて行って野生動物を見た時、とても感動したんですよ。シマウマなんか最初「シマウマぁ?」なんて馬鹿にしていたのに、想像と全然違う美しさに目を奪われて。シマウマさん、ごめんなさいって感じでした(笑)
そしてそういう野生動物に触れた時、この生き物たちはいつ襲われるかわからない。いつ食べ物にありつけるかわからないっていう、生きるプレッシャーを受けながら、常に張り詰めた状態で生活している。だから気高く美しいのだろうなって、そう感じたんです。
Q. 福山さんは、自然をどんな風に捉えていますか?
A. 僕は自然や生き物は好きですけど「わぁ可愛い、わぁ家に連れて帰りたい」という感覚ではないんです。その自然、生き物、生態系がいかに変化、進化してきたのかということに興味があります。命はどこからきてどこへ行くんだろうって改めて考えます。本当に長い長い時を経てそうなっているわけで、そのきっかけも知りたいですしね、本当に不思議だなぁと思います。
知ることって、とても大切だと思います。自然が今どうなっているのか、人間が仮にいなかったらどうだったのかとか、そういったことを知ること。さらにその前段階、知ろうと思う行為に至るまでが、まず大事だなと思いますね。
Q. ほんとに不思議な自然がたくさんありますよね
A. 生き物を見てると、なんでこんな形になっちゃったんだろうって。想像を絶するわけです。例えばカメレオンでも、目ん玉が左右バラバラに動くと。どう見えているのか教えてほしい。でもそれは生きる為に必要な動き方なんですよね。
不思議っていうのは多分、我々人間が持つ概念の外にあるから不思議だと思う訳で、いつもその概念を超えたものを見せてくれますよね、自然というものは。
Q. 福山さんが、命について考える時ってどんな時ですか?
A. 命がかけがえないと感じる時は、これはもう子供の頃から変わらないですけど、親戚縁者とか友人とかが亡くなるときです。もちろん、結婚した友人の子供が産まれるとか、そういうのもあるんですけど、どちらかといえばやはり人が亡くなっていく時ですね。
僕らの両親・祖父母は兄弟が多い世代で、産めよ増やせよの時代。だから親戚、父母の兄弟が沢山いて、子供の頃から誰かが亡くなって葬式、法事が多かった。人間が死んでいくのを見た時に、命は限りがあるんだって感じましたね。
Q. 自然と人間との関係性についても考えていらっしゃいますよね?
A. 森に入ると気持ちがいい、海に行くと気持ちがいいですよね。これって本能レベルで、人間が元々持ってる自然との関係性だと思います。この気持ちのよさを与えてくれる自然を大事にするために何ができるんだろう、と考えますね。
日常生活でもそうです。フローリングだってテーブルだって木を使っているわけで、食べ物なんかも我々は生き物を捕食し、調理して食べているわけで、当たり前のように生活している環境の中にも、実は自然を感じて然るべきものはあるんですよね。
生き物や自然、そこにある命、そういったものから教えられますね。仕事が上手くいってないとか、人間関係が上手くいっていないとかっていうのは、瑣末なことだと思えて。身の回りの自分の生活を客観視できたりしますね。
Q. 地球規模のことについても考えることはありますか?
A. 子供の頃は、地球の将来についてすごく考えてたんですよ。宇宙に興味があって宇宙大百科などを読んで。太陽が膨張して何十億年後かに地球が飲み込まれる。やばい、なんとかしなきゃ。火星に移住する計画があるぞ、なんて。
地球に負荷をかけないためにどうするか。我々はすでに文明の中で生きているので、それを否定することはもうできない。でも人間は考えたり想像することができる。知恵を使って手を使って、できる範囲でやったらいいと思います。
Q. このロケを通じて何かご自身は変わりましたか?
A. 僕はこのロケに参加して、この番組の様々な映像を見て、ワクワクしたんですよね。何にワクワクしたのかというと、やっぱり命というものの可能性なんだと思うんですよね。
死ぬかもしれないみたいなプレッシャーがないと次の進化は無いと思うんですけど、人間はもう服着てるし、なかなかそんなに進化しないと思う。ただ生き物が頑張っているんだから、自分も変えてみよう、とは思います。
そして、僕がそうだったように番組を見る人にも何かが変わって欲しい。こういう番組を見て、じゃあ俺も学者になりたいとか、俺も動物撮るカメラマンになりたいとか、番組のディレクターになりたいとか、自然環境を守る団体に所属したいとか。そういう人がいてもいいですね。
Q. 今回の体験が今後の福山さんの創作活動に何か影響を与えてくれますか?
A. 表現活動っていうのは、『当たり前』を逸脱することが大事だと思っているんで。自然や生き物の人智を超えた活動を見ると、自分の感性を連れて行ってくれるっていうのはありますね。
クリエイティブっていうのは、創意工夫だと思うんです。生き物の進化も、神の意志なのか、生命そのものの意思かわからないですけど、創意と工夫があるわけです。それを自分でも感じるんです。
今回の旅で、何かしらの刺激は入っているはずで、自分という入れ物の中にいろんなものをいれた状態なので、それが自分の中で発酵し熟成され何らかの形で出てくると思います。
Q. 福山さんの感受性が何か刺激されたわけですね?
A. 自然を感じるのは、感受性の問題とも言えます。空を見ただけで感じる人もいれば、電気もない大自然の中で木々のざわめき、虫の声を聞かなければわからない人もいる。どの部分で自然を感じるのか、感受性はすごく大切です。
とれたての海産物を前に海を想像し、この魚はこう泳いでたんだな、こう大きくなったのかな、と想像力を働かせる人もいれば、何にも考えずにうまいうまいって食べちゃう人もいる。感受性と想像力の問題だと思います。
どうもありがとうございました。

"福山、いま生命いのちの旅へ・・・"

福山雅治
旅人 福山雅治
歌手や俳優を始め、写真家としても幅広い創作活動を繰り広げる福山さんは、これまで世界20か所を旅してきた "旅"の達人でもあります。旅を通じてめぐり合った出会いや新しい発見は福山さんの創作の源にもなっています。また自然や環境にも大きな関心を持っているという福山さんの歌には、愛しきものやはかないものへの想いがこめられた曲も多く、まさに本シリーズにぴったりの存在。「最近、命の連鎖を考えるようになってきた」とも言う福山さん。最後の楽園できらめいている生命との出会いに、福山さんのみずみずしい感性と旺盛な知的好奇心が、大自然の新しい発見と驚き、感動、命の尊さを伝えてくれるものと期待しています。
(大型企画開発センター エグゼクティブ・プロデューサー 村田真一)

※放送予定は急遽変更となる場合がございます。あらかじめご了承下さい。

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