太平洋戦争後、GHQが徹底的に解体した企業があった。明治から大正、昭和にかけ国家と一体となり経済の屋台骨を支えた三井物産である。
150年前、貧しい島国として世界にデビューした日本は、貿易によって富国強兵の「富国」を実現する戦略を立てる。明治政府が貿易立国の担い手としたのは元徳川幕府騎兵隊長の益田孝が作った三井物産だった。世界に残された最後で最大の市場、中国に打って出た三井物産は、日清日露戦争の時代は綿製品の加工貿易で、重工業の時代には資源の獲得でイギリスやアメリカと熾烈な戦いを繰り広げた。
世界恐慌後の1933年、日本の綿製品輸出は世界一を達成し、経済大国へとはずみをつけた。しかしまさにその時、世界の貿易は自由貿易から保護貿易へと枠組みが変わってしまう。石油という戦略物資をめぐり英米の国際資本と激突した結果、富の源であった世界市場から閉め出されるに至る。
貿易を通し世界経済の激流のなかで日本の興亡をみつめ、未来への生存条件を探る。
《シリーズJAPANデビュー》
≫「シリーズ JAPANデビュー 第1回 アジアの“一等国” 」
≫「シリーズ JAPANデビュー 第2回 天皇と憲法 」
≫「シリーズ JAPANデビュー 第3回 通商国家の挫折 」
≫「シリーズ JAPANデビュー 第4回 軍事同盟 国家の戦略 」
《シリーズ日本と朝鮮半島》
≫「シリーズ 朝鮮半島 第1回 韓国併合への道 伊藤博文とアン・ジュングン 」
≫「シリーズ 朝鮮半島 第2回 三・一独立運動と“親日派” 」
≫「シリーズ 朝鮮半島 第3回 戦争に動員された人々 〜皇民化政策の時代〜 」
≫「シリーズ 朝鮮半島 第4回 解放と分断 在日コリアンの戦後 」
≫「シリーズ 朝鮮半島 第5回 日韓関係はこうして築かれた 」